(初めての方は、まず初日・6月28日のエントリーをご覧ください)
○一ヶ月前の、あの日
早いものです。
れいこの発症から、ちょうど一ヶ月が経ちました。
初めて頭痛を訴えたのが、6月23日(木)のことでした。内科で頂いた薬が効かず、近所の脳外科を訪れたのが、27日(月)でした。
そして翌6月28日(火)、検査に訪れた宝塚市立病院にて脳腫瘍と水頭症の発症と、余命1年程度との診断を下されました。
気が動転する中、慌ただしく即日の入院・手術となりました。
れいこが手術を受けている間、私たち一家は、病室で涙ながらに約束しました。
れいこは、絶対に助かること。
そのためには、私たちが涙したり、絶望したりしてはいけないこと。
れいこと一緒に、「明るく強く」闘って、絶対に病気に勝つこと。
そのために、ブログやTwitterで、れいこの闘う姿を伝えていくことにしました。
必ず病気に勝って、れいこと笑顔で振り返るために。
れいこにとっても、私たち一家にとっても、この日はずっと忘れられない日になるでしょう。
○ひと月経って、思うこと
あれから、一ヶ月が過ぎました。
れいこは2度の頭の手術に耐え、一ヶ月の入院生活を送っています。麻痺は進み、一人にはしておけない状況になりました。
病魔はジワリジワリと忍び寄ってきますが、れいこはそれに打ち勝つため、放射線治療を受け始めました。
れいこは、自分の命の危機とまでは知りませんが、まさに「明るく強く」闘っています。
家族の生活にも、変化が生じています。
妻は看病に専念するために、休職しました。私は、一ヶ月ずっと休んでいましたが、ようやく今週から、午前中だけ勤務を再開したところです。
家族の不安やストレスは、相当のものです。
れいこを失うかもしれないという不安に襲われながら、朝から夜までの付き添いが、毎日続きます。
看病は仕事と違い、オフが全くありません。
起きた瞬間にれいこのことを思い出し、れいこ中心の一日が始まります。楽しみである飲み会にも、道場にも行けません。もちろん、日曜であろうと、解放されることはありません。
正直、疲れがないと言えば、嘘になります。
妻や息子は、私以上でしょう。
れいこの場合も、病気に勝つまでは、長期戦が予想されます。
れいこ自身もそうですが、家族が共倒れにならないようにしなければいけないと思います。
それにしても、改めて思うのは、ごく平凡な日常のありがたさです。
毎朝目を覚ましたら、家族がそこにいること。
家族みんなが元気で、嫌々ながらでも、仕事に行けること。
ときには、親子喧嘩をすること。
家族が揃って、一緒にご飯を食べること。
・・・こういったことが、どれほど幸せなことでしょうか。
わが家にも、こうした日常が戻ってくることを、信じています。
○気持ちの弱さと強さと
メンタルの部分で、浮き沈みもあります。
ふとしたことで、感情が高ぶったり、気持ちが沈んだり。
恥ずかしながら、昨日は道端で涙を流してしまいました。
れいこの車椅子を押しながら、iPhoneで音楽を流していたのですが、そこでかかった曲が「いきものがかり」の「ありがとう」でした。
恋愛的な感情だけとも言いにくいこの曲、親子の情に通じるものがあります。
“誰かのために生きること 誰かの愛を受け入れること
そうやって いまを ちょっとずつ 重ねて
喜びも 悲しみも 分かち合えるように
思いあうことに幸せを あなたと見つけていけたら
ありふれたことさえ 輝きをいだくよ ほら その声に 寄り添っていく
“あいしてる”って伝えたくて あなたに伝えたくて
かけがえのない手を あなたとのこれからを わたしは 信じているから”
そうやって いまを ちょっとずつ 重ねて
喜びも 悲しみも 分かち合えるように
思いあうことに幸せを あなたと見つけていけたら
ありふれたことさえ 輝きをいだくよ ほら その声に 寄り添っていく
“あいしてる”って伝えたくて あなたに伝えたくて
かけがえのない手を あなたとのこれからを わたしは 信じているから”
この歌は、れいこが大好きな曲で、車椅子の上で元気に歌っていました。
前向きで、でもどこか切ない歌詞。れいこの明るさや自分の今の心境と相まって、道端なのについポロリ。
すれ違ったおばさんが、怪訝そうな顔でこちらを見ていました。
そうですよね、車椅子で調子外れに歌う女の子と、それを押しながらポロリポロリとしているおっちゃんと。(笑)
以前の私なら、こうしたことを、決して書けなかったと思います。
