2017-10-15

「図書館がやることじゃない」と言われて考えたこと

悪気ない一言だったのでしょう。
とある会議で、私が以前やってみたある取り組みについて話したとき、他の図書館員から「図書館がやることじゃない」と言われました。

イメージ画像:牛窓の風景

(他の参加者もウンウンといった感じでしたが、時間の制約があり、その点については議論できず終わってしまいました)



★過去の取り組み


私のやった取り組みとは、数年前にあるゼミとタイアップして実施した講習会です。
教員のいわく、
  • 大学で契約するデータベースや電子ジャーナルは、卒業後使えなくなってしまう。
  • 今のうちに、ネット上の無料サービスで情報収集できるよう、学べないか
・・・とのことでした。

そこで私はこの教員と相談し、4年生のゼミで卒業が近づいた頃に、講習会をしました。
NDLサーチなどの演習もさりながら、社会では今まで以上に適切な情報収集・評価・活用が重要である、と考えてもらうための授業にしました。


この授業も、おそらく上記会議のメンバーにとっては、「図書館が提供しているデータベースでないのであれば、教員が教えればいい」といった認識だったのでしょう。

ですが私は、この考えに反対します。

イメージ画像:牛窓の風景2



★政策文書から


図書館員は、既存資料だけを提供するのが任務ではありません。

中央教育審議会の「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて」に書かれているように、これからの大学では「社会において求められる能力」を身に付けることが重要です。

社会が多様で膨大な情報に溢れている今、適切な情報を入手・評価・活用する能力は、まさに大学で身に付けるべきでしょう。
その観点からすれば、図書館で提供する資料と、誰でも使えるネット上のリソースとに、違いがあるはずもありません。

また、科学技術・学術審議会の「大学図書館の整備について」には、「情報を探索し、分析・評価し、発信するスキルを一層高める情報リテラシー教育は、大学図書館が主体となって取り組む」と明示されています。

こうした文書からも読み取れるように、自身が提供していないリソースを含め、大学図書館が学生にその活用方法を学んでもらうことは、必須だと考えます。



★図書館の役割


大学図書館の役割は、日々変わっています。
単なる資料提供を超え、授業に関して教員に積極的に提案できる、言わば「教育活動への直接の関与」ができる図書館が求められるのでしょう。

これは、他の館種に置き換えても、同様のことが言えるでしょう。
私たちは情報のプロとして、その時代に応じた役割を担うべく、常に新しい価値観を模索していくべきだと考えます。



●れいこと

最後にまた、れいこ&きょーこの話を。

10月20日は、れいこのバースデー。
主役のいないバースデーも、これではや6回目になります。
それでも私たちは、毎年うそれいこを囲んで、バースデーパーティーをします。


だって、れいこは家族ですから。
今も、私たちといつも一緒にいるのですから。

れいこ、これからもずっとずっと、一緒やけんな〜!

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