2014-07-30

ダイトケン全国大会&利用者支援分科会へのお誘い

今日は、私が携わっている研究会と、そこで自分たちが担当開催する分科会のお誘いです(私もちょっとだけ登壇します)。要するに、みんな来てね、ということで。(笑)




★ダイトケン全国大会


8月23日(土)〜25日(月)にかけて、ダイトケン全国大会が山形で開催されます。皆さま、ぜひご参加ください!大会については、大会公式サイトで詳しくご覧になれます。
(ちなみに、「ダイトケン」というのは「大学図書館問題研究会」の略称で、私はその兵庫支部長と全国委員をしています)

ダイトケンの会員・非会員問わず参加歓迎です。3日間に渡って開催されますが、部分参加も可能です。また、大学図書館員以外の方々にとっても有益な場ですので、他館種の方のご参加も大歓迎です!ぜひ気軽にお申し込みください。
当日参加も可能ですが、資料を用意できない場合がありますので、専用サイトからの事前申し込みを強くオススメします(8月13日まで)。

なお、大会の公式ハッシュタグは「#dtk45」です。ぜひ、積極的なツイートもお願いします!


★「利用者支援」分科会


そして、私が支部長を務める兵庫支部が石川支部と一緒に担当開催しますのが、第3分科会「利用者支援」です。開催主旨等は、大会公式サイトにアップしていますので、そちらをご覧ください。

この分科会の主なポイントは、以下のとおりです。
  • 利用者支援の有効な方法の一つとして、ガイダンスに着目し、この日のテーマとします。
  • 分科会は講義スタイルではなく、参加者が主体的に学び合うワークショップ形式とします。答えをもらうのではなく、自ら学び、感じ、考える場を提供します。
    ゆえに、自分から討論・意見交換に参加したいという気持ちのある方を、特に歓迎します。
  • (裏ミッションとして、)討論を通じて仲間づくりを促進したいと考えています。大会後も気軽に情報交換していける仲間と出会える場にしたいと思います(名刺交換等、参加者同士が自由に話せる時間を確保します)。

私も冒頭で、「話題提供」として少しだけお話をします・・・が、講師というほどメインになるつもりはありません。私が主役ではなく、参加者お一人お一人が主役です。ぜひ、一歩前に出た自分を想像し、ご参加ください。

特に、東北をはじめ東日本の皆さま!
「東北では勉強会が少なくって・・・」などという声をお聞きすることがあります。現場のスタッフばかりのダイトケンは、本当に素晴らしい学びと交流の場です。この機を逃さず、ぜひ全国からライブラリアンが集うこの場に飛び込んでください!
この全国大会が、そしてこの「利用者支援」分科会が、皆さんの学びと交流にとって有意義な場になることを願っています。

なお、この分科会のハッシュタグは「#dtk45_03」ですので、ぜひこのタグを付けてツイートください。



●れいこと

最後にまた、れいこ&きょーこの話を。

いよいよ、きょーこの誕生日が迫ってきました。「れいこの妹、誕生!」という記事を書いてから、はや1年が経とうとしているとは、信じられません。(笑)


私たちが、このきょーこのバースデーをどれほど喜んでいることか、きっとわが家を応援してくださっている皆さんですら、お分かりにならないでしょうね。
れいこの分まで、ただ健やかに育って欲しいーその私たちの願いが、まだ1年だけとは言え叶うのですから。

れいこ〜、一緒にきょーこのバースデーパーティーしちゃろうね!



(受講報告)
大学図書館職員長期研修@つくば(第9日)

すっかり遅くなってしまいましたが、連載していた大学図書館職員長期研修@つくばのレポート、第9日目です。


過去のレポートも、併せてご覧ください(予告初日2〜3日目4日目5日目週末編6日目7日目8日目)。


★学術情報コミュニケーションの動向(東北学院大学文学部 佐藤義則氏)


この演題・・・どんな話になるのだろうと思っていましたが、直接的な「学術コミュニケーション」のみならず、学術情報の動向に関して、広範にお聞かせくださいました。

一番印象に残ったのは、研究データに関するお話です。
公的資金を受けた研究成果の還元だけでなく、再現・検証性の側面、マッシュアップや大量データのマイニングなどの新たな研究への展開から、研究データを公開しようという動きが進んでいるそうです。

