2011-11-28

【参加報告】
国立大学図書館協会シンポジウム「電子書籍と大学図書館」

今日は、図書館ネタです。
れいこを応援くださっている皆さん、申し訳ありません。

・・・が、今日も写真くらいは。

鯛焼きを食べる、れいこ。


-------------------------------------------------------------------


さて、今日の本題。

●【参加報告】
国立大学図書館協会シンポジウム「電子書籍と大学図書館」

25日(金)に、標記のシンポジウムに出席してきました。
開催主旨などは、以下のとおりです。

  1. テーマ
    電子書籍と大学図書館

  2. 趣旨
    大学図書館では、従来、学術系の電子書籍、例えば、NetLibrary や大手欧米学術出版社が提供するものを導入してきたが、この数カ年に電子書籍は、一般向けに、アメリカを中心に急速に普及しつつあり、Amazon の電子書籍の売上はペーパーバックを超えたといわれている。

    国内においても、従来の携帯電話用書籍やコミックス電子版とは別に、これに追随する動きが起きており、また、国内の公共図書館でも先導的に導入を図る館も現れている。

    電子書籍は、企画、制作、出版、流通の各段階において、従来の紙媒体資料とは全く異なった特性を持っており、出版界、知識・情報の流通を革新するものである。これらの電子書籍は、出版・流通と密接な関係にある大学図書館にも極めて重大な影響を及ぼすものと考えられる。

    電子書籍の特性、動向、大学図書館に与える影響について、出版界、書店、図書館等の関係者からお話を伺いながら、大学図書館と本協会の今後の取り組みについて意見交換をする場として、国立大学図書館協会のシンポジウムを開催する。

  3. 主催
    国立大学図書館協会

  4. 会場及び開催日
    京都大学医学部 芝蘭会館
    平成23年11月25日(金)

  5. 参加資格
    大学図書館経営に携わる管理者及び中堅職員


このシンポジウムに関する公式サイトを探したのですが・・・もしかして、作っていないとか??仕方ないので、案内文書からほとんど丸々ペーストしておきました。

こうした場での議論などをあちこちで活用していくのであれば、ぜひとも公式サイトに開催主旨などを含めて公開し、開催後もパーマネントリンクで残して頂きたいところです。


○講演1 「電子書籍をめぐる出版界と図書館界の新局面」
湯浅 俊彦氏(立命館大学 文学部 准教授)

「出版界における電子書籍ビジネス」、「アップル、アマゾン、グーグルの戦略」、「電子書籍をめぐる図書館政策」、「出版業界と図書館の新局面」という章立てで、盛りだくさんの弾丸トークをお聞かせ頂きました。

まず背景として、出版販売金額や電子書籍売上高などの数字の推移を示された後、iPad、Google eブックス等について説明されました。
それらを受けて、例の「デジタル・ネットワーク社会における出版物の利活用の推進に関する懇談会」、「電子書籍の流通と利用の円滑化に関する検討会議」、NDLの大規模デジタル化、電子納本制度をめぐる議論、出版デジタル機構などについて、言及されました。


湯浅先生のお話は、わずか20分という時間の中で、先頭バッターとして話題提供や背景説明などにウェイトを置いていらしたようです。
湯浅先生は、この分野の第一人者ですし、もっと突っ込んだお話をお聞きしたいところではありましたが、今日は役割に徹していらっしゃいました。



○講演2 「Googleの電子書籍への取り組みが目指すもの-『Google eブックス』について-」
佐藤 陽一氏(グーグル株式会社 戦略事業開発本部
ストラテジック・パートナー・デベロップメント・マネージャー)

私がずっと、強い関心を持ち続けている、かのGoogle。ど真ん中ストライクで関心があり、しかもかねがねお話を伺いたかった、佐藤さんの講演でした。


佐藤さんはまず、あまりにも有名なGoogleのミッションについて、説明されました。
その上で、Googleのインフラは、クラウドコンピューティングサービスであることを力説されました。クラウド上にあるので、電子書籍もPCとスマートフォンなど、複数のデバイスで見ることができる、ということです。

Googleは、世界中にある本(約1億3千万冊との見立てとのこと)をすべてデジタル化して、全文検索できるようにしたい、とお考えとのことです。
Googleブックスは、パートナープログラム+ライブラリープロジェクトで行われています。スキャンされた図書は何と、1,500万冊、50億ページ、2兆単語。全世界40図書館と35,000社、478言語に至ります。

よく誤解されているそうですが、図書のスキャンは、機械を使わず人手でやっているそうです(例のスキャンマシンの話が、よく噂に流れていましたね)。
「機械でやって本を傷めたら、K大学のIさんに怒られる」、と佐藤さんは笑っておいででした。


ここで、Googleブックスの使用デモを行ってくださいました。
佐藤さんもおっしゃっていましたが、情報ソースとして本を意識していない人に、本の内容情報を検索結果を返すのが、Googleブックスの特長です。
この点には私も大いに同意するところで、本を頼っていない人を、本に結び付けるという点は、OPACやAmazonの持たないチカラですね。その点でこのサービスは、非常に高い価値を持っていると思います。

Google eブックスについて。
Googleブックスで出版社から提供されている本は、1ユーザーが1ヵ月に本の20%まで読むことができますが、Google eブックスで購入すれば、20%制限が外れるそうです。


佐藤さんは最後に、「今までの紙の本はアーカイブ資料として。新しいものはテクノロジーを活かした形で」とおっしゃっていました。併せて、「ユーザーの視点で何が便利か、が全て」ともおっしゃっていました。
この最後の一言こそ、Googleが魅力的なサービスを展開し続けているエッセンスかと思います。


○講演3 「書店からみた電子書籍流通の現状と課題」
牛口 順二氏(株式会社紀伊國屋書店 理事・営業推進本部長)

牛口さんは、(大学図書館が主に扱う専門書ではなく)一般向けの電子書籍、特に流通に焦点を当ててお話くださいました。

まず、紀伊國屋書店と電子書籍事業の経緯について、次いで、日本の電子書籍の現状についてお話くださいました。
日本で多いのは、ケータイ向けコンテンツ。コミック、ライトノベル、BL等。牛口さんは、「発達してきたのは、いわば別の市場だった」と指摘されました。電子書籍が広がりきらないのは、何と言ってもコンテンツ不足であるとも言われました。

