2015-07-31

いろんな部署の「中堅」どうしで、しゃべり合ってみた。

このところ、図書館の研究会でない場にも、いろいろと出るようにしています。
図書館という場の意味、可能性を考えれば考えるほど、中にこもって「図書館の専門性」ばかり語っていてもいけないのだろうな、と思うようになってきました。




★「中堅職員Meetup Osaka」に参加


そんなワケで、7月25日(土)に大学行政管理学会 大学改革研究会による「中堅職員Meetup Osaka」に参加してきました。

これは「常に悩み多き『中堅』による『中堅』のためのしゃべり場」をうたったもので、いかにも私にピッタリ(笑)。開催主旨等は、こちらをご覧ください。

余談ながら、会場は阪南大学さんが提供くださった、あべのハルカス23階に位置するキャンパスでした。上の写真はそこから撮影したもので、素晴らしい景色と施設でした!阪南大学さん、ありがとうございました。



★考えたこと


参加者は、30代が最多だったような印象です。上の開催主旨等からすると、課長補佐クラスが一番多いような気がしましたが、意外にも。



そのためか、議論は若々しくとても活発でした。以下は、その議論を通じ考えたこと。

  • (いつも言っていることながら、)図書館員は職場にこもっていてはダメ。大学図書館員であれば大学、公共図書館員であれば自治体といった母体となる親組織(?)と交流しないと。彼らとともに感じ、学ぶことで、親組織のことを理解できるようになる。
    (ちなみにこの日も20人余りの参加者中、ライブラリアンは私一人・・・)

  • 中堅職員は、いろんな思いを溜め込んでいる。10年20年と重ねてきた思いを、もっともっと吐き出したらいい。自分がその思いを出すことが、きっと若手に影響を与える。

  • 多かれ少なかれ、ほとんどの人が組織の中で不満や閉塞感のようなものを感じている。それをどう解決するかは結局のところボス(=管理職者)の仕事だが、それを補佐する中堅職員ができることも少なくない。

  • とどのつまり、組織の問題の多くは、コミュニケーションの問題。おそらくそれは、図書館であっても同じこと。
    ゆえに、図書館組織の諸問題においてはコミュニケーション能力が求められる。「本が好きだから」で仕事をできる世界ではないはずで、一番求められる能力は、本や資料を知っていることや検索方法に通じていることなどではないのだろう。


素晴らしい場を提供くださった大学改革研究会有志のIさん、Tさん、Uさん、ご一緒くださった皆さん、ありがとうございました!
このご縁を大切にしていきたいと思いますので、これからもお付き合いくださいね〜。



●れいこと

最後にまた、れいこ&きょーこの話を。

この日曜で、きょーこは2歳になります。健やかな成長が、嬉しい限りです。


れいこが星になって、はや3年あまり。
1年の闘病中も、ずっと応援くださった皆さんへの感謝の気持ちは、忘れていません。

よくきょーこの写真を載せるのも、皆さんにれいこの妹の成長を届けたいからに他なりません。ずっとずっときょーこが健やかに成長し、その報告を届けることができればと思います。

れいこ〜、これからもずっときょーこを見守ってやってな!


2015-07-27

「図書館」という名前を捨ててみては?
(参加報告)ダイトケン京都支部「電子ジャーナルはこれからどこへ向かうのか?」

このところ、ずっと自分のミッションについて、あれこれ考えています。ミッションをつくって以来の2年間の思いを反映させ、少し手を入れようかな、と。


ミッションをつくったときにも、「ミッションは不変のものとは考えていません。そのときどき、自分の価値観に応じて軌道修正をしていくつもりです」と書きましたが、やはりそんな気になってきました。(笑)
この夏あたり、その骨子は変えないまま、より具体的なものにしてみようかな・・・?



★ダイトケン京都ワンディセミナー「電子ジャーナルはこれからどこへ向かうのか?」


さて7月18日(土)に、ダイトケン(大学図書館問題研究会)京都支部が開催したワンディセミナーに参加しました(開催主旨等)。

前日までの台風の影響で電車が大幅に乱れ、30分も遅刻しての参加となりました。
到着までに3時間もかかりましたが、講師の深田良治さん、林和弘さんというビッグネームお二人から素晴らしいお話をお聞きでき、前向きな気持ちにさせてもらいました。往復5時間あまりを費やしましたが、行った価値があったというものです。

ダイトケン京都支部さんが、ツイートのまとめを作成くださっていますので、当日の様子はそちらをご覧ください。




★考えたこと


お二人のお話をお聞きして、考えたことを(遅刻して深田さんのご講演はほとんどお聞きできませんでしたので、氏のお話にはほとんど触れられていません)。

  • 学術情報流通が再発明され、ポストグーテンベルグの過渡期に私たちがいる、という林氏の指摘。よく指摘されることでもあるが、人類史的にも大転換期と言えるこの時代に何をどう担っていくのか、私たちライブラリアンは自覚的であるべきだろう。