ヒトゲノム計画のように国際的なデータ共有プロジェクト、米国大学図書館での取り組み、OAでのデータジャーナルでの創刊といった事例の紹介がありました。
世界レベルでは、研究データの保存・管理・提供が進み、そこへ図書館が積極的に関与していこうという流れになりつつあるようでした。

翻って自分の国内の状況を見れば、まだ大学図書館でそうしたデータ管理・提供に関する議論は進んでいないように思います。今すぐ自館単独でできるものでもないでしょうし、まずはこうした動きに対してアンテナを張っておく、といったところになりそうです。

この件は、大学図書館に求められる機能が変わりつつあるという文脈において捉え、今後の課題としてはっきり認識しておくべきでしょう。


★消費者目線にたった顧客戦略(セブン-イレブン・ジャパン 高橋恭介氏)


セブンイレブンのゾーンマネジャである講師から、同社がいかに顧客のニーズを汲み取り、それに対応しているか、というお話を頂きました。

注目すべきは、綿密なデータ分析とそれにもとづくニーズ予測です。
例えば、高齢化率・女性の就業率の上昇をもとに、食卓に載せる食材を充実させているそうです。家事に割く時間が減少していることから、コメや麺ではなく、そのまま食べられるパンの充実を重点戦略としたりするそうです。

また、ネット市場の拡大にも、注目しているそうです。ネット市場はコンビニ市場をすでに上回っており、リアルとネットを融合させたオムニチャネルを重視しているとのことでした。
例えば、オンラインで本を注文後、セブンイレブンで受け取ることを契機に、顧客をリピーター化することを狙っているそうです。オンラインでの顧客をリアルな顧客に繋げることを、明確に戦略化されています。

質疑応答の際に、講師が図書館長であったらまず何をするか、という質問をしてみました。
すると、ユーザーの導線を調べ、導線上に関心を持ってもらえるものを配置する、とのことでした。セブンイレブンでは顧客の導線を非常に重要と捉えているそうで、図書館であってもその点は変わらないのではないか、とのことでした。

図書館とは違う世界で考えられていることは、非常に魅力的なヒントであると思いました。大学図書館では、大手企業のようなデータ分析は難しいですが、学べることは多々あると思いました。




★班別討議(発表)


2〜3日目の問題発見・解決演習で実習した手法を使い、大学図書館経営に関する実際的な課題を発見し、その解決案を作成しようというものです。
この討論・発表準備には、7~8日目の午後がまるごと充てられました。そして、この9日目の午後、全グループによる発表・意見交換が行われました。

私たちのグループでは、仮想の大学において図書館一般職有志による図書館上層部(館長・部長)への提案、といった仮定で討論を進めました。提案の骨子は、以下のとおりです。

  • 大学のミッションを実現するために、(図書館単独ではなく)大学全体としてアクティブ・ラーニングに取り組む必要がある
  • 大学図書館としては、ラーニング・コモンズの新設をもってそれに貢献する。大学全体でいろいろな取り組みをするうちの中核をなす企画とする

議論に際して注意したのは、この提案が図書館単独事業とならないように留意した点です。この長期研修で何人もの講師から言われた、図書館の活動は大学のミッションや目指すベクトルに即したものであることを、多分に意識しました。

その上で、先日の演習で学んだKJ法で検討事項を洗い出しながら、論点を整理していきました。舞台となる仮想大学について、大学のミッション・大学の現状・場所・学部構成・構成員人数など、細かい設定を行いました。

さらに、この提案の段階でどこまで考えるのか、今後どのように大学と交渉をするのか、大学図書館内でラーコモに関する検討を深めるとき誰がどのような立ち位置で行うのか、ラーコモによりどのような効果が期待できるのか。そうしたことを、一つずつ考えていきました。

2日間の午後を丸ごと使っての討論でしたから、それなりにいろいろと掘り下げることができました。6人でグループを組んだことで、違う視点からの発言を聞くことができ、その点も勉強になりました。

余談ながら。随所で国立大学さんと私学とは、違う文化なのだと感じることが多々ありました。どちらがいい悪いではありませんし、これが決定的に違う、とピンポイントで指定することもできませんが・・・やっぱり違いますね!(笑)

そしてこの日の午後、私たちを含め各グループが発表し、お互いに質疑応答・意見交換をしました。私たちの発表は至らないものでしたが、いろいろと勉強することができました。


★サプライズ閉講式


そして、思いがけない出来事が!
このとき近づいて来ていた大型台風の影響で、この長期研修は1日を残し、急遽終了することになってしまったのです!