牛口さんは、電子書籍でのみの販売は困難で、紙の本との併存を考えざるを得ない、とされました。
既存の水平分業モデルを、維持できるか?米国型垂直統合モデルとは違う、日本型モデルを構築できるのか?例えば印税も、従来の発行部数(実売数とは違う)による紙媒体モデルと、実売数による電子書籍モデルを、どうするのか?流通体制の未整備にどう対応するのか、といった課題を挙げられました。


最後に、ハイブリッドデジタル販売への取り組みについて、語られました。
書店が変容する中で、地域密着/セレクトショップなどの方向性を持たせた上で、新しい情報体験の場としての書店を提案していきたい、と総括なさいました。

また、こうした商用サービスと図書館サービスについて、どのような関係を築き、どう役割分担していくのか、という問題提起をされました。



○講演4 「国内学術出版社と連携した電子書籍への取り組み」
入江 伸氏(慶應義塾大学 メディアセンター本部)

最後の講演は、鋭い切り口と直球ホンネトークが持ち味の入江さんでした。

お話はまず、Googleライブラリープロジェクトの報告からでした。
慶應義塾大学は2007年から実施しており、Googleに著作権切れの約10万点を提供されたそうです。慶應サイドが担当したのは、デジタル化する資料の選定、著作権調査、メタデータ作成等で、Googleでは資料のスキャン・運搬などを行ったそうです。

大きな課題として挙げられたのは、画像の品質でした。
OCRの精度は、99%を超えているので、その修正よりも量を増やす方を重視されてきたそうです。校正コストをかけると、大規模スキャンはできず、キーテクノロジーであるOCRの精度向上は重要な課題だそうです。

国際化への課題として、URIの問題も挙げられました。
ISBNが付与される以前のものを、どうするか?個別データと現物を結び付けるキーが必要で、ISBN、OCLC、LCなどがないものにどう対処するか。日本でこれを本気で考えないと、使えないデータを大量に作るだけになりかねない、と指摘されました。

4月以降に公開する慶應OPACも、デモとして披露してくださいました。Googleブックスへのリンクボタンを設け、全文を読めるようにした点が特長です。
入江さんは、「OPACなんて、もう要らない。図書館は、メタデータから現物を早く取り出せればいい。電子であれば、その場で買えばいい」ともおっしゃって、私たちが持ちがちな固定観念とは違うビジョンを示してくださいました。


さらに指摘があったのは、これだけ電子ジャーナルが普及しても、貸出数は減らないのは何故か?、という点です。
答えはもちろん、貸出は和書が中心だから、です。和書を何とかしないと、という入江さんの思いは正鵠を射ていますし、今の電子書籍に対する危機感にも繋がっていると思います。

入江さんは、「新しい本はビジネスになっているので手を出せないし、50年以上経つようなものはNDLや青空文庫が対処してくれる。その間のものが、図書館が考えるエリアだ」と指摘されました。

併せて、国内の書籍市場1兆円のうち、大学図書館の和書購入は170億円。1%しかないものを、どうビジネスに?図書館が必要とする既刊書のビジネスは?・・・という問題提起をされました。
これについては、自分としての答えを持っていない部分でもあり、考えていきたいと思います。



○オープンディスカッション

後半は、湯浅先生をモデレータに、他の講演者をコメンテーターとして、フロアと一緒にディスカッションが行われました。
様々な話題が取り上げられ、とても面白かったのですが、簡単に要約することが難しく、この部分は割愛します。

一つだけ、記しておきましょう。
私がGoogleの佐藤さんに、「電子書籍が普及する中、図書館の持つアドバンテージは?」といった質問をしたところ、(すごくたくさんお話を頂いたのですが、メチャクチャ乱暴にはしょると)「場としての価値、今までにない新しい機能や役割に大いに期待」といった回答を頂きました。

ガンガンと書籍の電子化を進めているGoogleの佐藤さんが、場としての図書館を好きで大いに期待している、というのがとても印象的でした。(笑)
そしてこのお話は、先般より図書館業界でよく議論されている、場としての図書館の再定義に通じるものがあります。
期せずして、佐藤さんのご指摘が同じベクトルを持っていることに、後押しされた思いですし、さらにその検討を深めていかなければいけない、と思いました。


この日は豪華な講師陣で、とても勉強になりました。講師の皆さん、ありがとうございました。
また、この場を提供してくださった国立大学図書館協会の皆さま、とりわけ中心となってくださった名古屋大学の皆さま、ありがとうございました。



○お礼

このところ、少しずつ外にも出るようにしていたのですが、京都までの遠出は、娘・れいこの発症以来初めてのことでした。あれだけ勉強会などに通っていた京都も、ほとんど半年ぶり。(笑)

お会いした大勢の方々が、れいこ、そして私たち一家のことを、気遣ってくださいました。
会後には、講師・事務局の方々を含めてお会いした方々から何通もメールやツイートを頂き、本当に嬉しい限りです。
ちょうどこの日の朝、辛い検査結果が出ましたが、これだけ多くの応援を受けているのですから、きっとれいこは元気になってくれると思います!

皆さん、本当にありがとうございました!



<●どうでもいい独り言(最後も雑談)>

今回は久しぶりの京都遠征、勉強にもなりましたし、楽しかったです。
シンポジウムはもちろん、懇親会、二次会ともとても盛況で、大いに盛り上がりましたね。参加された皆さま、お疲れさまでした!

私もこれから、れいこの体調と相談しながらではありますが、ときどきこうした場に出て、勉強させてもらおうと思います。
れいことの闘病生活も、うまくオンオフを切り替えないと、自分が参ってしまいそうですからね!



最近、自分の健康管理にも留意しています。
今年の健康診断では、またまた血糖値がひっかかった他、心電図も2年連続でアウトでしたので・・・。結果が出て以来、間食もほぼ完全に止めて、汗をかく機会を増やしています。

最近、知人が大阪・神戸マラソンを走ったのに刺激され、ランニングも増やしています。3キロ程度を走るだけですが、1キロ5分ジャストくらい・・・空手家にしては、今一つですね。

しっかり健康管理して、れいことともに頑張りたいと思います。

それでは、押忍!