こう見えても意外に骨っぽいところがあるつもりで、「男が人前で、涙なんか見せるもんじゃない」なんて、ずっと思ってきました。
でも、今回のことであちこちでポロリポロリしているうちに、自分の弱いところを見せてもいいような気もしました。
もしかすると、自分の弱さを見せられる強さを、持つことができたのかもしれません。
そうだとしたら、れいこに強さをもらった、ということになるのでしょうか。
自分のもらったこの強さを、これからもっともっと、れいこに返していきたいと思います。
○今日のれいこ
今朝れいこは、大阪市立総合医療センターで実施しているビーズ・オブ・カレッジ・プログラムに参加しました。
主催しているタイラー基金によると、
”小児がんと闘う子どもたちは、つらい治療をひとつ終えるたび、勇気を持って頑張った証にカラフルなビーズをもらいます。それぞれのビーズは、ひとりひとりの力強い物語であり希望の象徴なのです。”
・・・とのことです。
れいこも、今までに乗り越えてきたハードルに相当するビーズをもらいました。
入院、手術、放射線治療、などなど・・・。
左手が使えない中、一生懸命紐を通して、作り上げました。
れいこは、これからも治療を頑張って、「力強い物語であり希望の象徴」でもあるビーズリングを作り上げていくことでしょう。
○大事な仲間たち
今日もまた、周りの人たちに支えられていることを、実感しました。
この数日、仕事に行き始めましたが、それでも昼には失礼しています。
今まで一ヶ月も休んで、職場には迷惑をかけ続けているのですが、今も毎日同僚たちは、気持ちよく私を帰らせてくれます。
いろいろと気遣いも頂き、同僚たちには本当に感謝しています。
他部署ながら図書館まで来てくれて、れいこのために涙を流してくれた仲間もいました。
また、ある方は、大勢のメンバーでれいこへの見舞いを用意してくれただけでなく、いつでも渡せるようにと持ち歩いてくださっていました。
(病院帰りの夜道で偶然お会いしたのに、パッと取りだして渡してくださいました!)
本当に私は、仲間に恵まれています。
仲間たちのためにも、絶対にれいこには、元気になってもらいます!(笑)
○週末の外泊
今週末も、外泊をする可能性が出てきました。
金曜も体調がよければですが、金曜夕方の治療後、月曜の治療まで外泊することができそうです。何と、3泊です!
先週末、わが家に1夜だけ戻ったれいこは、とても喜んでいました。
3泊もできるなんて、夢のようです!
まだ確定ではありませんが、そういう方向ですので、お見舞いの方、ご注意ください。
ところで、また厚かましいお願いです。
月曜の昼、宝塚の自宅から大阪市立総合医療センターまで、送ってくださる方がいらしたら、ご一報願えませんでしょうか?
れいこ+片親+車椅子1台、乗車希望です。キャパに余裕があれば、両親を載せてもらえると、なお嬉しいです。
こちらの希望としては、12:30~13:00頃に宝塚を出発したいと思っています。
勝手ながら、れいこの体調によって、変更が生じる場合がありますので、ご了承ください。
当面お礼もできないと思いますが、れいこが元気になることで、恩返ししたいと思います。
「れいこ お助け隊」の皆さま:
上記のお願いは、皆さんにメールをお送りしたのと同一のものです。病院から自宅へ戻る方は、お申し出を頂きましたので、ご放念ください。ありがとうございました。
<●最後に、れいこへ。>
れいこへ。
今日で、ちょうど前の入院から、一ヶ月経ったね。
2回も頭を切る手術をしたし、友だちがお見舞いに来られない遠くの病院にも移ってきたね。本当に、よく頑張っとると思うよ。
でも、病気との闘いは、これからやで。
放射線治療も、まだやっと3分の1が終わっただけやけんな。じっくりと時間をかけて、しっかり治さんといかん。
まだお前には言うてないけれど、れいこは、とても大変な病気に罹っとるんよ。客観的に見ても、かなり危ない病気なんよ。
ほやけど、れいこなら、きっと大丈夫。
体も強いし、何より空手で鍛えたココロの強さがあるけん。
もう1ヶ月も、頑張って治療を続けたしな。これからも、頑張れるやろ?
元気になったら、Jボードを買って、一緒に乗るんよな?
沖縄にも、行く約束やったね?
早く病気なんか、やっつけよう。
みんなが、本当に大勢のみんなが、お前を応援しとる。
早く元気になって、学校や道場に戻ろう。
そして、お父さんやお母さん、お兄ちゃんと毎日一緒に過ごそう、れいこ。
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