本来であれば、最終日(10日目)に筑波大学附属図書館を見学などがあり、その後閉講式となる予定でした。ですがこの台風に伴う措置により、この日(9日目)の夕方に急遽閉講式を行いました。

とても充実した研修だけに、1日早く終わるのはとても残念だったのですが・・・天候には勝てません。泣く泣く閉講式を行い、修了証を頂きました。




予告も併せて10回も続けてきたこの長期研修レポート、次回はいよいよ最終回、総括編です。全体を通じて感じたこと、思ったこと、皆さんへの感謝の気持ちなどを記したいと思います。


2014-07-22

自分のミッションについて考えるワークショップをやってみた。

連載中(?)のつくば長期研修を、今日もひとまず置いておいて、自分イベントのご報告です。


7月20日(日)に、予定どおりワークショップ「気づこう、自分のアピールポイント。つくろう、マイ・ミッション。」を開催しました。
このワークショップは、前回ご案内しましたように、ダイトケン兵庫支部7月例会として開催したものです。


★ワークショップの進め方・ねらい


参加の大半が友人同士であるダイトケン兵庫支部例会であることを踏まえ、ワークショップはその親密さを活かそうと考えました。
冒頭少しだけ私が自分のミッションとその行動指針についてお話するものの、後は参加者同士で話し合いながら、自分自身についてで考えてもらうことにしました。

私の場合、自分のミッションについて考え始めてから、それをつくり上げるまでに数年かかりました。
この日参加する皆さんも、急に2時間で自分のミッションをつくれるとは思えません。そこでこの日のゴールは、自分でミッションをつくるためのトレーニング+材料探し、と位置づけました。


私の話の後、参加者の皆さんに「ミッションって何だろう?」、「ミッションが成功したときのイメージは?」などという質問を投げかけ、何人かで話し合ってもらいました。

その後、さらに別の私の問いかけに対して、各自で思い付く限りの答えを付箋に書き出すワークを行いました。

私の問いかけのいくつかを紹介すると、
  • あなたは誰ですか?
  • あなたが今までに褒められたことはどんなこと?
  • あなたが今までにしたレアな仕事は?
  • あなたが好きな図書館の仕事は?
  • あなたが、館長だったら?JLA理事長だったら?もし、世界の王様になったら?
・・・といったようなことです。


こうした質問に繰り返し答えていると、そこにはその人が持つ価値観のようなものが、不思議と滲み出てきます。その書き出した付箋をみんなで見せ合って、他人の答えで面白いと思えたところに印を入れてもらいました。

その後で、書いた本人に印が付けられた付箋を見てもらいました。他人がどんなところを面白いと思ったのか、そこから何か読み取れないか、考えてもらうのです。そこから読み取れるものがあれば、それこそが自分のミッションにつながるのではないか、と考えたからです。


★やってみると・・・


今回は時間も限られていましたし、どれほど自分のミッションに近づくことができるか、多少不安もありました。
しかし結果を見てみると、予想以上に参加者のヒントになったようでした。


ある方は、自分と利用者の関係について、他の方からの印が多く付けられていることに気づきました。この方は、利用者を笑顔にすること、喜んでもらうことを自分がとても大切にしている、と改めて感じたそうです。「意外にも?自分のミッションが見えてきた」と言ってくださいました。

またある方は、利用者に最終的な答えを出せないときでも、代替資料を紹介するなり今後こういった対応をすると伝えるなり、何か少しでも役に立ちたいという思いを強くお持ちでした。
そんな彼女の思いについて、私たちが意見を交わす中で生まれたキーワードは、「利用者を手ぶらで帰さないオンナ」でした。ミッションそのものにしていいほど、端的でインパクトがあるキャッチが生まれたと思います。

参加された全員が、何らかのヒントを得られたかどうか、判りません。
ですが、具体的にお話を伺ったこのお二人は、自分自身の思いをかなり明確にできたように思えました。


このワークショップは、答えを差し上げられるものではありません。
質問への回答や友人との会話を経て、参加者自身がもやっとした自分の思いに気づき、それを自分でイメージ化・言語化していくしかありません。このワークショップが、少しでも自分の魅力や素晴らしいところ、そして情熱に気づくきっかけになれば、これに勝る喜びはありません。

ご参加くださった皆さん、至らない講師でしたが、ほんの少しでも皆さんのヒントになれば幸いです。ありがとうございました!


