2011-12-07

病気と明るく強く闘う、れいこ
【第158~162日目: 12月2~6日(金~火)】

6月28日に始まったれいこの闘病記、158~162日目です。
(初めての方は、まず初日・6月28日のエントリーをご覧ください)


<●お願い>

このブログには、れいこの病状に関する情報を、ほぼそのまま掲載しています。
一方で、れいこの回復が厳しいこと、余命まで告げられたことは、本人には伝えていません。
れいこに話しかけて頂く際はもちろんですが、れいこに接する可能性のあるお子さん方にお話される際、ご配慮をお願いします。

お子さん方には、「れいこが頭にできた、悪いできものと闘っている。治るまでには、まだだいぶかかりそう」といった言い方にして頂ければ、幸いです。

「命が危ない」、「余命1~2年」といった部分については、特に配慮ください。れいこのためにも、お子さん方のためにも。

このような危惧をしつつも、あえてブログでの情報発信を行っています。皆さまのご配慮・ご協力をお願いいたします。



○転移

今日6日(火)に、また主治医のところで、診察と相談をしてきました。

流し目クイーン、れいこ。



残念ながら、やはりれいこの腫瘍は、脳室内に転移してしまっている、との判断になりました。残念です、本当に。

以下、主治医とのやり取りです。

  • (れいこを歩かせてみて)デカドロン(ステロイド剤)を減らしたのに、足取りは、しっかりしている。頭痛なども出ていないので、さらにデカドロンを減らす。

  • MRIの画像を元に検討をしたが、やはり脳室内に転移していると判断した。使用していた抗癌剤のテモダール+インターフェロンには、れいこの腫瘍の進行を止める効果が無かったと判断せざるを得ない。
    今は2ヶ所だけ腫瘍が見えるが、脳室内であればあちこちに腫瘍細胞が付着していて、今後も出てくる可能性が高い。

  • あちこちに腫瘍が広がっているのであれば、部位を特定しての放射線治療は、効果が期待できない。
    また、化学療法としても、脳室内に薬を投与する行為自体にかなり無理がある上、(れいこの患う)神経膠腫に効果的な薬はない。

  • これらの点を判断して、今後の治療方法を変更したい。今後、アバスチン+カンプトという薬を使いたい。
    アバスチン+カンプトは、比較的副作用も少なく、一定の効果も期待できる。れいこの状況なら、2割程度の確率で、一定の効果が得られると期待する。

  • アバスチン+カンプトの副作用としては、頭痛・吐き気・下痢・血圧の上昇、そして腫瘍内出血。特に血圧が上がると腫瘍内出血を引き起こすので、注意が必要。

  • 早速8日(木)から、治療を始めたい。血液検査などの後に診断をし、3時間かけてアバスチンとカンプトを点滴で投与する。
    アバスチン+カンプトの投与は、2週間ごとに行う。外来で実施可能で、当面は再入院の必要はない。

  • 正直なところ、状況は厳しい。一般的な話として、1~2年ほどで生存率は急激に下がり、5年後の生存率は10%程度しかないだろう。


覚悟はしていましたが、やはり転移という判断をくだされると、辛い気持ちになります。
先日言われた、全身麻痺などのリスクにも、確実に一歩近づいたことを意味しています。


今後、れいこの病状がどう進み、治療が効果を発揮するのかどうか、本当に判りません。
明後日から試すアバスチン+カンプトも、使ってみないと判らない、というのが実際のところのようです。
私自身も、少しこれらについて文献をあたってみたいと思います。

ドーナツ職人、れいこ。


一方で、再入院が当面はなくなったということは、非常に明るいニュースでした。
正直、今回の転移で再入院し、年末年始を病院で迎えなければいけないことを覚悟していましたので・・・目先のことではありますが、外来治療で済んだことを、本当に嬉しく思っています。

家族4人が揃って暮らせること、こんなに幸せなことはありません。
どうかこの日々が、ずっと続きますように。



○れいこの元気な日々

私たちの心配をよそに、れいこは毎日元気に過ごしています。

2日(金)からは、スイミングクラブに通い始めました。尼崎市にハンディを持つ子供たちの専門コースがあり、そこに通うことにしたのです。
もともとスポーツ好きのれいこは、とても楽しそうに泳いでいました。

親子ガメになって泳ぐ、れいこ。



4日(日)には、カラオケに行きました。
妻がワンピースルームを予約してくれていて、子どもたちには思わぬサプライズ!

