今日は、前置き抜きで。(笑)
24日の投稿「行ってきました!大図研 全国大会 in 群馬」の続きです。
もう1週間経ってしまいましたが・・・。
<大会2日目 23日(日)>
この日は、前夜の懇親会と地酒の会のダメージで、なかなか起きられませんでした。目を覚ますと、同室に泊っているお二人は、すでに朝食へ。まったく気配に気付かなかった私。(笑)
さてこの日は、朝9時からいくつかの担当分科会が行われました。
大図研の全国大会は、複数のプログラムが同時に開催され、参加者は自由に関心のある会に参加することができます。
私が担当したのは、この時間帯に行われた、課題別第3分科会「情報リテラシー ~学生のGoogle利用を考える~」です。
課題別第3分科会
「情報リテラシー ~学生のGoogle利用を考える~」
http://www.daitoken.com/taikai/2009/2009_bunkakai.html#k3
遅い朝食後、慌てて会場へ飛び込み、何とか15分前に準備を完了させました。
非会員ながら、一番にやってきてくださったのは、G大学M山さん。朝早くにも関わらず、早めに来てくださったのが嬉しかったです!
この日の参加者は、17名でした。
上記サイトにもありますように、この分科会は、私や他の講師が何かを話し、それを学んで頂くものではありません。あくまで、参加者が自由に意見交換をして頂くための場として、設けたものです。
・・・とは言え、いきなり「さあ、みんな好きに話すんだ!」と言っても、困らせるかな、と。そこで最初に30分だけ、話題提供といった形で、私からGoogleについてよろず話を。
当日の話題提供(パワポ資料)
http://www.geocities.jp/s830r1020/library/20090823google.pdf
噛みながら、脱線しながらも、ほぼ定刻で情報提供を終えました。
その後は、フリートークの時間です。
予想はしていましたが、控えめな紳士淑女の図書館員がお集まりのせいか、最初はなかなか積極的に発言がしにくいご様子。
及ばずながら、私もあれこれ口を開いたり、ご指名させて頂いたりしているうちに、皆さんからご意見などが飛び出すようになりました。
そうこうしているうちに、3時間半という長丁場を、何とか乗り切ることができました。
私が設定していた、議論のポイントは以下の2つです。
当日の話題も、大きくはこの2点に集約されたかな、とは思います。
- 学生さんたちが、安易にGoogleを検索して、その断片的な情報を適正な「知」だと思ってしまう。それでいい?図書館員は、それをどう捉える?
- Web上の情報流通インフラになりつつあるGoogle。一民間企業が、社会の根幹を担うような存在になってもいい?
これら以外のテーマも含め、いろんな話題も出ましたし、簡単に集約することは難しいです。ですので、詳細は「大学の図書館」の大会記録号でご覧頂くということで!(逃!)
パートナーのK川さんが、記録原稿を作成してくださっていますので、それをお楽しみに!
<ホントにいろいろ、すみません・・・。(汗)
分科会が終わってからの反省としては、もっと早い段階で議論しやすい環境を作りたかったことでしょうか。
最初が大事かと思い、冒頭でGoogleに関するクイズをしたり、一人一分の自己紹介タイムを設けたりしたのですが。それでもフリートークの序盤は、かなり皆さん遠慮気味だったように思いました。
次回こうした機会がありましたら、もう少し冒頭のツカミの部分を練っておきます。
こうした性格の分科会である以上、最初に議論が進みだしたら、もう後は何もしなくていいでしょうし。(笑)
本来であれば、それくらいを狙ってはいたのですが。
分科会を運営して、一つ良かったこと。
参加者同士が、お知り合いになり、和やかに話をしてくださったことです。
分科会中においてもそうでしたが、終了後も分科会で知り合った方同士で、いろいろと話をしたり、一緒に次のプログラムへ参加したりされていました。
最初の自己紹介の他、途中で名刺交換タイムを設けたことなども、良かったのでしょうか?
