2009-04-21

日本での知的財産戦略について

春に3日の晴れなし、ではありませんが、今日は広い範囲で雨模様。
せっかくブログを立ち上げましたのに、なかなか更新もせず
申し訳ありません。

私は29日(祝)が出勤ですので、その振替として今日は休みを頂きました。
さすがに、ブログを書くためだけに休むことはありません。(笑)
今日は下の子の参観日があり、振替休日です。
<家事はせずとも、育児には一生懸命。

他にも大事な用事が2件あり、参観日・懇談会の後、大阪に出かけます。
一つは、日本出版学会の関西部会です。

  日本出版学会: 関西部会 「書物の解剖学-本を解体する-」
  http://www.shuppan.jp/event/event2008.html#090421

それらについては、またここでご報告することになろうかと。


さて、今日は、日本での知的財産戦略について、書いてみようかと思います。
私は前職で、いわゆる知的財産本部で産官学連携といったことを
担当していましたので、多少知識がないでもありません・・・だと思っています。

これを読んでくださっている皆さんは、図書館はじめ、本の世界の方が
多いと思います。
おそらく、広い意味での知的財産にも関心がおありでしょうから、
日本における知的財産戦略について、おおまかなところだけ、
書いてみたいと思います。

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皆さん、「知的財産立国」という言葉を、お聞きになったことはあるでしょうか?

知的財産分野における日本の国策を語る際に、最初の契機となったのは、
2002年の小泉首相(当時)の施政方針演説です。
その演説において、小泉首相は、「研究活動や創造活動の成果を、
知的財産として、戦略的に保護・活用し、我が国産業の国際競争力を
強化することを国家の目標」とすることを明言しました。
また、その実現のために、知的財産戦略会議を立ち上げ、必要な政策を
強力に推進することにも言及しました。

 首相官邸webサイト:
  第154回国会における小泉内閣総理大臣施政方針演説
  http://www.kantei.go.jp/jp/koizumispeech/2002/02/04sisei.html


この演説後、知的財産戦略会議が設立され、同会議は「知的財産戦略大綱」を
策定しました。

  同サイト: 知的財産戦略大綱
  http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki/kettei/020703taikou.html

これが、現在までの日本の知的財産戦略を定める大元だとお考えください。
現状の報告に始まり、基本的方向と具体的行動計画が定められました。
大学などにおける知的財産創造の促進などはもちろん、図書館員の
大好きな著作権(笑)についても、権利者と利用者の双方にとってバランスの
とれた保護を実現することが定められています。

上述の「知的財産立国」についても、以下のとおり定められています。

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 「知的財産立国」とは、発明・創作を尊重するという国の方向を明らかにし、
 ものづくりに加えて、技術、デザイン、ブランドや音楽・映画等のコンテンツと
 いった価値ある「情報づくり」、すなわち無形資産の創造を産業の基盤に
 据えることにより、我が国経済・社会の再活性化を図るというビジョンに
 裏打ちされた 国家戦略

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この大綱を受け、定められたのが、知的財産基本法です。

  同サイト: 知的財産基本法
  http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki/hourei/021204kihon.html

同法第二条において、「知的財産とは、発明、考案、植物の新品種、
意匠、著作物その他の人間の創造的活動により生み出されるもの」と
定義されています。
<特許のような発明だけでなく、「著作物」も含まれています。


こうした一連の制定は、2002年2月の施政方針演説後、わずか1年
足らず(!)でなされています。
極めて異例の短期間でなされたことからも、「知的財産立国」という
姿勢がいかに重要なものとされているか、お判りになると思います。

日本は今後、無形資産の創造でやっていくんだ、というスタンスが
読み取れますね。
図書や学術論文などだけでなく、映画や音楽など幅広いコンテンツ
(=著作物)を、国際的なレベルで創造・保護・活用していこう、と
いった約束ごとになっています。

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もっといろいろと書こうと思っていましたが、予想以上のボリュームに
なってしまいましたので、続きは次回に譲ります。
それ以降の動き、特に今月も議論されている第3期知的財産戦略の
基本方針などについて、記したいと思います。


知的財産分野の一般的なネタで、図書館の方にとっては、面白みが
ないのではないかと、思いっきり(!)危惧しています。
図書館の方々は、「知的財産」というキーワードに、存外に食い付きが
悪いですので。(笑)

ご意見・ご要望などがありましたら、ぜひお聞かせください!

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