★支部大会も


この日は、このワークショップに先立ち、年に1度の支部大会も開催しました。自分が至らずでいろいろと不手際もありましたが、新執行部も承認され、また新しい兵庫支部としてスタートを切ることができました。

大会にご参加くださった皆さん、そしてこの日のために頑張ってくれた新旧役員の皆さん、ありがとうございました。特に新旧事務局長には、本当に感謝しています。
皆さん、またこれから、新しい兵庫支部で頑張っていきましょう!

ところでこう見えて私、支部大会が終わると毎年ホッとしてドッと疲れるんですよね。は〜、お疲れさん、わし!



●れいこと

最後にまた、れいこ&きょーこの話を。

きょーこは、まもなく1歳になります。
・・・が、未だに夜中に目を覚まし、お母さんに甘えておっぱいを飲まないと眠れない毎日です。

私が異動で毎日は保育園のお迎えなどをできなくなったこともあって、このところ妻もだいぶ疲労がたまっていました。おっぱいさえ要らなければ、私でも面倒を見られますし、きょーこの夜泣きも減りそうです(たぶん)。

そこで思い切って、今回卒乳にチャレンジしてみました!
(わが家は、あまりミルクに頼りたくないと考えていますので)


・・・が!
意外なことに、やってみるとおっぱいがなくても済んでいます。今日で3日目、もう卒乳できそうな気がしてきました。
ご飯をモリモリ食べることもあって、最近は夕方と夜しか飲まなくなっていましたから、そういうタイミングだったのかもしれません。

初日の夜は大変でしたが、だんだんと夜起きたときも簡単に寝付くようになってきました。哺乳瓶でお水をあげると、ちょっと飲んで割とスムーズに眠れるようになりました。
親の都合で卒乳させるのはちょっと可哀想な気もしていたのですが、予想よりはずいぶんとスムーズで驚いています。

れいこが星になって以来、妻は心身ともにずいぶんと弱くなっています。卒乳で、妻の負担を減らすことができればいいのですが、どうなることやら。余力が出れば、その分までたっぷりと両親揃って愛情を注いでやりたいと思っています!

れいこ〜!お母さんときょーこを応援してやな!


2014-07-20

どれだけ電子書籍に向き合うか、という覚悟

先日から報告しています、つくばでの大学図書館職員長期研修レポート(予告初日2〜3日目4日目5日目週末編6日目7日目8日目)。

まだそのレポート連載中ではありますが、今日はダイトケン大阪支部例会「電子学術書利用実験について(報告)」に参加させてもらったので、その報告をしておきましょう。



★会の主旨・内容


この例会の案内は、ダイトケン大阪支部ブログに掲載されていますので、そちらをご覧ください。
慶應義塾大学の呼びかけで行われていた「電子学術書利用実験プロジェクト」参加機関である、立命館大学の安東さん、神戸大学の前川さんからレポートがありました。・・・が、どこまでネットに書いていいものか聞くのを失念してしまいました・・・ということで、お話の内容については省略します(スミマセン)。


★印象的だったこと


この日、最も印象的だったお話は、前川さんがおっしゃったことです。
それは、電子書籍のビジネスモデルが確立してきた場合、大学図書館はどれだけそれに向き合うための、言わばその覚悟を持っているのか、という問いかけでした。

お二人の話や参加者の意見などを聞いた範囲では、このプロジェクトにおいて多くの参加出版者さんは、真剣にビジネスモデルを模索されていたそうです。かたや大学図書館サイドは、悪く言えば様子を見ようとするような雰囲気もあったのかもしれません。

図書館はどこまで真剣に電子書籍のビジネスモデル化に真剣に向き合えていたのか・・・無料の「実験」ゆえにもしかすると、温度差があったのかもしれません。
(このプロジェクトの主体である慶應さんは、やはり強い情熱を持っていたように伺いました)

出版者からそれなりのオファーがあったとき、自分たちの図書館予算のどれだけを電子書籍に割き、どのように蔵書やサービスを構築し、自身の将来をどう描いていくのか。それをしっかりと考えている図書館が、どれほどあるでしょうか。
(もちろん、今回のプロジェクト参加館に限らず、です)

この前川さんの問いかけは、私たちがどれだけ自分たちの図書館が目指す姿や本質を考えているか、という投げかけだったのかもしれません。ある意味、非常に根源的な問いかけだったと思いました。

講師の安東さん、前川さん、そして貴重な学びの機会を与えてくださった大阪支部の皆さん、ありがとうございました!