2011-11-27

病気と明るく強く闘う、れいこ
【第150~153日目: 11月24~27日(木~日)】

6月28日に始まったれいこの闘病記、150~153日目です。
(初めての方は、まず初日・6月28日のエントリーをご覧ください)


<●お願い>

このブログには、れいこの病状に関する情報を、ほぼそのまま掲載しています。
一方で、れいこの回復が厳しいこと、余命まで告げられたことは、本人には伝えていません。
れいこに話しかけて頂く際はもちろんですが、れいこに接する可能性のあるお子さん方にお話される際、ご配慮をお願いします。

お子さん方には、「れいこが頭にできた、悪いできものと闘っている。治るまでには、まだだいぶかかりそう」といった言い方にして頂ければ、幸いです。

「命が危ない」、「余命1~2年」といった部分については、特に配慮ください。れいこのためにも、お子さん方のためにも。

このような危惧をしつつも、あえてブログでの情報発信を行っています。皆さまのご配慮・ご協力をお願いいたします。



○転移の恐れ?

残念ですが、悪いニュースです。
25日(金)、都島放射線科クリニックに、MRI検査結果を聞きに行って来ました。

お父さんのお好み焼きに、マヨネーズをかけてくれる、れいこ。


以下、MRI検査画像を見ながら、放射線科の院長から受けた説明です。
  • 脳内に2ヶ所、先月はなかった瘤のようなものができている。脳脊髄液の中に、癌細胞が入った恐れがある。脳脊髄液がめぐる頭から脊髄のどこかに、癌が出るかもしれない。
  • 一番怖いのは、脳脊髄液の流れが止まること。そうなると改善は極めて難しく、命の危機。放射線治療、化学療法は難しい。
    ただし印象としては、8割方そうではない。あくまで、もしかすると、の話。
  • もっと可能性が高いのは、脊髄・胸髄へ広がり、全身麻痺などに繋がること。直接的に命の危機ではないが、生活の質は一気に悪化する。
  • 一ヶ月後に、再度MRI検査をする。脳脊髄液に癌細胞が入っていれば、この頃に一気に広がっているかもしれない。
  • 大阪市立総合医療センターの専門医に見てもらい、今後の処置を検討する。


非常に、厳しい話でした。
日頃元気なために忘れそうにすらなりますが、改めて、れいこが命の危機に直面していることを再認識しました。

取り急ぎ、29日(火)に大阪市立総合医療センターの主治医との相談をしてきます。少しでも、いい材料が見付かるといいのですが・・・。


気休めのようなものではありますが、いい話もありました。

元々の腫瘍は、ほぼ先月から変化がありませんでした。小さくなっているわけではありませんが、この時期での現状維持は、いい状態と理解できます。
腫瘍や浮腫は、まだこれから小さくなる可能性もあり、希望を持っていきたいと思います。

浮腫はまだ残っていて、半身麻痺も続いている状況ではありますが、ステロイド剤は減らす方向になるだろう、とのことです。
ステロイド剤の「大量投与」を続けることは「非常に危険」とのことで、一時期の危険は脱したことで、薬を減らしていかざるを得ないようです。
<これで、食欲魔人とはお別れになっていくのでしょうか・・・?(笑)


29日の結果は、またこのブログやTwitterアカウント@fight_Reikoでお伝えします。



○れいこ、頑張り過ぎ?

これも、副作用なのでしょうか?
24日(木)、れいこは体調不良で学校を休みました。朝起きたときから、軽い頭痛とひどい倦怠感がありました。

残りの休暇数がだいぶ減ってきていますので、私は泣く泣く仕事に。
ですが午後あたりから、だいぶ元気になっていたようで、たいしたことはありませんでした。




そして翌25日(金)、体調は良くなったのですが・・・。
学校に行こうとする時間になって、突然「学校に行きたくない・・・」とれいこが泣き始めました。
自分でも、はっきりとした理由は判らないようで、「何でか判らないけど、涙が勝手に出るんだよ・・・」と言っていました。

私たちと学校には行ったものの、教室に向かうことはできず、保健室へ直行しました。れいこが大好きな担任の先生も来られて、「今まで、頑張り過ぎたんよ」と励ましてくださいました。

結局れいこは、午後から授業に参加できたようで、とりあえずは一安心です。
少し気持ちも落ち着いたようで、月曜日からは大丈夫かな?もしかすると、こうした気持ちが不安定な部分も、薬の影響があるのかもしれません。


れいこ~、頑張り過ぎんでも、ええんやで!



○れいこの楽しい日々

今回はいささか重い話を書きましたが、それでもれいこは、毎日を元気に過ごしています。

今日27日(日)は、鳴尾へ釣りに行きました。
「れいこ お助け隊」の皆さんから頂いた情報をもとに、カーシェアリングに申込み、初めてのドライブへ。とても快調でした。

残念ながら、成果は半日で15匹ほど



26日(土)は、大阪のリラックマストアに行って、お小遣いで文房具を買いました。




れいこはお母さんにねだって、しっかりとパフェを食べていました。

ダイエット中やろ、れいこ。



この日、お兄ちゃんは別行動で、海の古生物展(?)「OCEAN」へ。

恐竜に食べられる真似をして喜ぶ、謎の兄。



辛いこともあるけれど、れいこは毎日頑張っています!




