2012-05-21

病気と明るく強く闘う、れいこ
【第321~328日目: 5月13日(日)~20日(日)】


2011年6月28日に始まったれいこの闘病記、321~328日目です。
(初めての方は、まず初日・2011年6月28日のエントリーをご覧ください)


<●お願い>

このブログには、れいこの病状に関する情報を、ほぼそのまま掲載しています。
一方で、れいこの回復が厳しいこと、余命まで告げられたことは、本人には伝えていません。
れいこに話しかけて頂く際はもちろんですが、れいこに接する可能性のあるお子さん方にお話される際、ご配慮をお願いします。

お子さん方には、「れいこが頭にできた、悪いできものと闘っている。治るまでには、まだだいぶかかりそう」といった言い方にして頂ければ、幸いです。

「命が危ない」、「余命1~2年」といった部分については、特に配慮ください。れいこのためにも、お子さん方のためにも。

このような危惧をしつつも、あえてブログでの情報発信を行っています。皆さまのご配慮・ご協力をお願いいたします。



○入院生活、2週間終了

早いもので、れいこの入院生活は、早くも2週間が経過しました。
最短の場合、1ヶ月で終わる可能性もあるので、半分終了したのかもしれません。


14日(月)からは2週間目に入り、抗癌剤の量も1.5倍になりました。
やはり、それなりに体へのダメージもあるということで、1週間目は本来より量を減らしていたそうです。幸い、目だった副作用は今のところ、出ていません。


病院では、リハビリにも励んでいます。
あまり話せなくなっているれいこは、従来のフィジカルな運動機能のリハビリに加え、言語機能のリハビリも始めました。
先生と一緒に、しりとり遊びをしたり、カードに書かれた絵の説明をさせられたり・・・。


しかし、物理的に声が出にくいだけではなく、言葉もなかなか頭に浮かんで来ないようです。
正直なところ、放射線治療の悪影響が出ていて、脳の正常な機能が奪われていると思わざるを得ません。

リハビリと言っても、調子が良くなって、社会復帰の用意をしているのではありません。むしろ、れいこの気持ちに張りを持たせる意味が大きいです。
れいこは自分が治ると思っていますし、リハビリがその一歩であると信じています。ですから、れいこはリハビリがとても楽しいのでしょう。

その楽しい気持ちが、少しでも快方に向かわせますように。



○悪化の一途・・・?

残念ながら、このところのれいこの症状は、悪化の一途を辿っています。

大きな不安は、アビリシアンです(トイレの小さい方のこと。れいこ命名)。
このところ、目立ってアビリシアンの回数が減っています。水を飲むのが困難なので、水分の摂取量自体が減っていることもあるのでしょう。

ですが問題は、尿意を感じることができず、感じても排泄することが難しくなっている点です。本人が行きたいと言って連れて行っても、20分以上用が足せないことがあります。

24時間を超えて、アビリシアンが出ないことが、何度かありました。先日などは、何と34時間も(!)アビリシアンが出ませんでした。

主治医と相談し、脱水には注意の上で、様子を見ているのですが・・・これまた、なかなか大変な状況です。

れいこの病室から見た景色


この週末、急に目立ってきたのは、嚥下障害です。食べ物を噛んだり、飲み込んだりすることが、目に見えて困難になってきました。

少し前から、水を飲むと頻繁に咳き込むようになっていたのですが、19日(土)から急激に食べ物を口に出来なくなりました。うどんや卵豆腐など、消化のいいものを細かくして口に入れてやるのですが、ほとんどダラダラ溢してしまいます。
結局、食事1回あたり、2時間もかかるようになりました。


嚥下障害の一環でしょうか、起き上がるときに、ひどく咳き込むようになりました。
例えば、ベッドから車椅子に動かすときに、ゲホゲホと。車椅子から、リビングの椅子に移ると、またゲホゲホ。トイレに行っても何をしても、その都度ひどく咳き込むのが、とても辛そうです。

また、毎日しゃっくりを頻繁にするようになりました。
寝ている間もしゃっくりを何度もして、その都度少し目を覚ましかけているようです。



こうした病状の悪化には、いささか参っています。
単純な介助の問題以上に、気持ち的に非常に辛い状況です。

目もあまり見えず、満足に喋ることもできない、れいこ。まして、手足はほとんど自由になりません。
そんなれいこが、食べることもできず、少し移動するだけで苦痛を感じなければならない、という状況。
何より、私たちがこの病状の悪化に対して、何もできずにいるという状況。

本当に、辛い状況です。
れいこの状況は、厳しさを増すばかりです。私たちは、未だにこの現実を受け止めることができません。

-れいこはきっと、元気になってくれるはず。
その思いや皆さんからの応援が、かろうじて私たちを支えてくれているように思います。


・・・とは言え、一番辛い思いをしているのは、間違いなくれいこです。
私たちは絶対に諦めず、れいこを支えてやろうと思います。れいこと井上家は、「明るく強く」頑張りますので、応援をよろしくお願いします!