  • ライブラリアンが、もっともっと研究支援などにも出ていかないと、という林氏の意見に対して。
    (知財部時代の自分の経験をもとに、)図書館員だけで情報サービスや研究サポートをしようというのは難しいのではないか、むしろ知財アドバイザーやURA、ライブラリアンが役割分担をした上で連携することが重要ではないか、という質問をした。

    林氏は理解を示しつつも、「どんな分野でも10,000時間もやれば、プロになれる」、「あきらめたら、そこで終わり」といった言葉をひいて応えてくださった。やれるところまでまずは精一杯やってみたらいいじゃないか、という氏のメッセージは、もはや感動的。(笑)

    林氏の話を聞いて、プロとして前を向いて努力することは本当に大切、とごく当たり前のことを改めて実感(林氏は、実際にそういうスタンスでやってこられて、現在があるのだろう)。

  • オープンアクセスから、オープンサイエンスへ。電子ジャーナルなども含め、今も日々変わり続ける情報やその流通の形態。図書館には素晴らしい伝統と実績があるが、もはや「図書」に拘泥していては、社会と乖離するばかり。図書館は思い切って、その名を捨ててみてはどうだろう?

    新しい名が「図書館」という言葉ほどの認知度を手にすることは困難だろうが、今の社会的イメージのままでは、そこから生まれ得るものの可能性すら否定されかねない。図書館はとっくに、図書を借りるだけの場ではなくなっているのだから、真剣に議論してもいいんじゃないかな?

電子ジャーナルの話を超えて、いろいろと考えさせられた素晴らしい会でした。
講師の深田さん、林さん、貴重なお話をありがとうございました!ダイトケン京都支部の皆さん、いつもながらの素晴らしい企画・運営に、感謝しています!



●れいこと

最後にまた、れいこ&きょーこの話を。

このところ、きょーこのイヤイヤぶりが凄まじいです。(笑)
1才11ヶ月になり、いよいよ「悪魔の2歳児」への序曲(?)のようです。


とにかく、ささいなことで「イヤ、イヤ!」と泣いてぐずります。写真のように、床の上に大の字になってぐずることも、しばしばです。ギャン泣きし始めると、もう手に負えません。

ですが思えば、お兄ちゃんやれいこのときも、きっとこうだったのですよね(もうほとんど記憶の彼方)。

こちらもついイライラしてしまいそうになるのですが、こんな時期もほんの短い間です。
れいこがこうした時期を通り過ぎて、あんなに頑張り屋さんになったことを思えば、きょーこのイヤイヤも笑って受け止めてやらないといけないな、と思います。

よし、きょーこ!
今日からもっと、イヤイヤ言うてええで〜!
お父ちゃん、怒ったりせんけんのう!(たぶん)


2015-07-22

ユーザーさんに思いを届けるために

また、体にダメージが来ました。(涙)
この1年あまり、PC操作が続くと、明らかに体にダメージが来るようになりました。首が回らなくなったことなどもありましたが、今回は右手にピシッと。


キーボードを打つのがかなりしんどく、しばらくはできるだけキーボード操作を控えようと思っています(今日も短めに)。



★内野安彦先生を囲んで著書について熱く語り合う会


先日から、何度もこのブログでご案内してきました、内野安彦先生をお招きしてのイベント2連発が、無事終了しました。
前回に続いて非常に盛会となりましたので、簡単にご報告しておきましょう。

今回はタイトルどおり、あらかじめ内野先生の著書「だから図書館めぐりはやめられない」・「図書館はラビリンス」を読んでおき、それをベースに熱く図書館のことを語り合おう、という企画でした。

当日は小人数でじっくりと語り合いたかったため、20人限定での募集としました。おかげ様で満員御礼となり、しかも那智勝浦・愛知・広島・福知山といった遠方からの参加者も多く、改めて講師の魅力を感じたところです。




★討論で感じたこと


当日のやり取りの様子は、今回もツイートのまとめを作成していますので、そちらをご覧ください。
今回は参加者が口々に感想や質問を述べ、内野先生が個別にそれに応じていくスタイルが中心となりましたので、非常に要約しにくいのですが・・・内野先生のお話のうち、特に印象的だった点は、以下のとおりです。