<●最後に、れいこへ。>

れいこへ。

この数日、パフェを食べたり、釣りをしたりして、楽しかったな。



でも、金曜に出た検査の結果が、ちょっと辛かったな。
お前にはよう言わんけど、これからいよいよ、本当に正念場になりそうなんよ。


れいこは絶対に元気になると信じとるけど、本当に厳しい状況には、違いない。ここから元気になるには、お前自身の強い気持ちが必要やで。

お父さんたちも、精一杯応援するけど、れいこの強い気持ちが何よりも大事やぞ。
親子揃って空手で鍛えた精神力を、今こそ見せるときじゃけん。


絶対に、絶対に病気なんかに負けない、そんな強い気持ちを持ち続んとな。
わしらも、できることは全部するけん。一生懸命、お前を支えるけん。

ほやけん、絶対に負けるな、れいこ。

2011-11-23

病気と明るく強く闘う、れいこ
【第144~149日目: 11月18~23日(金~水)】

6月28日に始まったれいこの闘病記、144~149日目です。
(初めての方は、まず初日・6月28日のエントリーをご覧ください)


<●お願い>

このブログには、れいこの病状に関する情報を、ほぼそのまま掲載しています。
一方で、れいこの回復が厳しいこと、余命まで告げられたことは、本人には伝えていません。
れいこに話しかけて頂く際はもちろんですが、れいこに接する可能性のあるお子さん方にお話される際、ご配慮をお願いします。

お子さん方には、「れいこが頭にできた、悪いできものと闘っている。治るまでには、まだだいぶかかりそう」といった言い方にして頂ければ、幸いです。

「命が危ない」、「余命1~2年」といった部分については、特に配慮ください。れいこのためにも、お子さん方のためにも。

このような危惧をしつつも、あえてブログでの情報発信を行っています。皆さまのご配慮・ご協力をお願いいたします。



○抗癌剤治療、第4クールへ。

22日(火)は、れいこの通う小学校の創立記念日でした。
ちょうどいいタイミングでしたので、この日は病院へ。4週間ごとに定例で通っている、大阪の病院へ行ってきました。

23日、もみじ祭りにて。


まず放射線科クリニックにて、MRI検査と簡単な診察を受けました。検査結果は、25日(金)にこの病院へ聞きに来ることになります。

続いて、メイン病院である大阪市立総合医療センターへ。
こちらでは、この日から化学療法(抗癌剤治療)の第4クールに入ります。

化学療法は、4週間1クールになっていて、治療スケジュールなどはかなり定期的に組まれています。定期的な部分をまとめると、以下のような感じです。


  1. 毎月下旬に、放射線科クリニックで検査。MRIにより、腫瘍の大きさや状態を調べます。
    同日に、大阪市立総合医療センターで身長・体重測定、尿・血液検査、インターフェロンの点滴、解熱剤内服、診察。
    この日から、抗癌剤テモダールの内服開始(5日間)。

  2. 数日後に、放射線科クリニックでMRI検査結果にもとづき、専門医の診察。

  3. 画像データと所見をもとに、大阪市立総合医療センターにて、主治医と今後の治療方法を検討。

  4. テモダールを5日間内服後、23日間インターバル。これで、4週間1クール終了。


これは、定期的な部分だけですので、実際はもっといろいろ右往左往しています。(笑)

具合が悪いと、都度診察を受けますし、そのときどきの状況に応じて薬をもらっています。例えば今は、浮腫(腫瘍の死んだ後の水溜まりのようなものらしいです)による脳への圧迫を減らすために、ステロイド剤を「大量投与」しています。
<おかげで、顔が丸々・・・。

21日、インスタントラーメン発明記念館でラーメンづくり。


この日、尿や血液検査の結果は、まずまず良好でした。
もっとも、肝心のMRI検査結果は、25日(金)まで判りませんし、主治医との相談は29日(火)になります。

インターフェロンとテモダールによる副作用も、今のところ全く出ていません。
ただし、安心は禁物です。第2クールのときは特に酷い状態で、嘔吐とふらつきで、学校も何日か休むことになりました。
私自身、毎月下旬はかなりビクビクしながら、毎日を過ごしています。


主治医の先生にも、診察をして頂きました。目下の私たちの心配は、れいこの食べ過ぎですので、まずそれを相談しました。
9月半ばには30キロを切っていた体重が、昨日の測定で34.9キロ。2ヶ月で5キロ、何と2割増!

先生によると、ステロイドを大量に内服しているときは、どうしても仕方ないそうです。逆に、ステロイドを止めれば必ず食欲は落ちるので、一過性のものとして認識していいそうです。
本人にストレスを与え過ぎない範囲で、多少食べる量をセーブするといいとのことでした。

友だちと、鯛焼きづくり。


先生には、歩行の様子も見てもらいました。入院当時よりは状態はいいとのことで、MRIの結果次第では、ステロイド剤を減らすことも考えてくださるそうです。

他に、いろいろと調べていた食事療法(できるだけ野菜中心の食事にすること)についても、現在の治療に支障ないことを確認し、取り組んでみることにしました。
また、私たちが関心を持っている免疫療法についても、お話を伺ってみました。今後私たちで、受けてみたい免疫療法などがあれば、先生に相談することになりました。

先生にもお伝えしましたが、私たちの治療はあくまで、現在のものが最優先です。いろいろな病院や治療方法の中から、私たちはベストの選択をしました。
ただ、それに一切支障を来たさない範囲であれば、先生に相談しながら、やれることは試していきたいと考えています。


とりあえずは、MRI検査結果を待って、火曜に先生とまた相談をすることになります。
どうかいい結果が、出ますように!



○これからの、こと。

ここしばらく、ステロイド剤で浮腫を散らすよう、治療を続けて来ました。MRI検査の結果次第ですが、ステロイド剤による治療は、終息の方向に向かいそうです。

それはつまり、ステロイド剤で浮腫を散らしても、この麻痺は取れないことを意味しているのでしょう。おそらく、(浮腫ではなく)腫瘍本体によるもので、治らない症状ということでしょう。

一般的には、放射線治療は終了後、2~3ヶ月後が、一番いい状態になるようです。れいこの場合、8月下旬に放射線治療を終えていますので、今が一番いい時期になると思います。
その時期に、左手はほとんど動かず、歩くのも一人では不安な状況です。階段などは、とても昇り降りできません。

キッザニアで作った、れいこ特製マヨネーズ。美味!


そうならないことを強く願いますが、れいこはこれから残りの人生を、半身麻痺と付き合っていかなければいけないのかもしれません。

もっとも、半身麻痺であろうと何であろうと、生きていてさえくれれば・・・という気持ちもあります。
複雑な心中ではありますが、「何とかなるさ!」という希望だけは、捨てずにいきたいと思います。



○念願のファミチキ!

この日、れいこにとって、とても嬉しいことがありました。
テレビ番組「お試しかっ!」を見て以来、ずっと食べたがっていた、ファミリーマートのファミチキ
この念願のファミチキを、とうとう食べることができたのです!



ファミチキを食べたれいこの、嬉しそうな様子ときたら!

