毎回毎回、「今日も雑談から」などといった出だしですよね。
今日ももちろん雑談からなのですが、毎回これを入力するのもどうかと。単語登録するか、いっそブログのデフォルトにしてしまうか。考えどころでしょうか?
ところで、もういよいよ上半期も終わりですね。今年度も、はや半分過ぎました。
・・・・が。
私の担当している学部の図書費執行率が、すご~く低い!!
<職場を伏せていますから、書けますが。
まあだいたい想像は付いていたのですが、やはり先生方に余裕がないようですね。特に今年は、ここに書きにくい事情もあり、やむを得ないかと。
先生方に声をかけると、「欲しい本はあるが、リストにする間もない」だとか、「カタログは積んであるけど、チェックする時間がない」などという反応が返ってきます。
私の担当する学部は、それぞれの先生ごとに、ご自分用の専門書をウン万円買ってもらえるよう、予算化してあります。
かつ、それとは別に、学生用図書や、高額資料・継続図書・資料を買う予算も確保してあり、ウン万円とは別に推薦できます。
自腹を痛めず、学生用図書なども推薦できますので、それなりに選びやすい予算立てのはず(つもり)。
・・・それなのに、推薦が少ないんですよね~。お忙しいのは、百も承知していますが。
このまま、小さい小さい予算執行率で来年度予算をゴッソリ減らされるのか、それとも年度末になって膨大な購入希望が来て過労死するのか、今から恐れています。
ところで。今日の本題です。
今日は、読んだ本の紹介をしたいと思います。本を読んだら、この場でレポートしたいと思いつつ、なかなか書けない私。今日は一念発起して、3冊ほど紹介します。
「電子出版学入門 -出版メディアのデジタル化と紙の本のゆくえ-」
湯浅 俊彦 著 出版メディアパル 2009年 1,260円
ISBN 978-4-902251-17-3
この本は、ケータイなど様々な電子メディアで本を読むことができるようになり、「出版=紙」とも限らなくなった状況下において、出版の世界に起こった変化=電子出版について考えることを目的としています。
氏は本書冒頭で、以下のとおり定義をします。
- 電子出版学=電子出版を研究対象とする学問
- 電子出版=デジタル化された出版コンテンツをパッケージ系電子メディアやネットワーク系電子メディアを用いて読者に著作物として頒布する行為
いずれメディア間の融合が進み、電子出版学はデジタル・コンテンツ学に吸収されてしまうだろう、というのがその理由です。
その是非はさておき、本書は以下の構成です。
- 第1章「電子出版学とは何か」
- 第2章「電子出版の歴史」
- 第3章「電子出版とさまざまなネット情報源」
- 第4章「ケータイ読書の進展」
- 第5章「電子出版物の生産・流通・利用」
- 第6章「電子出版の諸問題」
最近では、Amazonの戦略、Googleのブック検索を巡る問題などについても、言及しています。
本書の特長の一つとして、電子メディアの刊行状況を取りまとめたのみならず、生産・流通・利用まで、トータルに捉えている点が挙げられます。
例えば、著作権とフェアユース、書誌データの整備、長期保存など、諸問題について解説をしています。
本書は単に、出版状況の変化を指摘するだけでなく、「人類の知識の伝承や保存はどうなってしまうのか」といった大所高所的な視点からも、現状を見据えた一冊です。
あとがきにある、「出版という比較的狭い領域ではなく、インターネット上のさまざまな情報源や、電子図書館などの動向と常に比較検討しながら、学際的に探究する視点が必要」という記述からも、氏のそうした見方を見て取ることができます。
私には、本書について自分の意見を展開する力はありませんので、単なる紹介に留まりましたが、ご容赦ください。
ただ、この分野に関心のある方にとっては、非常によくまとまった1冊であることだけは、記しておきたいと思います。
「ネット未来地図: ポスト・グーグル時代 20の論点」
佐々木 俊尚 著 文藝春秋 2007年 767円
ISBN 978-4-16-660595-8
精力的な活動で知られる佐々木俊尚氏の著作で、「amazon」、「Google」、「雑誌」、「Twitter」などの20テーマについて、いかにしてビジネスとして成立し得るか、という視点でまとめたものです。
「ウェブ2.0の今後の方向性と将来性を、徹底的に洗い直した」というだけあって、相変わらずの仕事ぶりです。
最新の状況把握(書いたのは2007年ですので当時の情報ですが)はもとより、将来への見通しには感心させられます。
中でも「Google」の章は、コンパクトに要点を押さえています。ほとんどそのまま、現在の原稿にしてもいいくらい。(笑)