【念のため、補足】
上記の話は、今回お二人や参加者の声を聞きながら、私が持った印象です。参加館がそうした「覚悟」を持っていなかったという批判ではありませんし、ましてお二人がそうした批判めいたことをおっしゃっていたのではありません。
私たちはどれだけ自分たちのありたい姿を考えているだろうか、という自戒の念を込めた私の感想ですので、くれぐれも誤解なさいませんよう。

誤解を与えかねないデリケートな面もあると思いましたので、あらかじめお断りしておきます。



★余談


この日知り合えた方のうち、お一人は私のことをご存じでした。
Twitterでご覧くださっていたそうで、会場で私を見て、「もしかすると空手家さんでは」と思われていたようです(あの小さな道着の写真で、よくお分かりになったと感心!)。ご挨拶もして、いろいろと話もはずみ、帰りも途中までご一緒しました。

で、言いたいのは、ここからです。
晩家に帰ってメールを開くと、さっそくこの方からお礼メールが入っていました。こうなると、こちらの印象はすごくアップしますよね!

皆さんに、特に若手におススメしたいのは、これです!
お会いしたらすぐ、お礼のメールを入れること。これだけで、相手の印象はとても違います。自分のことを仲間だと思ってもらえるか、一度会っただけの人として数ヶ月もしたら思い出せなくなるか、これで左右されます。

かく言う私も、名刺交換した人全員に、翌日までにお礼メールを送っています(図書館総合展やつくばの長期研修など、大勢と一度にお会いするとだいぶ遅くなりますが、それでも必ず送ります)。
私がもし比較的友人が多いとしたら、きっとお礼メールもその理由ではないかと思っています。

ともあれ、今日はこの友人の心遣いが印象に残りました。こういうの、嬉しいですよね!
私が自身のミッションとその行動指針に掲げ目指している、ライブラリアン同士のつながりは、こういうところから始まるのかもしれませんね!



●れいこと

最後にまた、れいこ&きょーこの話を。
この日の会場は、西九条の某所。西九条は、若い頃草野球をしに毎月通っていた場所です。よく、お兄ちゃんやれいこも連れて行ったものです。

いつも野球に行くとき、今日の会場の前を通っていました。この日の会場前に小さな公園があり、れいこを遊ばせたりしたものです。



こうしたれいこの思い出が残る場所は、やはり辛いものがあります。

今日は全くそれに気づかず、公園を前にした瞬間に、そこがれいこと過ごした場所であるを思い出しました。思いがけずれいこの思い出に触れると、どうしても気持ちのコントロールができないことがあります。

今もなお、れいこのことを思い出し、胸を痛める毎日です。


2014-07-17

(受講報告)
大学図書館職員長期研修@つくば(第8日)

先日よりレポートしています、大学図書館職員長期研修@つくば。
今回は8日目、7月9日(水)のレポートです。


なお、これまでの受講レポートは、こちらからご覧ください(予告初日2〜3日目4日目5日目週末編6日目7日目)。



★利用者の情報行動(筑波大学教授 逸村裕氏)


授業開始前に、先生から受講生にアンケートがありました。
自分の大学の学生数、授業出席率、閲覧座席数、一人当たりの年間貸出冊数、大学の自慢できるところ、図書館に協力的な教員が何人いるか、といった設問に何も見ずに答える、というものです。

予想できると思いますが、受講生の大半が、これらの質問の多くに答えることができませんでした。いかに自分が自館の、そして自分のいる大学のことを把握できていないのか、ということを理解させられました。
(この進め方は、実に逸村先生らしい、しかも有効な方法だと思いました。いきなりガツンとやってから始まるパターンですね)