ご機嫌な、子どもたち。


れいこは、テレビ番組「お試しかっ!」で見た、ここのケーキを食べたくて仕方がなかったようです。



無邪気な笑顔を見せるれいこに、私たちも救われています。



○ニンジンジュース

がんへの免疫力を高めるために、野菜中心の食事に切り替えている、わが家。
このところ、れいこに進めていたのが、ニンジンのすりおろしジュースです。

しかしれいこは、ニンジンが大嫌い!
手を変え品を変え、今まで誘っていたのですが、どうしてもこれだけは拒否されていました。
しかし今日、再入院の可能性まであったこと、お父さんも一緒に頑張ることを話してきかせて、ようやく明朝からニンジンジュースを飲んでくれることになりました。



さて、その「お父さんも一緒に頑張る」内容なのですが・・・大好きなビールをスッパリ止めて、禁酒することを提案したのです!

これは私にとって、最大の申し出でした。
何しろ、1年のうち364日はビールを飲んでいる私です。


さすがにれいこも驚いた様子でしたが、「お父さんもお酒をやめるけん、お前もガマンせい!」と言ったら、とうとう判ってくれました。
<でもちゃんと、外出時だけは例外にするように、頼んでおきました。皆さんとお会いする機会に、自分だけノンアルコールというのも、良くありませんからね!


ここまでやって、やっと飲んでもらえることになった、ニンジンジュース。その効果に、大いに期待するところです。



○お父さん日記

このところ、非常に辛い日々を過ごしています。
25日(金)に転移の可能性を示唆されて以来、心休まるときがありません。ついつい、ため息ばかりついている毎日です。

「明るく強く」病気と闘おうと決めた井上家ですが、そうは言っても、やっぱり辛い日々です。

-どうしてれいこが、10万人に一人の難病にかからなければいけないのか。
-れいこに残された時間は、どれだけなのか?
-治る見込みがないのなら、いっそ治療を止めて、思い切り好きなように過ごさせてやってもよいのか?

いろんな思いが、毎日アタマをよぎります。
いつの間にかボーっとしていたり、ため息ばかりついていたりして。


ですが、「明るく強く」を口に出し合って、頑張っていこうと思います。
れいこと毎朝交わす、頑張ろうのハグ。
「フォーメーション・ラブ!」という恥ずかしい名前になった、お父さんのおんぶ。
カラオケに行ったり、スイミングをすることで、れいこが感じる喜び。

こうしたものを大事にして、親子で闘っていきたいと思います。
絶対、病気なんかに負けせんぞ~!



<●最後に、れいこへ。>

れいこへ。

今日も病院、お疲れさん。
何度も電車乗り換えて、長い間病院で過ごして、しんどかったな。



今日は、お父さんとお母さんは、本当にホッとしとるんよ。
転移のことがハッキリしたことは辛いけど、多少は覚悟できとったけんな。
それよりも、入院がしばらくは無くなったことが、嬉しいんよ。

いつも言うけど、家族はみんな揃っていて、初めて家族なんよ。
お前のおらん家は、ホントの井上家じゃないけんな。


お父さんやお母さんは、この半年近く、心から笑ったことが一度もない。
れいこを失うかもしれんときに、笑うことなんか、できんわいなあ。

お前がどんどんニンジンジュース飲んで、はよ元気になってくれんとね。(笑)


れいこ、早く元気になって、わしらを安心させてくれ。
思いっきり、心の底から笑える日を、ずっと待っとるよ、れいこ。

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