私の妻は、保育園の先生。
食育の一環として、一膳分の米粒を、数えてみるとのこと。しかも、保育園の子どもたちが判るように、黒い画用紙に米を一粒ずつ貼り付ける作業。
・・・で、わが家で急遽招集された、米粒数調査+貼付実行委員会。
妻の写真も、本邦初公開!右側で白い箸を持っているのが、妻です。(笑)
久しぶりに、息子のアホアホ写真が途切れたな・・・と思っていた矢先、突然ヘンな顔。
今日も続く、息子のスゴイ顔。
・・・で、米粒はいくつあったと思います?答えは、次回。
<●大阪市立大学大学院集中講義「図書館情報システム論」>
さて、今日の本題。
今月、私が通っている大阪市立大学大学院創造都市研究科で、集中講義「図書館情報システム論」を受講しました。
講師は、いろいろな場でお世話になっている、村上泰子先生(本務校:関西大学)です。
<それにしても、知った顔が受講生というのも、やりにくそう。(笑)
この授業の主題と目標は、以下のとおり設定されています。
近年、各所においてLinuxをはじめとしたオープンソース・ソフトウェアの導入が加速している。ハウスキーピングの機械化にはじまって大手ベンダーによる商用システムを導入してきた図書館にも、様々なかたちでオープンソース・ソフトウェアの導入が始まっている。授業は、このシラバスどおりに進められました。
本授業では、図書館とオープンソースに関わる諸問題について、図書館におけるオープンソースソフトウェアの導入を中心に、さらに知識のオープン化への取り組みにも目を配りながら、多面的に考察することを目的とする。(シラバスより、抜粋)
正直私は、オープンソース・ソフトウェア(以下、「OSS」と表記)について、特別な予備知識は持っていなかったのですが、何とか無事授業を終えることができました。
自分の整理も兼ねて、「えっ?OSSって何よ?」という方のために、ごくかいつまんで、授業の概要紹介をします。OSSについて、多少なりとも予備知識がある方は、読む必要はありません~。
<ホントに、私が説明できるのは、ごくごく初歩的な部分のみですので!
本職の方からすると、穴だらけの説明かと思いますが、そこはご容赦を!
正確な情報を求める方は、Google先生に頼るか、大阪市立大学に入学してご自分で受講してください。(笑)
5日間に渡る講義を、一気に集約することは難しいので、今日は「前編」ということでご紹介します。4日目の講義でNDL関西館を訪問したのですが、それは「後編」で!
<○OSS概説>
- そもそも、OSSとは何か?
→ソースコードを公開しているプログラムのこと。「オープン」とは、誰しもが自由に使えることでもあるが、一定のスキルを持つ人が、自由に改変・改良できるということでもある。
ソースコードがあれば、バグ対応・別環境への移植・新機能の追加・拡張などが可能。 - ソースコードは何故オープンでなかったのか?
→「ソフト=ビジネス」という図式の中で、ソフトウェアが知的財産として確立されてきた。著作権法では、プログラムの表現は保護されるが、アイディアそのものは保護されない。
日本では、1985年からソフトウェアにも、著作権が認められている。 - ソフトウェアと特許
→ソフトウェアは、特許権でも保護される。日本の特許法では、物の発明にプログラムが含まれると明記されている。
登録または出願から20年間保護されるが、著作権の保護期間50年間と違いがある。また、著作権と違い、アイディアそのものを保護している。 - インターネットとUnix~フリーソフトウェアの登場
→インターネットの普及後、Unixが無償配布されたことで、フリーソフトウェアが広がるきっかけが生まれた。
Richard Stallmanらにより、「公開の自由」、「配布の自由」、「改変の自由」、コピーレフト(←→コピーライト)らの概念も普及。フリーソフトウェア財団、オープンソースイニシアティブなどの登場。 - オープンソースの条件
→自由な再配布、ソースコードの開示、個人やグループに対する差別の禁止、特定製品に特化したライセンスの禁止、技術中立なライセンス、など。 - ソフトウェアの構築方法
→大勢がバラバラに開発するのではなく、優秀なトップによる「貴族政治」のもとに、ピラミッド型のソフト開発が必要。やみくもに人を投入しても、上手くいかない。
従来の開発方法はいわば「伽藍」であり、OSSは「バザール」。 - OSSのメリット
→機能の追加、自由な配布、コスト削減(必ずしも削減できるとは限らない)、開発時間の短縮、安定した動作(迅速なバグ修正などが多い)、等。 - OSSのデメリット
→マニュアル類が少ない、不親切、他者とのファイル共有時などの不具合、そして何よりも自己責任であること。 - OSSの評価の視点
→存続期間、品質、開発チーム、技術サポート、ドキュメント、トレーニング等。自館にとって、何が大事でどう優先順位を付けるかが大事。
<○図書館システムの歴史>
- 図書館とコンピュータの出会い
→V.Bushの"As We May Think"などが嚆矢か。パンチカード検索を経て、コンピュータを使用。1950年代のインバーテッドファイル使用に始まり、1970年代頃実用化へ。日本では、1976年にJICSTがJOIS-I開始が先駆的。 - パッケージシステム
→図書館におけるコンピュータ導入が増え、既製の市販ソフトウェアが、定型業務をパッケージ化。目録、貸出などの部分では、かなりニーズに応えることができた。一方で、発注・受入などについては、各館の仕様が大きく異なり、カスタマイズも多く行われた。
パッケージの利点は、ある程度の信頼感、業者に任せられることなどがある。
一方、デメリットとしては、各館の事情に合わない部分があること、カスタマイズによりコストが大きくなること、他のパッケージへの移行が極めて困難であることなどが挙げられる。 - 図書館員の不満
→不要な機能が多い、カスタマイズができない場合がある、対応が遅い、コストが高い、ベンダーのSEが言っていることを理解できない(=判らないまま、回答してしまう)・・・等々。
<○OSSと図書館>
- 図書館におけるOSS導入
- サーバー等のOSに導入
- 図書館統合システム全部に導入
- 図書館統合システムの拡張に導入
- グループウェアに導入
以降の話は、上記のうち、2,3について。 - なぜ、図書館がOSS?
