2010-02-11

兵庫県図書館協会研究集会 「図書館の危機管理」 西河内さん熱弁!

 
先日、熊本に出張に行った際に、評判のラーメン屋黒亭に寄ってみました。


14時過ぎに行ったのに、20人くらいが並んで待っていて、びっくりでした。
30分ほど待って食べたチャーシューメンは、さすがに美味しかったです。

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さて、今日の本題。
1月29日に、西宮市中央図書館で開催された、兵庫県図書館協会研究集会に参加してきました。

「図書館の危機管理」
(コーディネーター: 滋賀県愛荘町立愛知川図書館 西河内 靖泰氏)

この日の講師は、草津町立図書館・中沢孝之さんの予定だったのですが、急用でピンチヒッターとして、西河内さんが急遽登場したようです。
(どうやら少し前には交替が決まっていたようで、ご用意はされていました)

かねてから、あちこちでご活躍の西河内さん、初めてお話を聞く機会を頂きました。
西河内さんはお考えが明確で、ビジョンあるリーダーという印象を受けました。「うわ、そこまで言い切っちゃうの!?」という断言も多く、判りやすさが抜群でした。

あっという間のご講演と質疑応答(2時間あまり)、最も印象的だった部分のみとなりますが、以下に紹介します。

  • 守るべきものは何か?それをよく考えておくべきだ。何よりも利用者の命、そして忘れがちだが、自分たちの命だ。資料・設備などは、優先順位を付けておき、可能な範囲で対応する。

  • 危機に対する基本的なスタンスとして、1).発生しないようにする予防に努めること、2).発生したときに被害を最小限にすること、が挙げられる。

  • 救急救命訓練は、一人残さず全員が受講することに意味がある。いざというとき、誰が現場にいるのかは判らない。全員に受講させるのは、リーダーの責任だ。

  • ストーカー、痴漢、酔っ払い、盗難・・・図書館は、これらに対して、対応が極めて甘い!犯罪に対しては、迷わず警察に相談すべきだ。内部処理して、犯罪者を野放しにするような形にしてはいけない。
    酔っ払い・悪臭のする利用者に対しても、「臭いが他の方の迷惑になっているので、退出してください!」と、遠慮なく言うべきだ!

  • 危機管理マニュアルは、館内全員での議論をして作成することに意味がある。その過程で、問題・自館をめぐる環境を整理・共有することが大事。他館のマニュアルをそのまま備え付けるくらいなら、「持たない方がよろしい!」。

  • 危機に関する情報を、図書館自身が知ることが大事。例えばインフルエンザについて、図書館員がどれくらい知っているのか?リスクマネジメントは精神論ではなく、身体論的に。問題点をあぶり出し、備えることが必要だ。

  • マニュアルは、あくまで想定できる範囲内の基本にすぎない。必ず、想定もできないことが、起こるものだ。

  • (某県の迷惑事例報告集から)「本の裏表を揃えていただきたい」に対して、「こんなことを、言うもんじゃない!職員がひっくり返せばいいでしょ!」。

  • 借りた本をずっと返さないのは、刑法的には窃盗罪だ。返すと言っておいて返さなければ、詐欺罪だ。こうした利用者は、館長決裁で利用禁止にできるよう規程化しているはずだ。遠慮なく、そうすべきだ!

  • 危機管理マニュアルは、いざと言うときに読む時間は、全くない。詳しすぎるマニュアルに意味はない。全員が議論して、頭に入る範囲で。
    「上司に判断を仰ぐ」などというマニュアルは、「クソの役にも立たない!」、「そんなものは、ゴミ箱に捨ててしまえ!」。

  • 他館マニュアルを備え付けたり、「○○のときは、館長に判断を仰ぐ」などというマニュアルを作ってしまう職場環境そのものが危機。こうした環境が、トラブルを呼び込むのだ。

いや~、とにかく姿勢がハッキリされています。素晴らしい!

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そして、恒例の質疑応答の時間です。今回も臆面なく、手を挙げる私。

Q.自分の命も守れ、というお話には共感した。しかし、どこまで自分の安全を考えるべきなか。
例えば、ナイフで利用者に襲いかかる暴漢が現れた場合、図書館員が身を挺して利用者を守るべきか?

A.身を挺する、という考え方は不要。利用者を放って自分が逃げる訳にもいかないが、自己犠牲の精神は捨てるべき。利用者を逃がし、自分も逃げる。犯人捕獲は、警察など訓練された人間に委ねるべき。

そうですよね~。でも、それすら許されない状況になれば、どうすればいいのかなあ、と。
例えば、今まさに学生さんがナイフで刺されようとしていた場合、空手家図書館員としては、飛び蹴りを入れなければいけないかなあ、とも(悲壮な覚悟)。

でも、西河内さんによると、武道家などが暴漢に刺されて死亡するケースが多いとのことでした。極限状態でなければ、犯人を取り押さえようとしてはいけない、と念を押されました。
<自分が、駆け出し空手家だとは、質問のときに言えませんでした・・・。

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この日は、いろいろと勉強になりました。
特に西河内さんは、危機に対するリーダーの姿勢について、明確なビジョンをお持ちでした。マニュアル作成に関するノウハウ以上に、こうした姿勢に学ぶところが大きいと思いました。
<別に私は、リーダーでも何でもないんですけれどね。(笑)

ところで、一つ苦言を言えば。
西河内さんのような著名な方が、急遽駆け付けて、長い時間をかけていろいろとご教示くださいましたよね。

それなのに!
質疑応答で、私一人しか手を挙げないっていうのは、ダメでしょ~!

兵庫県下の多くの図書館から、50人くらいは集まっていましたよね。質問者一人じゃ、主催者にも、何よりも講師に失礼ですよね?
・・・というより、そもそも、聞きたいこと、いっぱいあるでしょ~?遠慮なく、講師に質問して、みんなで意見交換したらいいじゃないですか~。せっかく大勢が集まっているんですから、活きた場にしましょうよ~。

・・・すみません、また、脱線しました。この日、有意義な機会でした。西河内さん、スタッフの皆さん、本当にありがとうございました!

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<今日の小ネタ>


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<どうでもいい独り言>

今日は、子どもたちと一緒に、映画「かいじゅうたちのいるところ」を観に行ってきました。
いささか原作のイメージとは異なりますが、それなりに楽しめました。
子どもたちも、意外に楽しんでくれたようで、「面白かった~!」と大喜びでした。

私も子どもたちも、元になっている同名の絵本が大好きです。
子どもたちが小さい頃、宝塚市立図書館で借りた本を、ずいぶん読み聞かせたものです。親子で、ほとんど丸暗記。(笑)


下の娘は、映画に行くことになって、この本がまた欲しくなったようで。ねだられて、買ってあげることになりました。

でもこの前、いつの間にか、また宝塚市立図書館の「かいじゅうたちのいるところ」が、わが家に。買うと決まっているのに、待ち切れなかったらしいです。(笑)
その心もち、ちょっと判ります。いい子やな~。(笑)
 

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