これは、私が通っている大阪市立大学大学院創造都市研究科が主催したもので、講師に国際基督教大学図書館の畠山珠美・館長代理をお招きしました。
○結論っぽく?思ったこと
独自の教育で知られる、国際基督教大学(以下、「ICU」)。 その図書館のお話とあって、とても斬新なお話を予想していたのですが・・・いい意味で、期待を裏切られました。
この日のポイントだと思えたのは、以下の点です。
- 自分の大学でどのような教育を目指しているのか、その理念を振り返ること。そして図書館には何ができるのか、よく考えること。
- 教育の理念を実現するために、教員・他部署と連携すること。常にアンテナを張って、教育に参画すること。
○ICUの強さ
ご講演では、まずICUの概要やリベラル・アーツ教育などに見られる学びの特色をご説明くださいました。
基本的アカデミック能力の育成と、その中における図書館との関わりを具体的にイメージされておいでだったことが、印象的でした。
図書館を取り巻く環境が激変する中で、自動化書庫やラーニングコモンズのお話もいろいろあったのですが・・・そこは省略しましょう。
特筆すべきはそれではなく、教育の変化のもとで図書館が何をするのか、という議論を重ねられた点にあります。
ICUの場合、図書館が成すべきことは、教学改革の6骨子のうち「協同学習の強化」・「言語能力と記述力強化」とご判断されたそうです。そしてそれに対応するため、ライティングサポートデスクを開設し、様々な試行錯誤をされておいでです。
私が素晴らしいと感じたのは、図書館が教育・学習の変化に対する自分の役割を、主体的に考えられたことです。
当日の質疑応答でも発言したのですが、今や「教員や他部署と連携しよう!」というお話そのものは、失礼ながら珍しくも何ともありません。
ただそれを、言うだけでなく結果が出る形で実行すること、当たり前のことを当たり前にやっていることが、ICUの強さなのだと思いました。
○(あえて言ってみる)ちょっとだけ懸念?
一つだけ、懸念するならば。
こうした試みが、ICU図書館の強さなのかどうか、という点に若干疑問(?)を感じなくもありません。
それはすなわち、畠山さんのようなリーダーだからこそできることなのではないか、という疑問です。
プロ野球に例えれば、大エースがいるからチームがもっているのであって、エースがチームを去れば投手陣のレベルが一気に下がる、という心配はないのかな、とも思ってしまいます。
この懸念には、特段の根拠もありません。
ただ、畠山さんがあまりにご活躍の様子でしたので、プレーヤーの強さが組織の強さに見えているのではないか、と危惧した次第です。
畠山さんと比べるレベルではありませんが・・・。
自分がれいこのことで職場を離れていたとき、やはり職場がうまく回らなかったように感じています。まして、畠山さんのような方でしたら、影響ははるかに大きいでしょう。
個々のプレーヤーの力を高めることと、チーム力を高めることを、同時に図っていくにはどうすればいいか・・・そんなことも考えさせられた一日でした。
ついでに。
ICUのWebサイトを拝見すると、トップページやサイトマップから、図書館をパッと見つけることができません(リンクがない??)。
検索すると出てくるのですが・・・1枚ものの看板だけのようです。学生用は、別にあるのかな??
●れいこと
れいこの話も、少ししましょう。
このところ、ちょっと妻の様子が不安です。
バブーちゃんが宿って以来、妻はずいぶんと気持ちが楽になっていたようなのですが・・・。
本人によると、去年の3月はれいこと過ごすことができた最後の春休みであり、一年前を思い出すと辛くてたまらないそうです。
去年この時期は、いちご狩りに行ったり奈良へ行ったりと、れいことはずいぶん一緒に過ごしました。あの頃は、れいこが絶対に元気になると信じて、一家で必死に(でも明るく)頑張っていたなあ・・・。
このところカウンセリングも減らしていたのですが、もうしばらくプロのサポートも必要なのかもしれません。
僅かなりとも慰めになればと思い、先日は土曜の仕事を強引に休んで、香川までうどんツアーに行ってきました(妻は、美味しいうどんが大好き!)。
大学時代の友人も付き合ってくれて、楽しい一日になりました。少しは気も紛れたかな・・・?
妻と親しくお付き合いくださっている皆さま、また良かったらランチにでも誘ってやってください。
それでは、押忍!
2 件のコメント:
ICUの件、ちょっとだけの懸念はどこでも起きえます。リーダーが次のリーダー(サブリーダー)と自分に繋がる人材を日常的に育てていないと、谷間の世代ができます。世代交代を意識していない大学図書館はさびれます。解決法といえば、リーダーがあなり全面に出ないことです。サブリーダーを外に立てて見守る姿勢が大事です。図書館関係の研修会で登壇するのは、たとえばA大学ならB氏、C大学ならD氏といつもお決まりの内容の話です。そういう依頼があったら思いきって部下を育てる意味でサブをだすべきです。リーダーにはその勇気が必要です。大学図書館を愛するのならば。
>「匿名」さま、
コメントありがとうございました。通知メールが入らず(?)、返信が遅くなり大変失礼しました。
おっしゃること、とても大事なことですね。自戒するようにしたいと思います。
畠山さんのような逸材ではありませんが、私も図書館の現場を預かる立場ですので、いろいろと考えていきたいと思います。
ご指摘の若手の育成、少しずつですが試みようとしています。組織のためにも、本人のためにも。
ご意見、ありがとうございました。
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