おまけに、おいしいグラタンにロールケーキを付けてもらって、家族みんなで公園でファミマランチ。食欲魔人のれいこにとって、念願かなった、とても楽しいランチになりました。



○空手大会&神戸マラソンへのエール!

20日(日)は、忙しい一日でした。
午前中は、私たち親子が所属している道場で、空手大会が実施されました。昼過ぎまでの短い時間でしたが、親子で道場のみんなを応援しに行きました。



午後からは、第1回神戸マラソンに出た、私の弟と知人を応援しに、ポートアイランドへ出かけました。
私の弟は、愛媛からわざわざ走りに出てきて、何とか完走!私の知人も、女性ながらしっかりと完走をされました。

もっとも、自己ワーストタイムだったらしい・・・


れいこは、この叔父さん(=私の弟)が大好き。
前夜に一泊してくれたのですが、もっともっと一緒に過ごしたかったようです。「元気になって、年末に愛媛に遊びに行く」と約束をした、れいこでした。



○れいこ、音楽会へ。

19日(土)は、れいこの小学校の音楽会でした。
れいこたち5年生は、合唱で「時の扉」と「すてきな友だち」、合奏で「レイダース」(インディ―ジョーンズのテーマ)を披露してくれました。

先生方は、今回もれいこに配慮してくださって、演奏は椅子席を用意してくださいました。楽器も、片手でできるタンバリンを割り当ててくださっていました。
おかげで、れいこもとても楽しそうに歌ったり、タンバリンを鳴らしたりしていました。


先日の運動会もそうでしたが、れいこがこうして、元気にみんなと一緒に行事に参加できることを、本当に嬉しく思います。
学校行事は何と言っても、先生方のご尽力、そしてクラスメートのサポートによるものです(この日の入退場も、クラスメートがれいこを支えてくれていました)。

加えて、このブログやTwitter @fight_Reikoをご覧くださっている皆さんの応援が、後押しになっていることは間違いありません。
先生方、クラスのみんな、応援してくださっている皆さん、本当にありがとうございます!



<●最後に、れいこへ。>

れいこへ。

この数日は、いろいろと忙しかったね。
音楽会、空手大会、神戸マラソンとイベントが続いたし、インスタントラーメン発明記念館やお祭りにも行ったね。



そして、病院もお疲れさま。
1日車椅子に乗って、あちらこちらを移動するのは、疲れるやろね。
MRIの検査結果が出てからやけど、血液検査などは悪くなかったみたいで、良かった。食事も野菜中心に改善していくし、やれることもやっていこう。


でも、一番大事なのは、お前の気持ちやで。
「絶対に病気に克つ!」という強い気持ちがないと、こんな難しい病気は治らんぞ。

お父さんたちも一緒に頑張るけん、絶対に病気なんかに、負けるな。


ずっと一緒に家族揃って暮らそうって、約束したよな。
絶対に約束を守ってくれよ、れいこ。

2011-11-17

病気と明るく強く闘う、れいこ
【第140~143日目: 11月14~17日(月~木)】

6月28日に始まったれいこの闘病記、140~143日目です。
(初めての方は、まず初日・6月28日のエントリーをご覧ください)


<●お願い>

このブログには、れいこの病状に関する情報を、ほぼそのまま掲載しています。
一方で、れいこの回復が厳しいこと、余命まで告げられたことは、本人には伝えていません。
れいこに話しかけて頂く際はもちろんですが、れいこに接する可能性のあるお子さん方にお話される際、ご配慮をお願いします。

お子さん方には、「れいこが頭にできた、悪いできものと闘っている。治るまでには、まだだいぶかかりそう」といった言い方にして頂ければ、幸いです。

「命が危ない」、「余命1~2年」といった部分については、特に配慮ください。れいこのためにも、お子さん方のためにも。

このような危惧をしつつも、あえてブログでの情報発信を行っています。皆さまのご配慮・ご協力をお願いいたします。



○食欲魔人、れいこ。

スゴイんです。
・・・何がスゴイって、れいこの食欲です。(笑)


とにかく、よく食べるようになりました。
9月の食欲不振が、嘘のようです。10月半ばに、ラーメンを一人前食べて感動したばかりですが、今月に入ってからはもう別人です。(笑)
毎日、私たちが心配してストップをかけるほどになりました。


そして、もっとすごいのが、食べることへの執念(?)です。
何しろ、一日中ずっと食べ物のことを考えています。

「明日の朝ごはん、納豆かな~」
「来週どこかで、鯛焼きパーティーしたいな~」
「一度くらい、ファミチキを食べたいな~」

こんなセリフが、5分と開かずに続きます。
<例え話ではなくて、実話です!


あまりにも、食べ物の話を続けるので、妻とお兄ちゃんは、もうすっかり食傷。
数日前からは、れいこが食べ物の話を始めると、お兄ちゃんは「れいこ!もういい加減にして!」と怒りだす始末。


仕方ないので、私がれいこと二人で寝るときに、布団の中でコッソリ食べ物の話を聞くことに。(笑)
れいこはヒソヒソ声で、「明日の朝のパン、1個にしとこうかな・・・?」、「チキンラーメン、ホントに好きなんだよね~」、「今の夢は、ポン・デ・きなこ」などなど。




この突然の変化は、やはり、ステロイド剤のせいでしょう。
9月に食欲不振と左半身の麻痺が目立つようになって、ストロイド剤の「大量投与」を始めて以来、食欲は右肩上がりです。
<今後、徐々にステロイド剤を減らしていったときが不安ですが・・・。


もっとも、便秘気味なところはあまり解消されず、お腹はよくポンポンになっています。大丈夫なんかな、この飛び出たお腹は・・・。(笑)



○おデブちゃん、れいこ。

運動もできないのに、これだけ食べると・・・当然、丸々してくることに。



昨夜、体重を量ってみると、何と34キロ!
2週間くらい前に量ったときは、30キロを切っていましたのに・・・。2週間で、体重が10%以上も増えるって・・・。(汗)

れいこは体重を量った後は、半泣きでした。
そして、涙のダイエット宣言。

まあ、今はあまりにも食べ過ぎなので、それもいいでしょう。
ただし、野菜はしっかりと食べるように約束はさせましたけれど。今の食欲では、どのみち健康に悪影響をきたすようなダイエットは、できっこありませんけれどね。(笑)