  • (ライブラリアンに対してではなく)図書館のユーザーさん、つまり市民に思いを届けるために本を書いた。
  • 本を貸すのではなく、本を届ける。特に、市民自身が気づいていない本を。
  • 図書館員なら、もっといろいろなジャンルの本を手に取るべし。特に図書館員になりたい若い人には、分厚い本を1冊熟読するよりも、少しでも多くの本を手に取って欲しい。
  • 「奇跡を起こすのは、図書館しかないんですよ!」(広島の方とのドラマチックなエピソードをひきながら)
  • 図書館員が自分のサービスするまちに行かない、そこで過ごしていない。それで、魅力的な図書館がつくれるのか。




★感謝


内野先生とご来場くださった皆さんのおかげで、今回も非常に魅力的な時間となりました。私自身がもっとこの場を楽しみたいと思えるほどで、この盛会ぶりは主催者として嬉しい限りです。

今回、内野先生にサプライズを用意しました。
内野先生がお礼のハガキを手書きで書かれる方であることを知っていましたので、参加者全員がサインを入れたお礼のハガキを用意し、後日お送りしたのです。

先生は喜んでくださったようで、FMかしま「ドクター・ルイスの“本”のひととき」 でもわざわざ取り上げてくださいました。

私たちの感謝が伝わり、先生が喜んでくだされば何よりです。先生、2ヶ月連続での素晴らしい会を、ありがとうございました!



●れいこと

最後にまた、れいこ&きょーこの話を。

先日はなかなかの台風と大雨でしたが、皆さん大丈夫でしたか?
子どもは学校が休みになると嬉しいので、れいこはよくお兄ちゃんと「警報出ろ〜、出ろ〜」と念じて(?)いたものです。


旅行や行事はもちろん、台風までもが、大切なれいことの思い出。
れいこと過ごした日々は、ずっと私たちの宝物です。

2015-07-05

【とても恥ずかしい白状と、ささやかな決心】

今日は、図書館ネタはお休みです。
ちょっとだけれいこに関連するネタで、自分なりのささやかな決心を綴っておきます。




★とても恥ずかしい白状


実は私、血が非常に苦手です。
小学校の採血で自分の血を見て、貧血を起こしました。以来、血を見ては気分が悪くなります。自分の採血だけでなく、中学校のときには、カエルの解剖で保健室に行く羽目になったことも・・・。

以来30年も、血は私のトラウマです。毎年の健康診断でも、決して採血を見ないようにしています。

そんなワケで当然のごとく、今まで献血を避けて来た私ですが・・・。



★ささやかな決心


今日、たまたまfacebookでこんな画像を目にしました。


献血の実に8割以上が、病気の治療に使われているとのことです。
そしてその中には、れいこが闘った小児がんも含まれています(日本赤十字社のWebサイトによれば、献血の37.4%ががんの治療に使われているそうです)

さらに言えば、私はRhマイナスO型という珍しい血液型です。同サイトによれば、670人に一人しかいないのだとか。

こうなると、私も「血を見たくない!」などとは言っていられませんね。今日から機会を見つけ、献血に協力することにします!
れいこが通っていた血液腫瘍科では、大勢の子どもたちが病気と闘っていました。ほんのちょっとでも、そうした子たちの応援ができればと思います。


今までまったく献血をしてこなかった私が言うのもおかしいのですが、社会は助け合い。少しずつ、自分のできる何かをやっていければいいと思います。
私も今さらながらですが、れいこや私たちが皆さんから受けた恩を、少しずつでも社会に返していければと思います。




●れいこと

最後にまた、れいこ&きょーこの話を。
きょーこは、パズルが大好きです。とにかく毎日、パズルをしています。


保育園にお迎えに行くときに、毎日のようにパズルをしているので、わが家でも購入したところ大喜び!毎日毎日、飽きることなくパズルに熱中しています。(笑)

きょーこの笑顔は、私たちの喜び。
きょーこのこれからの人生が、れいこの分まで笑顔でいっぱいでありますように!


2015-07-04

まちに貢献したいなら、まずはまちを歩こう!

先日から何度もご案内していました、かの内野安彦先生をお招きしてのイベント2連発
第1回目を予定どおり開催しましたところ、大盛況となりましたので、ご報告します。





★講演会「いまあらためて、図書館の地域貢献って何だろう」


開催主旨等については、案内ページをご覧ください。

講師の内野先生のご見識や豊富な話題もあって、この会は笑い声や質問が途切れない素晴らしい盛況ぶりとなりました!
当日ご参加くださった30名以上の方々には、内野先生のお話やフロアとのやり取りを、大いに楽しみ学んで頂けたのではないでしょうか。


当日の詳しい様子は、ツイートのまとめを作成しましたので、そちらでご覧ください。



★印象的だったこと


内野先生のお話は本当に魅力たっぷり、そしてハッとさせられるものでした。以下、お話のうち、特に印象的だったポイントです。

  • 大学がどれだけ地域貢献をしたとか言う前に、まずそのまちを歩いたのか?どれだけ地元の店で飲食をし、地域の人たちと話をしているのか?