拙い分科会ではありましたが、これがご縁で図書館員同士のお付き合いが生まれること、非常に嬉しく思います。
私自身、多くの方々とは今回初めてお目にかかりましたので、貴重な機会となりました。
もちろん、このブログの宣伝もしておきましたよ!(笑)
<休み時間中にN村さんが、プロジェクター投影内容を、私のブログに変更してくださっていて、驚きました!嬉し恥ずかしです。
最後になりますが、参加者の皆さん、本当にありがとうございました!
もしよかったら、ご意見・ご要望等、ぜひお聞かせください。
お時間のあるときにでも、「ブログ読んだで~」といったメールでも頂ければ幸いです。(笑)
一緒にこの分科会を開催して頂いたK川さん、ありがとうございました!最初から最後までバタバタで、申し訳ありませんでした。
<記録も、よろしくお願いします。
そして何より、会場手配など、設備面等で大いにサポートしてくださった群馬支部の皆さまにも、大いにお礼を申したいと思います。本当にありがとうございました!
午後からは、一参加者として、出版・流通分科会に出席しました。
出版・流通分科会
http://www.daitoken.com/taikai/2009/2009_bunkakai.html#k6
前半はまず、日本出版販売株式会社(いわゆるニッパン)の方をお招きして、お話を頂きました。お話としては、以下の4点から構成されていました。
- 出版業界の全体像を知る ~出版業界の特徴や仕組みについて~
- 出版社の基本情報を把握する
- 取次 ~「出版物の流通」を知る
- 書店 ~「出版物の小売」を知る
「どうせ図書館員は、出版をめぐる状況なんか、何も知らんのやろ」と思われたかどうかは定かではありませんが、お話はごくごく基本的なところからスタートしました。
市場規模だとか、1997年以降のマイナス成長ぶりだとか、再販制度だとか。
まあほとんどは、ちょっと出版や流通について興味のある方であれば知っている内容でした。
ニッパンさんはちょうど今年、王子に流通センターが竣工したとのことで、そのご紹介も頂きました。
質疑応答の時間になったので、早速挙手。
「返品率4割がずっと続いているような、再販・委託販売制度を中心とするスキームが、全ての元凶ちゃうの?ホンマに、この制度がないといかんの?」という質問をしました。
残念ながらご回答は定番どおりのもので、いささか肩すかし。
最近は、出版社サイドでも、再販・委託制度を見直そうという動きがあるように聞いています。その辺りを、直球勝負でお答え頂きたかったのですけれどね。(笑)
ちなみに、再販・委託制度につきましては、7月12日の記事で記載していますので、そちらもご覧ください。
7月12日記事「再販制に乗らない本。ポット出版の試み」
http://karatekalibrarian.blogspot.com/2009/07/8-24-9-1-200971800-1-asahi.html
ニッパンの方々は、前半の部だけで、退出されました。
私はそのことを判っておらず、後半にいろいろと伺おうと思っていたので、その期を失ってしまいました。質問をしたのに、名刺交換すらできず、残念!
ニッパンの方々が退出された後半戦は、参加者同士の討論でした。
私としては、やはり質問した部分が大いに気になるところ。
もちろん既存の基本システムですし、今日明日に「再販・委託制はやめよう!」になることがないくらい、承知しています。
ですが、両制度の影響により発生している返本の多さが、出版社・取次の首を絞め、ひいては書店を苦しめていることは、素人の目からしても明らかです。
これを改善する努力なしに、出版状況の改善は見られないと思うのですが、どんなものなのでしょうね?