○食事療法に取り組む、井上家。

このところ、非常に体調のいい、れいこ。
しかし残念ながら、これは完治に向かっているのではありません。

現在の化学療法は、れいこの患う神経膠腫を治してはくれません。言ってしまえば、延命治療に近い性格のものです。
<もちろん、可能性がゼロとは言いませんが・・・。



そこで今回、メインでお世話になっている大阪市立総合医療センターの化学療法(抗癌剤治療)に加え、食事療法にも取り組むことにしました。


もともと調理師の妻が、このところずっと食事療法について調べてくれました。
そして選んだのが、京都のからすま和田クリニックです。

早速妻は予約を取り、京都まで行ってくれました。
食事療法にはいろいろな種類があり、極端なものもありますが、このクリニックは子供でも挑戦できそうなスタンスでした。
乱暴に言えば、肉類などを控え野菜中心の食事にするという、ごくごく当然の食事療法です。
(本当は、いろいろ検査結果数値などを見ながら、具体的なご指導を頂いたようですが・・・私がよく理解できていないのです)


来週、大阪市立総合医療センターに行ったときに、主治医の先生と相談の上、本格的にチャレンジしてみようと思っています。
(あくまでメインは大阪市立総合医療センターの治療であり、食事療法は補完医療と位置付けています)

どうかこれが、れいこにいい結果をもたらしますように!



○れいこ、よろず情報。

ここしばらく、毎日元気にれいこは過ごしています。
学校にも元気に通っていますし、今日は日直もしていました。



学校と言えば、15日には学校で転倒してしまったようです。
お尻をついた勢いで、そのままゴロリと(ちょっとだけ)頭もぶつけたとのことで、聞いてヒヤリとしました。

先生方は十分な配慮をしてくれていますが、ずっとれいこの横にいる訳にはいきません。
そう考えると、やっぱり、心配もありますね・・・。


ちなみに学校には以前から、加配の先生をお願いしていて、週1日だけ来てくれています。
このときは、その先生がいないときで、友達と一緒にこけてしまったようです。友達にケガをさせてもいけませんので、できればフルタイムで支援の先生をお願いしたいところですが・・・。


ところで今日は、友達を家に呼んでお菓子づくりをしました。


れいこのお手製クッキーを食べられて、お父さんはとてもハッピーでした。
美味しかったよ、れいこ~。



<●最後に、れいこへ。>

れいこへ。

このところ、スゴイ食欲やったね。
先週末のカニ旅行なんか、カニ飯を4杯も食べたもんな。

でもそのせいか、急におデブちゃんになっちゃったな。
まあ、ちょっとダイエットするらしいけん、ええわいな。(笑)



来週、主治医の先生と相談してからになるけど、食事療法を始めたら、どうしても今みたいな食べ方はできんなるけんな。
食欲魔人のれいこには、辛いかもしれんけど、一緒に頑張ろや~。


もう5ヶ月近く、ずっと不自由な生活が続いとるよな。
やれることはいろいろ頑張って、一緒に奇跡を起こそうや!

お父さんたちも頑張るけん、お前もガンバレ、れいこ!

2011-11-13

病気と明るく強く闘う、れいこ
【第133~139日目: 11月7~13日(月~日)】

6月28日に始まったれいこの闘病記、133~139日目です。
(初めての方は、まず初日・6月28日のエントリーをご覧ください)


<●お願い>

このブログには、れいこの病状に関する情報を、ほぼそのまま掲載しています。
一方で、れいこの回復が厳しいこと、余命まで告げられたことは、本人には伝えていません。
れいこに話しかけて頂く際はもちろんですが、れいこに接する可能性のあるお子さん方にお話される際、ご配慮をお願いします。

お子さん方には、「れいこが頭にできた、悪いできものと闘っている。治るまでには、まだだいぶかかりそう」といった言い方にして頂ければ、幸いです。

「命が危ない」、「余命1~2年」といった部分については、特に配慮ください。れいこのためにも、お子さん方のためにも。

このような危惧をしつつも、あえてブログでの情報発信を行っています。皆さまのご配慮・ご協力をお願いいたします。



○れいこの、カニ旅行!

12日(土)から一泊二日で、れいこを連れて丹後半島に、カニを食べに行って来ました。


訪れたのは、丹後半島の民宿・せいき荘。漁師であるご主人が、毎朝採った新鮮な海の幸を食べさせてくれる、とても家庭的な民宿です。
<井上家は、4年前に初めてここへ来て以来、早くも3回目のカニ旅行。


カメラなど眼中にない、れいこ。



朝食は、一番のお目当て・カニ飯。朝から、何と4杯も!

このせいき荘では、食べきれないくらいのカニ料理が出てきます。いつも食べ切れないのですが、毎年残ったカニを持ち帰らせてもらっています。(笑)


カニの前後は、近くでいろいろと遊んできました。
初日の日中は、天橋立を訪れました。

天橋立が後方に見える、笠松公園にて。


カニを満喫した後の日曜は、腹ごなしに大好きな釣りを満喫しました。



この日の収穫は、アジを中心に40匹。
<もっとも、そのうち15匹ほどは、地元のおっちゃんが釣ったのを分けてくれたのですけれど。(笑)
夜には、アジの唐揚げをみんなで美味しく頂きました。シューイチローが、お母さんの料理の手伝いをしてくれました。


2日間を家族4人で、本当に楽しく過ごしました。
れいこは今月、全く副作用も出ず、元気に過ごしています。この旅行の間も疲れを見せず、元気にはしゃぎ続けました。



わが家の現在の財政状況からすると、こうしたお泊りカニ旅行は、なかなかの痛手なのですが・・・これだけれいこが喜んでくれると、やっぱり無理もしてしまいます。(笑)





○れいこ@キッザニア

皆さん、キッザニアをご存じでしょうか?
かくいう私も行ったことがないのですが、子どもたちが好きな仕事にチャレンジしながら社会を学ぶ「こどもが主役の街」です。

8日(火)が自然学校の代休でしたので、妻がれいこをキッザニア@甲子園に連れて行ってくれました。
私は泣く泣く仕事をしていましたので、詳しい話はできませんが、写真だけアップしておきます。











