泊まり込み出張などがあり、間が空いてしまいました。申し訳ありません。
その間に、このブログの累積アクセス数が600,000回を突破していました。
5年近く前にこのブログを立ち上げたときには、1日30アクセスが目標でした。今は平均で、1日700〜800アクセスくらいでしょうか。定期的にご覧くださる方がいらして、本当にありがたいことです。
○MLA連携の、小さな小さな一歩?
さて、先日ご案内をしました「井上さんを囲む会&図書館員と学芸員の交流会@和歌山」を開催頂きましたので、今日はその感想を。
一番は、何はともあれ楽しかったということです。(笑)
博物館・美術館の学芸員さんたちと図書館員が集まり、図書館員の集まりだけではできない、いろいろな気づきがありました。その中で、最も印象が強かった2点をご紹介しましょう。
★スペシャリストとしての学芸員
一つ目は、学芸員さんたちがそれぞれ明確に専門分野を持っている、ということです。それはライブラリアンよりもはるかに顕著で、大学教員にも近い研究者の世界でした。例えば、この人は鰻の○○が専門、この人は仏像の○○の専門家、こちらは考古学の○○、こちらは芸能の○○・・・といった具合です。
一部の例外を除けば、ライブラリアンの多くはどこに配置されているかで専門が決まり、それも数年サイクルで入れ替わります。かたや学芸員さんたちは、学生時代からずっとそれを専攻していて、おそらくずっとその道の研究者であり続けるのでしょう。
プロ野球に例えて言うなら、ライブラリアンは投手陣といった感じでしょうか。チーム事情などにより、先発したり中継ぎや抑えに回ったりしますが、基本的にはみんな同じ道の人です。
それに対し学芸員さんたちは、お互いに違う世界の住人です。同じ野球に関わる人であっても、ホームランを期待される人もいれば代走のスペシャリストもいる、ときにはブルペンキャッチャーだったりスコアラーだったりさえします。それぞれが独立した特定分野のプロで、個が集まって全体をつくっている印象です。
学芸員さんたちが自身のバックボーンとなる専門領域を持っていることは、一人ひとりが欠かせないプレイヤーとして位置づけられていて、とても素晴らしいことだと思いました。ライブラリアンもそれぞれの専門領域を持ちそれを深めることができれば、学芸員さんのような独立したプロフェッショナルになることも可能でしょう。
★資料に文脈を持たせること
二つ目は、この日聞かされた「資料にどんな文脈を持たせるか」ということです。
参加されていた美術館の方に、私は少し意地悪な質問をしてみました。
(ライブラリアンがよく「貸本屋」と揶揄されるのを引き合いに、)「美術館の方は絵を並べているだけ、と言われたりしませんか?」と聞いてみたのです。
すると、「絵画を見せるということだけに限っても、どんな文脈でそれを見せるのか、真剣に考えている。どんなテーマ、案内文、並べる順番、スポットの当て方にするか、それらによって見え方は全く異なる。」という答えを頂きました。
併せて彼女は、「図書館も一緒でしょう?集めた資料をどう分類し、どんな文脈で見せるのか、一生懸命考えているんじゃないですか?」と逆に私に問いかけました。
この問いに、自信を持って答えられるライブラリアンは、どれほどいることでしょう?恥ずかしながら私は、答えに躊躇してしまいました。分類をどう振るかということはさておき、どういった文脈で資料を見せるのか、突き詰めて考えたことがないことに気付かされたからです。
ライブラリアンにとって、資料を分類して番号順に並べるのはごく当然のことであり、改めてその意味をとことん考え抜いたことのある人は、ほとんどいないのではないでしょうか。
ともに、先人の遺した知や世界を取り囲む様々な情報を扱う、学芸員とライブラリアン。
ほんのひととき、こうして同じ時間を過ごす中にも、多くの気づきがありました(おそらく、私たちが学芸員さんたちにも何かヒントを差し上げられたことでしょう)。
昨今「MLA連携(あるいはMALUI連携)」とよく口にされますが、正直なところ、自分がそれに努めてこなかったことにも気づかされました。扱う媒体などの違いはあれど、私たちは本質的に同じものに向き合っています。
私たちはもっとお互いに学び合うべきなのだ、と強く感じた一日でした。
このような貴重な場に集まってくださった学芸員の皆さん、ライブラリアンの皆さん、ありがとうございました!
そして、この場を設けてくださった和歌山医科大学のSさん、学芸員さんたちに広く呼びかけをしてくださったKさんには本当に感謝です。ありがとうございました!
●れいこと
最後にまた、れいこ&きょーこの話を。
きょーこが生まれてから、2月2日(日)でちょうど半年が経ちました。
ここまで元気で、すくすく育ってくれたことを本当に嬉しく思います。
生まれるまではずいぶんと大変でしたが、この半年は私たちを不安にさせることもなく、元気に育ってくれました。もしかしたら、れいこがお空から見守ってくれているのかもしれません。
ありがとう、れいこ!
わしら、きょーこを元気に育てるけんな〜。これからも、きょーこを見守ってやってな〜!
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