<逆に言えば、Googleを巡る情勢が、この2年間は本質的な変化をしなかったのかもしれません。
今となっては、クラウド・コンピューティングといった考え方がメジャーになりましたが、本書でもそうした指摘がなされています。
従来はウィンドウズがプラットフォームでしたが、グーグルの世界(これからの世界?)はウェブブラウザがプラットフォームになり、様々なアプリがその上で動作することになる、という予測です。
Googleは、20章のうち1章だけではありますが、他章と独立して読むことができます。Googleについてこれから知りたい方は、一読する価値があると思います。
「プラネット・グーグル」
ランダル・ストロス 著 NHK出版 2008年 2,100円
ISBN 978-4-14-081322-5
私の知る限り、Googleについて最も詳細なアプローチをしている本です。
設立前後から現在に至るまで、非常に詳しくプロセスを描き、広く関係者のコメントを載せています。
盲目的にGoogleを称えるのではなく、Googleが犯してきた小さな失敗も網羅的に広い、サクセス・ストーリーとされるそのヒストリーも、困難な道のりであったことを示しています。
Googleの考え方のぶれない部分、ぶれてしまった部分などが、よく書き分けられています。
ただ、いかんせん話が細かいですので、ライブラリアンが教養的に読んでおくべき1冊であるとは言えません。もし皆さんがGoogle研究家であれば、ぜひ目を通しておいてくださいね。
<・・・って、このブログの読者に、そんな人がいるのか?
ところで。
この本のカバーと、本体のデザインの組み合わせが大好きです。
カバーは毒々しい・・・と言うか、二流アニメのようなデザインですが、本体は深いブルー一色で、一切のイラストなし。
このギャップ・・・いやコントラストは、今まで買った本の中で、間違いなく一番印象に残るものでした。
ちなみに、装丁は水戸部 功氏、装画は横山裕一氏によるものです。
<どうでもいい独り言>
20日のエントリーでも書きましたが、シルバーウィーク5連休中、3日出勤しなければいけませんでした。
飛び飛び出勤のため、予定が全く入れられなかったのですが、結局そのまま、何も予定が入らず終わりました・・・。
世間は5連休ですのに、しかも俄か独身貴族ですのに、予定なし!?
誰かと飲みに行くでもなし、一人で何かにチャレンジするでもなし。
結局できたのは、2つだけ。
一つは、連日の空手の稽古です。道場も開いていませんので、夜の公園で一人で稽古です。
誰もいない公園で、ミットにワンツーを打ち込んだり、シャドーに励んでいるおっちゃんの姿は、かなり不信・・・もとい、不振・・・でもなく、不審。
この日も高校生くらいの一団が、横の道を通っていて、怪訝そうな目で私を見ていました。(涙)
空手の他できたのは、ブログをたくさん書くことだけでした。
ブログは、シルバーウィーク中に4件エントリーですから、私にしては驚異的ですね。
ずっと連休であれば、ブログも捗るかも。(笑)連休が終われば、必ずペースダウンしますので、アテにしないでくださいね~。
それでは、この辺で。
朝晩が冷えるようになりましたので、風邪などひかれませんように!
もう一つのみかんの国、紀州より、某図書館員が書き込みます。
返信削除先日はありがとうございました。
私の職場では、先生方が必ず推薦図書を出すようにしています。
図書館便りがあるから、なのですが。必ず選ばれた先生は、一人一冊、出していただいております。専門的な参考図書から軽読図書まで多岐にわたります。
また、SLBCの本の選定にも、積極的です。ある程度のカタログの中からチョイスする、という方が、しやすいのかもしれません。
うちは、予算が無くて泣く泣くあきらめる方が多いので、なんだか、羨ましいです・・・。
>紀州の某図書館員さん、
返信削除こんにちは!
早速のコメントを、ありがとうございました。こちらこそ、先日の講習会では、ありがとうございました。
先生に必ず、推薦図書を出してもらっているとのことですね。
ウチもそれくらいの感じで、推薦図書を出して欲しいものです。
教員用の研究図書は、別予算(例えば個人研究費や科研費)などでもまだいいですが、学生用の学習書や教養書を充実させてあげたいと思っています。
(現在の図書館の蔵書状況や、利用をふまえて)
>ある程度のカタログの中からチョイスする、という方が、しやすい
これは、確かにおっしゃる通りでしょう。
私は、それほど熱心にカタログ等をお送りできている訳でもありませんので、もう少しプッシュ型でいってみましょうか。
情報提供とご意見、ありがとうございました。
みかんつながりで、これからもぜひ、このブログをご覧くださいね!
長くお付き合い、よろしくお願いします!