2018-03-10

(参加レポート)シンポジウム「図書館員は専門性をいかに維持・確保するのか」

先日、日本図書館研究会研究大会に参加してきました。
「たった2分で読めるブログ」ですので(笑)、2日目のシンポジウムに絞ってレポートします。

イメージ写真:青空



★シンポジウム「図書館員は専門性をいかに維持・確保するのか-各館種の現状と課題-」


開催趣旨やパネリストは、こちら
前回記事で、「司書」について書いたところでしたので、私にとってはタイムリーでした。

このテーマを巡る議論は、専門性あるいはその担保とは何か、といった本筋に加え、労働条件・雇用問題という論点も切り離せません。同日の議論も、この2点に収斂されていたように思います。

以下、雑感です。ツイートのまとめも、ご覧ください。

  • テーマが、「専門性の向上」ではなく「専門性の維持・確保」とされたことに、主催者による挑発を感じました。
    図書館界の現状を端的に示しているのでしょうが、それでも「向上」を目指した議論をしていくべきだと考えます(主催者批判ではありません、念のため)。

  • 発表は非常に興味深く、パネリストの熱量を感じるようでした。報告の多くは、個人による努力から脱却し、組織的に専門性を「維持・確保」しようとしたもので、方向性は極めて正しいものでした。
    (シニカルに見れば、こうした取り組みも個人の熱量に依存していますが)

  • 組織的な取り組みは欠かせませんが、それだけでもいけません。年数回の職場研修で、専門職を名乗ることなどできません。
    組織での取り組みは、全員に最低限の技能を担保しようというものに過ぎません。中心となって活躍する人材には、プロ意識にもとづいた個人的な研鑽がやはり不可欠です。

  • 自らの専門性を世間に訴えているのは、図書館員だけではありません。例えば保育など様々な職種でこうした専門性と労働条件を巡る議論が行われていますが、ほとんど外部に届きません。
    他職種も議論の成果を出せない中で、図書館員の専門性を社会に認知してもらうには何が必要か、さらに検討が必要です。

  • 労働条件・雇用問題の切実さを、再認識しました。登壇者全員が女性であり、その情熱や技量に関わらず労働条件に恵まれていないことが、社会の縮図のようでした。
    ここで声を上げるべきは、専任職員です。利用者によりよいサービスを提供できるよう、専門性を持った職員をしかるべき処遇で雇用することを、継続的に働きかけていくべきです。

シンポジウム開始前スクリーン写真



★議論を終えて


こうした議論の積み重ねは、即効性のあるものではなく、言わば共通認識づくりなのでしょう。価値観を擦り合わせ、全体意識を高めることが重要です。

ゆえに忌避すべきは、議論を聞いただけで、何もせず終わってしまうことです。こうして出来上がった共通認識を、僅かでも何らかの行動に繋げていくことが大切です。
(私の場合、ブログを書いて大勢に考えてもらうことで、議論に加わりそれを活かしているつもりです)

このブログをご覧くださった皆さんが、図書館員の専門性について考え、それぞれの小さな一歩に繋げてくださることを願います。



●れいこと

最後にまた、れいこ&きょーこの話を。

また春が、近づいてきました。
れいことお別れした年、春はまだれいこも元気でした。

れいこ写真

春は、れいことの楽しい思い出のある最後のシーズンです。
私たちにとって切ない日々ですが、きょーこの存在が救いです。

きょーこがこのまま元気に成長し立派なお姉ちゃんになったら、いつかれいこの話をしてやりたいと思っています。

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