お話はかなり多岐に渡りましたので、特に印象的な数点だけ紹介します。
  • 「教育進行基本計画」のような政策文書的なものは、読んでおくこと。こういうものを利用しないと。これらを根拠にすれば、大学執行部も基本的にYesと言うしかない。
  • 利用者には「図書館不安」(Library Anxiety)がある。図書館は大きくどこに何があるか分からない、使い方が複雑、声をかけにくい・・・一度ダメだと思うと、次はもう使わない、ということを理解するべき。
  • PCメールも満足に書けない学生が多い。ある調査では、毎日PCを使う学生は4%。レジュメ・教科書・ノートだけで勉強できる、という学生も一定数いる。こうした層にどう向き合うのか。
  • 図書館は何ができるのか?何をしなければいけないのか?それは、世界中のライブラリアンの共通認識であろう。一緒に考えていこう。
  • 取り組みは3勝7敗でいい、少しずつやれることを。図書館ユーザーが1,000人いたら、いきなり1,000人をどうこうしようとせず、まず100人のファンをつくろう。
最後の2つは、図書館情報学の研究者からのアドバイスと言うよりも、元・ライブラリアンの先輩からのメッセージだったのかもしれません。

質疑応答では、2つの点について伺いました。
Q1. 学生ニーズを汲み取るというお話があったが、職員は教員ほど学生と接する機会がない。何かアドバイスを。
A. ビブリオバトルでもポスターセッションでも企画し、接点をつくればいい。教員にも働きかけ、話をするべき。

Q2. (個性派書店B&Bでは、ビールを飲みながら本を選べることを引き合いに)利用者自身気づいていないニーズを汲み取るには?
A. 話やすい学生と、とことん話してみることだ。サポートし、信頼を得ながら話を重ねれば、いろいろと分かるはず。

逸村先生、貴重なお話をありがとうございました!アドバイスを含めて、いろいろと示唆に満ちたお話でした。


★国立情報学研究所の戦略(国立情報学研究所 学術基盤推進部次長 尾城孝一氏)


コンテンツ事業を中心に、国立情報学研究所(以下、「NII」)のやっていること、考えていることについて、説明がありました。講師は知る人ぞ知る尾城さんですので、背景的な部分や歴史的なものもよくお分かりで、興味深いお話を伺うことができました。

NIIは1976年に発足した東京大学図書館学研究センターを母体とし、現在のミッションは「研究と事業とを車の両輪として、情報学による未来価値を創成」することだそうです(まずこれを認識しておくと、理解がしやすいかも)。

以下、お話の中で印象的だった部分です。
  • NIIはCiNii Articles, CiNii Books, JAIRO, KAKENなど様々な学術コンテンツを提供しているが、学術コンテンツ課は10人あまりしかいない。大学図書館の協力が不可欠ということ。
  • CiNiiの新しい機能(?)を今年度から開発中。とある分野のポータル的なものを目指す。(コレ書いていいのかどうか分からないので曖昧に・・・オフレコ指定はなかったが?)
  • ある調査では、大学としてのオープンアクセスポリシーを持っていると回答した機関はなかった。OA誌を含む学術リソースの確保と研究発信をどう位置づけるのかが、大学の大きな課題である。
  • NIIがいろいろなサービスを提供することが、大学図書館の思考停止につながっていないか?商用DBならいいが大学共同利用機関である以上、平等な立場でお互いのリソースを持ち寄り、連携・協力が必要。
  • NIIは、大学図書館員の活動の場(プラットフォーム)も提供したい。情報と課題の共有、共同事業、人材育成のインキュベータ。

いつものごとく、質問もしてきました。

Q. 科学技術基本計画など政策文書を踏まえてNIIは意思決定していると思うが、詳しく聞きたい。
A. おっしゃる通り、政策文書に沿って戦略を決定している。だがそれらはネットの整備等、ハードがメイン。コンテンツの話などは出にくく、政策へ届くよう、図書館で声をあげて欲しい。妥当な予算も得て、図書館とともに新しいサービスをつくりたい。

NIIと大学図書館が対等のパートナーであり一緒に未来をつくる仲間である、という話は、正直あまり考えていませんでした(違う考えを持っていたのではないですが、考えてなかった、というのが実情です)。今日のお話を受けて、NIIとはパートナーシップを持って一緒に頑張っていきたいと思いました。
尾城さん、貴重なお話をありがとうございました!