  • ほとんどの自治体に、中心市街地活性化計画のような基本計画がある。そこにまちの課題は、全部出ているはず。そこに図書館が、どういう資料を添えて応えていくのか。なぜ自治体のやっていることを見ないのか?

  • 図書館の基本計画類の中に、まちの計画が出て来ない。図書館は、まちの課題を解決するはずなのに、何故なのか。図書館は、まちの基本計画も読んでいないのではないか?

  • 図書館の基本計画には、「○○サービスをします」という各論は書いてあるが、「○○のために○○をします」とは書いていない。自治体の上位計画とどこで結びついているのか、どういう施策と結びついているのか、考えているのか?



★考えたこと


内野先生のお話で痛感したことは、とにもかくにも大学界が自分のまちを知らない、という点でした(恥ずかしながら、私自身も含めて)。
大学が自分たちのまちのことを知らず、その基本計画類も読まず、教職員がそのまちで職場以外の時間を過ごさず・・・それで「地域貢献をどうするか?」などと議論しても仕方ないと思い知らされました。

(まちを知ることの重要性については、私も登壇したこのイベントアカデミック・リソース・ガイド社の岡本真氏が強く訴えていたことでもあります)

こうしたご指摘は、公共図書館に向けて口にされることが多いのだと思いますが、大学図書館こそ傾聴すべき話です。
多くの大学図書館では、市民が一定条件下で図書館を利用できる制度(*)を設け、それをもって市民ニーズに応えていることにしてしまっているのが現状でしょう。

(*)しかも往々にして有料だったり、年に1〜2回しか登録のチャンスがなかったり、繁忙期に利用制限が課されたりします。



しかも、肝心の大学図書館員自身が、そのことに自覚的でありません。
一般論として、「大学(図書館)の地域貢献が大事」とは口にしているものの、地域の中で大学図書館が果たすべき役割を深く考えず、結果的に単なる貸出サービスに矮小化しているように思えます。

地元の皆さんに本を貸し出すことだけが、大学図書館の地域貢献なのでしょうか?
まちの基本計画に挙げられるような地域の様々な課題に対し、公共図書館や大学図書館が連携して、市民自身が考えていくための支援をしていくべきなのではないでしょうか。

これから自分の通うまちのことを知り、自分たちに何ができるかを考えていきたいと思います。
大学図書館員の皆さん、単なる貸出サービスを超えて、自分たちがまちに何を提供していけるか、一緒に考えていきませんか?


私自身も、先日の記事「地元の図書館に、世間話をしに行ってみた」で書いたようにいろいろと考えていることがあるのですが、今回のお話でいろいろと考えを深めることができました。

貴重なご指摘をくださった内野先生、そしてご参加くださった皆さん、ありがとうございました!
また、広報等にご協力くださった皆さん、そしてこうした場を一緒につくってくれたダイトケン兵庫支部とサポーターの皆さん、ありがとうございました!



★まもなく、内野先生イベント第2弾!


さて、こちらも先日からご案内していますとおり、内野安彦先生をお招きしてのイベント第2弾がまもなく開催されます。

次回は、7月12日(日)に開催されます「内野安彦先生を囲んで著書について熱く語り合う会」です。
こちらは先生の著書2冊をベースにしつつ、より自由に先生と語り合い、図書館のあるべき姿を模索していく場です。あらゆる館種・身分の方にとって有意義な時間になると思いますので、ぜひご参加ください!
初めての方でも寂しい思いはさせませんので、お一人でもどうぞお気軽に〜。

なお、本イベントは大変好評で、現時点であと3枠しか空きがありません。参加をお考えの方、今すぐ専用サイトからお申し込みください!



●れいこと

最後にまた、れいこ&きょーこの話を。

ようやく、6月が終わりましたね。私たちにとって6月は、れいことお別れをした悲しい月です。
3年前、れいことお別れをした日に降り始めた雨は、そのまま梅雨入りの雨となりました。当時毎日降り続いた雨は、私たちの気持ちそのもので、私たちは今も雨と6月には辛い思いしかありません。


その悲しい6月も、明るく元気に育つきょーこのおかげで、何とか乗り切ることができました。
きょーこの成長が、私たちの励みであり、生きていく支えです(お兄ちゃんはもう自立した年齢なので、もう対象外です(笑))。

ありがとう、きょーこ。れいこ姉ちゃんの分まで、元気に育ってな〜!