ようやく、朝晩が涼しくなってきましたね。
まだまだ日中は暑い日が続きますので、暑気払いは必要ですけれどね!
暑さとは全く関係ありませんが。
私の勤務する図書館に、ようやく入館ゲートが付きました!同じ法人内の大学図書館と、機械もソフトも全く同じものです。
不審者騒ぎなど、直接的な要因があった訳ではありません。
それでも、やはり不安要素はありました。
- そもそも短大は全員女子学生で、同じキャンパスにある教育学部も女子学生が多い
- 1、2階はかなり利用が少ない書庫で、3階のメインカウンターからは、あまり目が届かない
- 私以外のスタッフは、全員女性
・・・といったことがありましたので、入館ゲートはぜひ設置したかったところです。これで、ちょっと一安心です。
・・・と嬉しそうに話をしましたが、最初はいきなりトラブルでした。
夏の休館期間中に設置工事を行い、開館と同時に稼動させるはずだったのですが。初日の朝、いきなりゲートが開きませんでした・・・。
こんなこともあろうかと?入館ゲートの会社の営業さんを呼んでおいたのですが、終日全然直らず。結局基盤などを持ち帰ってもらい、翌日昼になってようやく稼動した次第。
<設置したら、きちんとテストくらいしといてや~。
ま、予定は少し狂いましたが、現在は無事安定稼働しています。
ちなみに、7~8年くらい前でしょうか。前に所属していた大学図書館で、入館ゲートを設置したときに、一般市民の方からお叱りの電話を頂きました。
「入口にゲートを作ったせいで、わしが勝手に入れんなったやろが!」
・・・いや、勝手に入っちゃダメっしょ?
さて、今日の本題です。
今回は、取次大手の大阪屋さんを見学させて頂きましたので、レポートしておこうと思います。
これは、私立短期大学図書館協議会(以下、「短大図協」=たんだいときょう) 近畿地区総会の研修会として、8月28日に開催されました。今回見せて頂いたのは、大阪屋さんの流通倉庫である「関西ブックシティ(以下、「KBC」)」です。
図書館関係者でしたらご存じかと思いますが、大阪屋さんは、国内でも有数の本の取次会社です。KBCは1995年に設置された、日本最大級の図書の物流拠点です。
大阪屋さんHP「本の問屋さん」
http://www.osakaya.co.jp/
KBC
http://www.osakaya.co.jp/kaisya/src/kbc.html
KBCの特長は、その在庫量で、約20万タイトル200万冊が常時ストックされているとのことでした。日本の流通拠点でも、指折りの規模ですね。
さて、実際にKBCに入って、ドアを開けるといきなり驚かされました。
目の前に人気コミックが、何百冊(あるいは、もっと?)も、山のように積まれていました。
巨大なホールが、ただただ本の山で埋められていて、これが全国の書店からのオーダーを受けられるバックボーンであることがよく判りました。
最近数億円をかけて独自に開発したという発注管理システムでは、注文に応じ、ベルトコンベアで本が流され、各書店へのダンボールへと自動で仕分けられていました。
見学のとき、この独自の発注管理システムの特長は何かお尋ねしたところ、迅速な処理はもちろんだが一番は高い品質管理に尽きる、というご回答でした。このベルトコンベアの自動配送でも、本を傷めないよう随所に工夫が見られました。
(KBC内も写真撮影を許可して頂きましたが、さすがにコアな辺りは、ここにアップするのを控えておきます)
このブログを読んでいる方に、ネタとして喜ばれそうな写真も撮って来ましたよ!
他に目を引いたのは、学校の先生方を主な対象とした、学習書の見計らいコーナーです。
何しろ、大きい!
学校の先生方(図書館員は来ないのか?)が、教材を買い求め、遠方からも足を運んで来るとのことでした。
「倉庫内にこんなに大きな見計らいコーナーを設けても、採算が取れないのでは?」と小声で聞いてみると、「それはそうだが、こうしたコーナーが必要とされている。業界最大手との差別化のためにも必要」といったご回答。
「意地とプライドにかけても、ここは譲れない!」といった思いが感じられました。
見学の後は、ご講演を頂きました。
まず、営業部図書館課の課長さんから、「大阪屋図書館課の役割と公共図書館等の現状」と題して、お話を頂きました。
大阪屋さんは、大学図書館との直接の取引がなく、主に公共図書館をターゲットに営業を行っているとのことで、公共図書館とどのように取引をしているのか、市場においてどのような役割を担っているのか、説明がありました。
本来再販契約により、取次会社は公共図書館に直接納品等はできないのですが、書店との関係を含め、実態についてお聞かせ頂くことができました。
(ちょっとネット上には、書きにくい話でもあります)
続いて、KBC所長さんより、「出版業界の現状と取次の役割」、「大阪屋の現状及び物流等」、「関西ブックシティの役割と考え方」について、お話を頂きました。
「出版業界の現状と取次の役割」では、現在の出版・流通をめぐる状況、とりわけ出版不況と返品率40%にも及ぶ出版構造の歪みについて、具体的な説明がありました。
このお話はいわば出版・流通概論で、非常にうまくまとめて、判りやすく説明しておいででした。
・・・が!
