はや1週間を終えた、大学図書館職員長期研修@つくば。
今回からは、第2週のレポートを簡単に。先週の受講レポートは、こちらからご覧ください(予告/初日/2〜3日目/4日目/5日目/週末編)。
★大学評価と大学図書館(大学評価・学位授与機構教授 土屋俊氏)
ご存じ土屋先生が、いつものごとく、魅力たっぷりの弾丸トークを炸裂させてくださいました。この日は図書館の話は一部で、大学評価や質保証の話が中心でした。
4年生大学の半数近くがAO入試等学力テスト無しで入学してしまうこと。学問の自由の観点から大学が象牙の塔であるべきだという理論と、それに対する外部からの視点による評価論との相克。認証評価開始から10年経ち、未だに広がらない社会的認知・・・そうしたお話が続きました。
最後に、評価事業の中での大学図書館について言及がありました。
大学図書館はこの文脈において、「相手にされていない」そうです。収入で評価されない、成果測定できない大学図書館を、学修支援においてどう位置づけることができるのか・・・そうした問題提起がなされました。
「単位の実質化」「学習成果」「学習支援」といった点について、大学図書館は「理論構築が必要」とのこと、非常に切実なご指摘だったと思います。
「相手にされていない」大学図書館が、これから息を吹き返すかどうか・・・それは、私たちにかかっているのでしょう。
★図書館と法(筑波大学准教授 石井夏生利氏)
個人情報保護法、情報公開法、公文書管理法、著作権法について、図書館と関連づけながらお話を頂きました。最近の図書館の不祥事、Q&Aなども含め、丁寧な解説をしてくださいました。
途中、「個人のケータイなどで撮影することは、私的使用の範囲内であれば止められない。図書館施設の管理権に基づく制限を設けることが考えられる」というお話がありましたので、質疑応答のときに管理権について伺いました。
先生からは、「管理権については運用が難しいところだが、判決などでも認められている。他の利用者などが写り込むことを防止するため等、きちんと説明できるようにして運用すべき」との回答を頂きました。
施設管理権なんて、私たちは日頃あまり意識しない言葉ですが、ググってみると、一般的なもののようですね。図書館に限らず、施設の運用管理のために、利用者に一定の制限を課すことは認められているようです。勉強になりました。
★ディスカバリーサービスのデザイン(筑波大学准教授 宇陀則彦氏)
「電子図書館システムの目的は、学習・研究の効率と質が上がること」とおっしゃる宇陀先生の講義でした。
筑波大学のシステムを例に、ディスカバリーサービスの機能や期待を述べられました。サーチエンジンと対比して、Googleなどはよくも悪くも一つの宇宙(Webの世界)しか検索できないのに対し、ディスカバリーはいろいろなパラレルワールドを検索することができる、と力説されました。
「CiNiiになければ仕方ない」といったように、曲がりなりにもこれを調べて出なかったのだから仕方ない、と言わせるようなシステム+インターフェースがディスカバリーには必要である、とのご指摘がありました。
★研究者のアクセス手法2(筑波大学附属図書館長 中山伸一氏)
先日のパート1に続き、研究者から見た情報へのアクセスや、図書館員に対する要望などについて、お話がありました。今回は前回と異なり、自然科学分野研究者の視点からのお話でした。
研究者はこんなことを考えている、というお話は参考になりました。最も印象的だったのは、「図書館員には、新しいチャレンジをして欲しい。例えば、論文執筆時のレファレンスチェックなど」というお話でした。
確かに、参考文献チェックなど、形式的なチェックは図書館員が十分にやれることです。
私も知財部時代、ずっと先生方の研究計画書などを一緒にチェックしていました。研究内容そのものについては門外漢ですが、必須項目や形式チェックなどでは、ずいぶんと先生方のお役に立てたと思います。
あまり考えたことがありませんでしたが、こうしたサービスは真剣に議論してもいいように思いました。
このシリーズ凄い!
返信削除自分の受講レポートにコピペしたくなります。
いやコピペは駄目ですが、振り返りの際に他受講生の視点て、確認とか新たな気付きとか、ものすごく役に立ちます。
はっ、これがアクティブラーニング! 講義後の感想戦もALだったのか!
>こしはらさん、
返信削除2週間の長期研修、お疲れさまでした。
受講レポートへのコピペは僕がするので、やっちゃダメですよ。(笑)
でも、他の人の意見を聞くことは、大事ですよね。研修中の懇親会でも、講義の話などが出て楽しかったです。
頑張って、続きも書きますね!