★班別討議(2日目)


前回も書きましたが、2〜3日目の問題発見・解決演習で実習した手法を使い、大学図書館経営に関する実際的な課題を発見し、その解決案を作成するものです。
指定のグループに分かれ、2日間の午後をまるまる使って検討しました。これについては9日目に発表の場がありましたので、そのときにレポートしたいと思います。



2014-07-16

(受講報告)
大学図書館職員長期研修@つくば(第7日)

今まで何度かに渡ってレポートしてきました、大学図書館職員長期研修@つくば。
ようやく、先週末で無事に終了しました。最後は想定外のこともあったのですが、それはまたご報告します。(笑)


今回は7日目である、7月8日(火)のレポートです。
なお、これまでの受講レポートは、こちらからご覧ください(予告初日2〜3日目4日目5日目週末編6日目)。


★大学図書館職員の新たな役割
(千葉大学附属図書館長及/アカデミック・リンク・センター長 竹内比呂也氏)



お話は、大学図書館をとりまく環境がいかに厳しくなっているか、という点からスタートしました。その上で、大きく以下の3点を「背景」としたお話を頂きました。

先生によれば、「ほとんどが背景というとんでもない」お話だそうです(笑)。
結論的には、「大学図書館員が持つべき『コアとなる知識・スキル』の再定義が必要」、「大学のミッションを実現するために、図書館は何ができるかを考える」べきである、とのことでした。

これは全くおっしゃる通りです。
特に、最後のフレーズには強く共感しました。大学図書館のミッションやあらゆる業務は、大学のミッションを果たすためだけにあると言っても過言ではないでしょう。
大学図書館はえてして学内で孤立しがち、単独行動しがちな面があります。大学がミッションに掲げた人材を育成するために、そうした人材の力で社会に貢献するために、私たちの仕事はあることを忘れてはいけません。

竹内先生のお話はいつもながら親しみやすく、ほどよく(?)毒があり、そして刺激的なものでした。先生、ありがとうございました!


★大学図書館の学習支援(同志社大学 学習支援・教育開発センター事務長 井上真琴氏)


同志社大学ラーニングコモンズの立役者として知られる井上真琴氏から、学習支援・学習環境整備について、お話を頂きました。
まとめとして掲げられたのは、以下の3点です。
  1. 高等教育改革の文脈の中で、大学図書館の学習支援・学習環境を捉える。
  2. 「人はどう学ぶのか」=学習理論に立脚した学習支援プログラムを企画・立案する。
  3. 情報源サービスから「情報源を使った学びの体験」サービスへの転換を理解する。

井上さんが度々言われていることではありますが、上の1.は常々私が思っていることでもあり、非常に強く共感しました。
大学が自身の教育をどう変えていくのか、どういった人材を社会に輩出するのかを考え、そのデザインの中に図書館のサービスが位置づけられるべきです。大学が教育をこうしていこうと考えているのに、大学図書館が単独でそれと一致しないベクトルを設定することは、あり得ませんよね。

こうした話は、会社に置き換えれば、イメージしやすいかもしれません。
例えば自動車メーカーが、「安全性に拘ったクルマだけを展開していこう」と路線を定めているのに、設計部門が「燃費に拘ったエコカーをつくろう」と提案しても、噛み合いませんよね。組織として安全性を追求する戦略を決めた以上は、設計部門はそれを無視することはできません。燃費が大事、と設計部門がいくら考えたとしても、です。

組織として当然のことですが、こと大学図書館は自分たちの世界だけを見がちで、こうしたことを失念しやすいのではないかと危惧します。
このお話は、先の竹内先生のお話に通じるものです。この日のお二人のお話で、ハッとさせられた人も多いのではないでしょうか。

井上さんは、「一朝一夕ではできない。5年10年かけて、やりましょう」ともお話されていました。この日頂いたヒントをもとに、大学と連携しつつ、じっくりと図書館での学習支援を考えていきたいと思います。井上さん、ありがとうございました!