この後、他の参加者の方々からも、多く情報提供や意見などが出され、いろいろと刺激を受けることができました。
この分科会についても、大会記録号をご覧頂くということで。
「大図研会員じゃないけん、よう読まんぞ!」とお怒りの方は、ぜひこの機に大図研に入会頂くということ。(笑)
この全国大会は、3日間ありますので、翌日もまだ会は続くのですが・・・。
私は月曜日はどうしても出勤しなければいけない日のため、この出版・流通分科会が終わると同時に、ダッシュで会場を後にしました。
こうした研究会の場は、本当にいい刺激を受けることができます。
直接知ることができる情報もそうですが、やっぱり一緒に顔を突き合わせ、3日間一緒に過ごすことに、意味がありますよね。
特に、一緒にビールを飲んで夜中まで語り合った方々とは、もうずっと懇意のお付き合いをしていけるかな、と。
今回参加できなかった方も、大図研に限らず、こうした勉強・交流の場に、ぜひ出席しましょうよ!
出張費が出なければ、自費で参加すればいいじゃないですか!自分の血肉になるネットワークが作れるのですから、時間とカネを費やす値打ちがありますよ!(ちなみに、ほとんどの会員は、自費参加されているように見受けられます)
最後に。
群馬支部の方々には、お一人ずつご挨拶をしたかったところでしたが、終了後ダッシュのため、それも叶いませんでした。この場をお借りして、今一度お礼を申し上げます。
また、参加された皆さま全員に対し、お礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。
<どうでもいい独り言>
上でも書きましたが、こうした場で図書館員同士が交流することは、本当に大事だと思っています。私はいつもこうした場に出るとき、「勉強100%、飲み会100%」の力を注ぐつもりで、参加しています。
<「勉強50%、飲み会50%」じゃないですよ~。
ちょっとした情報をもらったり、何かあったときに無理を聞いてくれるのは、やっぱりお付き合いのある方々ですよね。
大声では言えませんが、お付き合いのある方に無理を言って、超法規的に資料を調達してもらったことや、調査をしてもらったこともあります。
損得だけではありませんが、人とのつながりが、どこかできっと役に立ちます。
迷われている方がいらしたら、ぜひこうした場へご参加ください。
図書館の世界は、相互の善意で成立していますから、きっとうまく助け合えると思いますよ!
・・・だからと言うわけではありませんが、金曜は別の取次のO社さん(バレバレ)の見学+懇親会がありました。
また次回の記事で書きますが、本当にいろいろと勉強することができました。懇親会(というか、飲み会)も、大いに楽しんできましたし。(笑)
日頃知らない本の世界を垣間見て、そこの人たちとお近づきになるのも嬉しいことです。
<M中さん、ありがとうございました!
3 件のコメント:
こんにちはー。
個人的には、再販制度がもたらしている書店の不利益ってぱっと思いつかないのですが、もしよければ、井上さんの考える書店の不利益を教えていただけないでしょうか?
わたしは再販制がなくなると、出版社が冒険ができなくなる気がしていて(買い切りだと書店が確実に売れる本しか仕入れてくれないため)今のように色々な本が書店に並ばなくなるのではないかと思って非常に危機感を抱いています。
今のように毎月じゃんじゃん新刊が出せるという状況は、本を作る側にもメリットが大きいですし、いまいち、再販制のデメリットが分からないんですよね…。
「返品制度(再販制)があるから安心して新しいジャンルの本が入れられるんだよねぇ」
前にバイトしていた本屋の店長の言葉ですが、書店や読者にはメリットの方が大きいんじゃないでしょうか?
素人なのであまり良く分かっていないので、そのうち、記事にまとめてみていただけたら嬉しいです。
>たきせあきひこさん、
コメントありがとうございました!
「再販制度がもたらす書店の不利益」ですか。
手短にまとめにくいので、次回の記事で書くということで、いかがですか?
<逃。
どうぞよろしく!
>たきせあきひこさん、
先日は、コメントをありがとうございました。
某MLでも別途お伝えしましたが、先ほどコメントに関する私の意見を、エントリーしておきましたので、ぜひお目通しください!
ご意見等ありましたら、ぜひぜひお聞かせくださいね!
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