れいこは、いろいろな職業に就いて、作りながら食べ歩きをしていたようです。
家に帰ってからも、おみやげに自分が作ったハイチューを、嬉しそうに食べていました。



そう言えば先日も、お母さんと一緒におはぎを作って、山ほど食べていました。



そして旅行後は、「れいこ お助け隊」のMさんから送ってもらった、愛媛のみかんをパクパクと食べていました。



一時期の食欲不振は、何だったんだろう・・・畏るべし、ステロイド。(笑)



<●最後に、れいこへ。>

れいこへ。

今週は、本当に楽しい一週間やったね。
キッザニアにも行けたし、週末はカニ旅行にも行って、大好きなせいき荘のカニ飯を食べられたね。

日本海にて。


れいこが喜んでくれると、お父さんやお母さんも、本当に嬉しい。
お前の笑顔が見られるなら、何でもしてやりたいけんなあ。


最近、ずっとお前の調子がええけん、病気であることを忘れそうになる瞬間がある。数ヶ月前に、何の悩みもなかった頃のように。

こんな楽しい日の後は、かえって不安になることも多いんよ。
こんな日が、あとどれだけ続くんやろう、残された日はどれだけなんやろう・・・と、ついつい悪い方へ考えてしまうこともあるんよ。


先のことを心配し始めたら、胸が苦しくて、たまらない。
本当に、早く治って欲しい。


今日も、お父さんの大事な仲間が、わざわざ九州からお守りを送ってくれた。
みんなが、れいこの心配をしてくれとる。
早く治して、みんなやお父さんたちを安心させて欲しい。


今日寝るときに、「また来年、4人揃ってせいき荘に行こう」って約束したよな。
絶対に、約束を守ってや。
一人足りない家族旅行なんて、考えることもできんけん。


また来年、全員が揃って旅行に行こう。
新しい約束したで、れいこ。

2011-11-06

病気と明るく強く闘う、れいこ
【第127~132日目: 11月1~6日(火~日)】

6月28日に始まったれいこの闘病記、127~132日目です。
(初めての方は、まず初日・6月28日のエントリーをご覧ください)


<●お願い>

このブログには、れいこの病状に関する情報を、ほぼそのまま掲載しています。
一方で、れいこの回復が厳しいこと、余命まで告げられたことは、本人には伝えていません。
れいこに話しかけて頂く際はもちろんですが、れいこに接する可能性のあるお子さん方にお話される際、ご配慮をお願いします。

お子さん方には、「れいこが頭にできた、悪いできものと闘っている。治るまでには、まだだいぶかかりそう」といった言い方にして頂ければ、幸いです。

「命が危ない」、「余命1~2年」といった部分については、特に配慮ください。れいこのためにも、お子さん方のためにも。

このような危惧をしつつも、あえてブログでの情報発信を行っています。皆さまのご配慮・ご協力をお願いいたします。



○れいこ、自然学校を終えて

先日より何度か書いていましたとおり、10月31日(月)~11月4日(金)にかけて、れいこは学校行事で自然学校に行って来ました。

爺婆のところ以外で、こんなに親と離れたのは、初めてです。



まずは、こんな状況の中を無事に5日間過ごせたことを、喜びたいと思います。
前の週末まで、抗癌剤を服用していましたので、副作用が出たらどうしよう・・・と強い不安を持っていました。

副作用が出なかったとしても、半身が麻痺している、れいこです。
歩行困難な上に、左手は全く動きません。みんなと一緒に生活できるのか、一緒に来ている他の小学校の子どもたちにいじめられたりはしないかと、不安は尽きませんでした。

ですがれいこは、5日間を元気に楽しく過ごすことができたそうです。
幸い体調も良く、健康面では非常に順調だったようです。食事も8割方は食べられたとのことで、その点でも心配なかったようです。


5日間のプログラムは、楽しいことばかり。
カヌー、オリエンテーリング、森の小屋づくり、天体観測、うどん打ち、自然探検、キャンプファイヤー、陶芸教室・・・。

しおりには、楽しそうな様子がいっぱい!


家に手紙を書く時間帯もありました。
れいこが書いてくれたハガキは、れいこが帰ってくる日数時間前に、ギリギリ先に届きました。



れいこは、本当に楽しい5日間を過ごしたようです。
みんなに支えられながらも、親元を離れ、自分で頑張って過ごした、れいこ。ちょっぴりだけ、大人になって帰ってきました。


自然学校に際し、学校の先生方とリーダーたち(大学生さん中心?)は何度も打ち合わせを重ね、十分な配慮をしてくださいました。

夜中に3度もトイレに起きるれいこのために、3時間ごとにトイレに連れて行ったり、万一のときの緊急搬送先病院を確認してもらったり、れいこのために専属リーダーに付いて頂いたり。
これだけご配慮頂きましたので、安心してお任せすることができました。

丹波少年自然の家


行き先の「丹波少年自然の家」の皆さん、れいこを支えてくださったリーダーたち(とりわけ、れいこに専属で付いてくださった、ゆっこリーダー)、そして学校の先生方とクラスの友だち。

皆さんの支えがあってこそ、れいこはこの5日間を過ごすことができました。
皆さん、本当にありがとうございました。



○帰ってから

れいこは帰って来てからも、毎日元気に過ごしています。
ステロイド剤の影響か、少し顔がふっくらして帰ってきましたが・・・。
<それとも、単に食べ過ぎ?


お帰りケーキを食べました。


今日はパンづくりにも挑戦!


8種類のパンができた!