出版業界の動向について多少でもアンテナを立てている図書館員であれば、本来、目新しい話ではなかったはずでもあります。
もちろん自分自身を含めてですが、図書館以外の本の世界について、図書館員が基礎的な数字を把握できていないようにも思いました。
<自分自身が、もっと勉強しておく必要性を強く!感じました。
続いて、「大阪屋の現状及び物流等」、「関西ブックシティの役割と考え方」というお話を頂きましたが、これは他ではお聞きできない、非常に興味深いものでした。
大阪屋さんがいかに、業界最大手のニッパン・トーハンと勝負していくか、という観点から、電子商取引化への取り組みや、品質管理の改善、他取次との連携など、様々なお話がありました。
2000年にネット書店最大手の某A社と提携されたくだりなど、多くの事例を交えてお話頂きました。講師のT所長は、阪神地区で長く小売店への営業をなさっており、豊富な経験に基づいたお話は、非常に勉強になりました。
質疑応答の時に、かねてからの疑問「返品率40%を、どうにかしないといけないのでは?」という質問をしてみました。
返品が多い問題については、大阪屋さんでもいわば死活問題として捉えておいでのご様子でした。直接的なコストの問題、また、出版・流通全体に関わる構造の問題として、いろいろなお考えをお持ちでした。
(もっともっと深くお聞きしたかったのですが、時間の都合で・・・)
今回の研修を終えて。
図書館が日ごろ接点を持たない本の世界について、このような勉強の場を持てたことは、非常に有意義なことだと思います。
本の流通については、図書館員は一般に驚くほど無知であり(私だけ?)、こうしたお話をナマでお聞きできる機会は、本当に貴重なことです。
取次さんも、本への思いをしっかりと持っていてくださっていて、現在の出版をめぐる状況をよしとしているわけではありません。
採算ベースだけではなく、上記の見計らいコーナーなど、少しでも本のすそ野を広げようという思いを感じることができました。
取次さんと言えば、よく書店と出版社の間で悪者にされているイメージが強いですが(これも、私だけ?)、お話を伺うと全く違うイメージを持つようになりました。
そういった意味でも、この日の見学は意味のあるものになりました。
それとは別に、短大図協に関する雑感を。
私が短大図協に参加したのは、5月の総会に続いて2回目でした。この2回で一番思いますのは、・・・
もったいない!
・・・ということです。
滅多に見られない取次内部へ入れる機会であったのにも関わらず、参加者はわずか17名でした。総会はもう少し多く参加されていましたが、そのときも講師を招いての研修会がある割に、参加者が少なく思いました。
今回は、非常に面白い企画であっただけに、余計もったいないです。
<A学院の皆さま、とりわけM田さん、素晴らしい企画をありがとうございました!
短大図書館は人数が少なく、外部の研修会に参加しにくい状況であるのは、よく判ります。
ですがお互いに、何とか都合を付けてでも、勉強の機会を持ちたいものです。そして、他の大学や短大の図書館員とも、お付き合いしましょうよ~!
ちなみにこの日の懇親会も、非常に盛り上がりました!研修会は欠席で、懇親会にだけ来られた豪の者も。
一度こういった場でご一緒すれば、次から何をするにも、スムーズですよね!
以上、雑感を交えた見学レポートでした!
<どうでもいい独り言>
先週末、名古屋の某図書館F田さんが、大阪に来られました。
日帰り研修とのことでしたが、夕方時間を割いて頂いて、呑み大臣のO短大H岡と一緒に、楽しいひとときを過ごしました。
F田さん、関西へお越しの際は、ぜひまたお立ち寄りください。
<H岡さん、段取りありがとうございました!
ちなみに。F田さんとは、7月の私立短大協会 図書館情報担当者研修会で知り合い、研修会後に一緒に銀閣寺ツアーを開催した仲です。(笑)
こうした研修の機会に親しくなり、お付き合い頂けるのは、本当に嬉しいことですね!
こういう仕事を超えたお付き合いも、多くの方としたいですね~。酒の席もよし、勉強会もよし、メールでの情報交換でもよし!
皆さん、ぜひ継続したお付き合いをよろしくお願いします!
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