→1つのベンダーに縛られない、カスタマイズしやすい、コミュニティ内の責任共有、など。
カスタマイズしやすい点は、非常に大きなメリットである。例えば、多言語など、特別に配慮が必要な利用者への対応。
また、インターネットの普及により、OSSの実用性・実現可能性が、飛躍的に高まった。 - OSSの成功例
→Koha, phpMyLibrary, OpenBiblio, PhpMyBibli, Emilda, Evergreenなど。日本では、Project Next-L、まちづくり三鷹が代表的。 - Project Next-L
→既存図書館システムへの不満を出発点に、図書館システムを図書館員の手に戻そう、というコンセプトが明確。使えるOSSがある、という実感を持たせるために、小規模図書館を対象としたモデルで、早く結果を出す(2010年にver.1公開予定)。 - OSSに対する評価モデル
→システムの内的要素(ソースコード、ライセンス等)+外的要素(技術サポート、トレーニング、ドキュメント等)。図書館側の技術力と体制をふまえて、熟慮が必要。 - OSSの世界と図書館の類似性
→情報共有の考え、人間の相互作用の必要。図書館というよりも、ピア・レビュー文化のある学術コミュニティとの類似性が高い。 - OSSの普及に必要な要件
→全国的組織による先導、主流化、使い勝手+パッケージ化(ソフトではなく、コンテンツの管理に力が注げるように)、経済性、オープンアクセスに見られるようなオープンソース・データの普及。
とりあえず、今日はここまでにします。
<キーボードを叩き過ぎて、もう指が攣りそう。
また明日以降、「後編」を。
授業は内容の濃いものだったのですが、私が説明できるのは、これくらいです。
ごくごく掻い摘んでではありますが、OSSについて全く白紙の方には、多少は参考になりそうでしょうか?
<●勉強会情報>
本当に、この週末の関西では、図書館関連イベントが目白押しですね!
私の参加予定については、先日のエントリー「ARGカフェ&ARGフェスト@京都に登壇! (参加者も急募!)」に掲載していますので、そちらをどうぞ!
・・・と言いつつ、今日行こうかと考えていた、勁版会の「図書館を演出する ―大阪芸術大学図書館の実践―」には、早速行きそびれてしまいました・・・残業め。
講師の多賀谷さんは、本当に行動力いっぱいの方で、常々リスペクト!この日も、何としても行きたかったのですが・・・残業め。
多賀谷さんは、つい先日「図書館を演出する-今、求められるアイデアと実践-」という本を上梓されました(共著)。
もちろん私も、すでに購入しています。今日行けなかった分、せめてこの本を読ませてもらうことにします・・・残業め。
あの多賀谷さんの力作ですから、間違いなく得るものがあると思います!皆さんも、ぜひお手にとってみてくださ~い!
それにしても、残業め。
<●どうでもいい独り言>
何度も書いていますけれど、いよいよ明日は、「ARGカフェ&ARGフェスト@京都」です!
う~ん、ちょっと緊張!
そしてさらに、まだスライドも完成していませんし。
たった5分、でも、だからこそ、難しい!5分だからこそ、冒頭のツカミが全てだと思っています。最初の30秒をどうするか、今もアタマを痛めています。
そうそう、当日はUst中継もあるそうですよ!
会場には来られないけれど、時間はあるという方、ぜひUstで私の雄姿をご覧ください!(爆)
それでは!押忍!
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