夕食は、お兄ちゃん特製餃子。


自然学校中もほとんどお通じがなく、帰った日にはお腹がパンパンでした。
さすがに放っておけず、お通じをよくする薬を飲んだところ、ようやく日曜になってお通じがあったようです。こちらも、一安心です。

毎日、夜も早く寝て、グッスリと眠っています(トイレには、3回ずつ起きますが)。
代休があって、8日(火)までは学校も休みです。あと2日、ゆっくり休ませて、また頑張ろうと思います。



○余談

れいこが自然学校に行っている間、あまりにもリズムが違ってしまい、井上家が戸惑うこと、しきりでした。

シューイチローは羽を伸ばし、お父さんとラーメンを食べに行ったりもしました。
先日レポートしましたが、私も一度ワークショップに行き、とても有意義な時間を過ごすことができました。


一番リズムが乱れたのは、妻でした。
れいこのために仕事まで辞めてしまっていますから、れいこがいないと、どう過ごしていいのか戸惑いばかりのようです。
一度などは、廊下に座り込んでしまい、そのまま眠りこんでしまったとか。(笑)

いつも目いっぱい、頑張ってくれとるんやね。
ありがとう。



<●最後に、れいこへ。>

れいこへ。

自然学校、楽しかったみたいで何よりやな。
お前がおらん間、みんな寂しかったんよ。



お父さんは、毎日毎日、何度もれいこのことを考えとった。
仕事中も、ずっとれいこのことが気になってなあ。
具合悪くなってないやろか、疲れが出てないやろか、とずっと心配やったよ。

ほやけん、れいこが元気に帰って来てくれて、みんな本当に嬉しいんよ。
やっぱり一家は、みんなが揃ってないとな。


これからまた、普段の暮らしに戻るなあ。
お前もまた、病気との闘いに戻らんといかんな。
病気なんか、早くやっつけてしまえ。

来年の修学旅行には、元気になって行かんとな。
自分の足で、しっかりと歩いて行こう。


早く元気になって、みんなを安心させてあげんとな、れいこ。
頑張って、絶対によくなろう。


お父さんも、お母さんも、お兄ちゃんも。

ずっと傍で応援しとるけんな、れいこ。
 

2011-11-05

【図書館ネタ】 (参加報告)
「電子書籍: 丸善CHIの戦略」 (丸善CHIホールディングス 代表取締役 小城武彦氏)

今日も図書館ネタです。
れいこを応援してくださっている皆さま、申し訳ありません。

・・・が、またちょっとだけ。

お帰りケーキを食べる、れいこ。

れいこは、4泊5日の自然学校から、元気に帰ってきました!
特に体調不良もなく、楽しい毎日を過ごしたようです。

もう少し本人からみやげ話を聞いてから、ご報告しますね。

-------------------------------------------------------------------


さて、今日の本題。

●【参加報告】「電子書籍: 丸善CHIの戦略」
(丸善CHIホールディングス 代表取締役 小城武彦氏)

この講演は、11月1日(火)に、私の通っている大阪市立大学 創造都市研究科 都市情報学専攻 知識情報基盤研究分野(名前、長!)のワークショップとして、開催されました。

講師は今をときめく、丸善CHIホールディングス 代表取締役 小城武彦さんとあって、前々からぜひ出席したいと思っていました。
幸い、れいこが自然学校に出かけている期間中でしたので、休学中の身ではありますが、出席して勉強させてもらいました。


○アウトライン

実は残念ながら、講師サイドのご要望により、この日の内容は非公開とされています。そのため、詳細なレポートを書くことはできません。
・・・が、内容に踏み込まない程度に感想だけ、記しておきましょう。

タイトルのとおり、電子書籍を巡る話題、とりわけ丸善CHIホールディングスの目指すものについて、お話を頂きました。

この日のお話をお聞きして、印象的だったことが、2点あります。
  1. 丸善CHIホールディングスのビジョンが、明確になっていること。
  2. 小城さんのお話が、面白かったこと。

1.については、詳しくは紹介できませんので、割愛します。

予想外だったのが、2.の小城さんのお話です。
丸善CHIホールディングス代表取締役ともなればお立場もあるでしょうし、建前的なお話ばかりになるのではないかとも思っていたのですが。
整理されたお話、上手なプレゼン技術(目線、間の取り方)、何よりもスピーチが直球でした。(笑)

私も質疑応答の際に、ちょっと失礼な(?)質問をしてみたのですが、これも直球で回答してくださいました。
インサイド高めに速球を投げてみたら、思いっきり引っ張ってレフトライン際、といった感じです。(笑)

講演の内容もさりながら、そのお話ぶりや講師のお人柄に魅了されたワークショップでした。


○懇親会

大阪市立大学ワークショップのいいところは、終わってから院生が講師を囲んで、ざっくばらんなお話をするところです。

この日も、天下の小城さんを囲んで、飲みながらあれこれと。
小城さんは非常に気さくな方で、いろいろなお話で盛り上がりました。


講師のお話ぶりもあったのか、懇親会、二次会と非常な盛会となりました。講演だけでなく、こうした懇親会も同じように楽しく、自分の幅を広げていると感じます。
上の写真も、二次会で終電近くになって、講師と撮影したものです(小城さんの許可を得て、掲載しています)。

講師の小城さん、本当にありがとうございました!



<●勉強会情報>

今日は、宣伝を一つ。
私が運営委員と幹事長をやっているトサケン(図書館サービス計画研究所)が、図書館総合展にて、セミナーを開催します。まだ空席がありますので、今すぐお申込みを!

「今日から使える図書館ブランディングセミナー(2) -コンセプトメイクからデザイニングまで-」

【日時】 11月11日(金)10:30~12:00
【場所】 図書館総合展フォーラム第2会場 (パシフィコ横浜 アネックスホール202)
【プログラム等】 申込みサイト参照
【参加費】 500円
【事前申込み】 申込みサイト参照の上、申込み。
【懇親会】 なし

昨年は満員御礼となりましたので、お申し込みはお早めにどうぞ!
(昨年のレポートは、こちらから)

昨年は図書館総合展も参加して、トサケンフォーラムでも司会や幹事をやっていたなあ・・・。(遠い目)
いつか、れいこが元気になったら、図書館総合展に行くぞ~!



<●どうでもいい独り言(最後も雑談)>

れいこが自然学校でいない間に、いつもいろいろ我慢させているお兄ちゃん・シューイチローのガス抜きに、大好きなボーリングに連れていきました。
<半身が麻痺しているれいこには、ボーリングは無理なので。

・・・そうしたら、ボーリングの神様が、私に!


何と、ストライク6連発で、自己ベストの234点をマーク!
いつもこうなら、図書館員ボーリングバトルなどを企画するんですけれどね~。(笑)

この日、妻も後のゲームで187をマーク。
結局、主役のはずだったシューイチローだけ置き去りにした私たち。(笑)

それでは、押忍!