○れいこの日々

ちょっとしんみりしたので、れいこの楽しい近況報告をしましょう。

チワワのラッキーが、わが家に来て1週間になります。
今週末もれいこが外泊でわが家に帰ると、もの凄い勢いで尻尾を振って、騒いでいました。れいこも嬉しそうに、毎日エサを与えています。



先週末ですが、13日(日)には、六甲山牧場まで遊びに行きました。
体験コーナーで、ウールとビーズで飾りをつくる機会があり、れいこはネックレスをつくりました。ちょうど母の日のこの日、れいこはお母さんにそのネックレスを贈りました。本当に優しい、れいこです。

お母さんに贈ったネックレス

ところで、5月31日(木)から1泊2日で行われる、地元小学校の修学旅行が近付いてきました。
いろいろと調整の結果、何とかれいこは修学旅行に参加することができることになりました。

しかし、今のれいこはとても自力では行動できません。
私たち両親が同行し、介助をしながら、できる範囲で班の子供たちと一緒に行動することになりました。

本当であれば、親と離れて行くからこその修学旅行なのですが・・・そこは残念ですが、やむを得ません。れいこも、行けるだけで十分に嬉しいようです。

良かったね、れいこ!



○シューイチロー還元企画

いつもれいこのために、いろいろとガマンをさせられている、お兄ちゃんのシューイチロー。
今回、たまにはシューイチローを喜ばせてやろうと、遊びに連れて行きました。

れいこがいると、外を自由に動き回ることもできませんので、入院中にコッソリと。妻がれいこのところに泊まり込んでいる間に、男二人で夜遊びをしました。

まずは、シューイチローの大好きなボーリング。
3ゲームやって、初めてシューイチローはトータルで私に勝ちました。息子に負かされるというのは、成長の裏返しでもありますから、それはそれで悪くありません。

(それでも言い訳しておきますと、前夜に久しぶりのランニングで9kmほど走ったため、当日は足がガクガク&ブルブルで、ボーリングどころでは無かったのです・・・。ええ、ただの言い訳ですが)

続いて、ゲーセンでUFOキャッチャーをして、本屋でマンガを1冊買ってやりました。
マンガは予定外だったのですが、「ボーリングでわしに勝ったら、マンガ買っちゃるけん」と言ってしまっていて・・・まさか負けるとは。(笑)


締めは、息子の大好きなラーメンです。
ガッツリと大盛りの男のラーメンを二人で食べました。



たまには、男二人で出かけるのも、悪くありません。
シューイチローのための企画でしたが、私も束の間、辛いことを忘れることができました。

もう中学2年生ですから、いささか愛想は悪くなりましたが、真っ直ぐいい子に育ってくれたと思います。きっと彼を育てた親が、さぞや立派な方なのでしょうね。(笑)



<●最後に、れいこへ。>

れいこへ。

今週末も、外泊ができて良かったね。
ラッキーが待っているわが家は、やっぱり新鮮やったやろ?

 
今週末は、ご飯を食べにくくて、ちょっと困ったな。
きっと、今回の薬がもうすぐ効いてきて、すぐに良くなるけんな。


お父さんとお母さんは、毎日毎日お前が元気になることを、願いよる。
今のお父さんたちには、願い、祈ることしかできんけど、この気持ちはきっと伝わるはず。

それに、すごく大勢の仲間や友達、先生方が、お前が治るよう願ってくれよるよ。
みんなが、すごく大勢のみんなが、「れいこ、ガンバレ!」って、後押ししてくれとるんぞ。

ほやけん、絶対に治そうや。
病気なんかに負けんのぞ、れいこ。


まずは、修学旅行やな。
一緒に、広島旅行を楽しもうな。

でも、中学や高校の修学旅行は、一人で行くんぞ。
お前が元気になって、修学旅行のみやげ話を聞かせてくれる日を、楽しみにしとるよ。

そんな日が来ることを、心から願っとるよ、れいこ。




2 件のコメント:

のんちゃんママ さんのコメント...

れいこさんのご様子が 我が娘の一ヶ月半前と重なり、ご両親の心中 痛い程よく分かります。日々 目に見えて…というのは 本当に辛いですよね…。でも、本人の前では明るく振る舞わなければならない気持ちも 本当によく分かります。今思うのは “好きな物をもっと食べさせてあげたかった” “娘の声をもっと聞きたい”です。
私たちの娘は 二人共 本当によくがんばっています。応援と祈る事しか出来なくても、一緒に居るだけで きっと安心出来るはず! 笑顔の為に がんばりましょう‼

井上 さんのコメント...

>のんちゃんママさん、

コメントをありがとうございました。
のんちゃんの一月前が、こうした状況だったのですね。

日に日に悪くなっていく、という状況は、耐えようのない焦燥感やストレスがあります。
私たちも、つい数ヶ月前のれいこを思い出しては、涙を流す日々を過ごしています。

のんちゃんにも、れいこにも、奇跡が起きることを願います。
傍についていて、手を握っていてやるだけしかできませんが、それが奇跡に繋がるのかもしれません。

大丈夫、子どもたちはきっと病魔に打ち勝ってくれます!お互いに頑張りましょう!