★班別討議(初日)


2〜3日目の問題発見・解決演習で実習した手法を使い、大学図書館経営に関する実際的な課題を発見し、その解決案を作成するものです。
指定のグループに分かれ、この日と翌日、2日間の午後をまるまる使って検討しました。これについては、9日目に発表がありましたので、そのときにレポートしたいと思います。


だいぶ遅いレポートになりましたが、これにて7日目の報告を終わります。


2014-07-13

イベントやります!「気づこう、自分のアピールポイント。つくろう、マイ・ミッション。」

ようやく、つくばでの長期研修が終わり、2週間ぶりに自宅に戻りました。そのレポートが終わってないのですが、今日は自分のやるイベントの宣伝です。
ライブラリアンであれば、どなたでも歓迎ですので、ぜひ!




★イベントのご案内


●「気づこう、自分のアピールポイント。つくろう、マイ・ミッション。」
(ダイトケン兵庫支部7月例会)

【主催】ダイトケン兵庫支部
【開催主旨】
「自分には、図書館員としての特技がないなあ」
「人にアピールできるところなんて、ないんだよね」
「何となく仕事をしてて、目標みたいなものを持ってないかも」

・・・こんな風に思っている図書館員は、多いのではないでしょうか?
ですが、悩んでいるのは、あなただけではありません。図書館で働く人であれば、多かれ少なかれ経験や思いを持っているはずです。それを整理し、自分のアピールポイントを考えてみませんか?

このイベントでは、
  1. 自分のアピールポイントを知る・気づく。
  2. それをもとに、自分がこうありたい姿を思い描く。
  3. それを、自分自身のミッションとしてまとめてみる。
・・・ということを、みんなで一緒に考えてみたいと思います。

ミッションが定まれば、それが自分の活動のベクトルとなり、自分自身がさらに魅力的になります。
図書館員の魅力は、そのまま図書館の魅力につながります。あなたをより輝かせるために、あなたの図書館をより良くするために、一緒に自分のアピールポイントやミッションを考えてみませんか?

【日時】2014年7月20日(日)15:00-17:00(受付開始時間14:45)
【場所】六甲道勤労市民センター 会議室C
【講師】井上 昌彦@空手家図書館員

【参加資格】ライブラリアンであればどなたでも歓迎(ただし、兵庫支部会員でない方は、先着10名程度)。
【持ち物】筆記具
【参加費】無料
【懇親会】終了後、とりのすけ 六甲道店にて。食べ飲み放題、参加費3,100円。

【お申し込み】
7月18日(金)までに、daitoken.hyogo@gmail.com宛にメールにて。お名前と(支障のない範囲で)ご所属の他、イベントと懇親会それぞれの出欠をお知らせください。


今回は兵庫支部らしく、県下での開催です。(笑)
会場は、JR六甲道駅とは隣接、阪急六甲駅・阪神新在家駅から徒歩6〜8分とアクセス良好です。兵庫方面の皆さま、ぜひ!

私的には、非常勤・派遣・委託のスタッフなど、いわゆる専任職員でない方に参加してもらいたいと思っています。立場として不安定な方こそ、自分を見据え、差別化やアピールをしたり、自分自身の成長戦略が必要だと思います。
なお、参加は「ライブラリアン」としていますが、厳密に図書館員に限りません。図書館に関する仕事をしている人、くらいにご理解ください。誰でもOKにすると、ちょっとイベントとしてやりにくくなりますので。

この日は2時間だけですし、やれることは、ほんの少しです。
ですが、皆さんがご自身のことを考えるきっかけになればと思っての企画ですので、ぜひ気軽にお越しください!

なお、ダイトケン兵庫支部員の皆さんは、この例会に先立って支部大会が行われます。13:15から同じ場所での開催ですので、ぜひ支部大会からご参加ください!



●れいこと

最後にまた、れいこ&きょーこの話を。

2週間ぶりに、わが家に帰ると、きょーこの成長が目立ちました。
動きが早くなったり、上の歯が出てきたりといろいろありましたが、何と言っても一番は一人で立てるようになったことでしょう!



2週間前に少し健康に不安があったのですが、紹介された市立病院の診断では大したこともなかったようです。

きょーこが日々健やかに育ってくれることだけが、私たちの願いです。
もちろんれいこもお空から、一緒に願ってくれていることでしょう!


2014-07-09

(受講報告)
大学図書館職員長期研修@つくば(第6日)

はや1週間を終えた、大学図書館職員長期研修@つくば。
今回からは、第2週のレポートを簡単に。先週の受講レポートは、こちらからご覧ください(予告初日2〜3日目4日目5日目週末編)。




★大学評価と大学図書館(大学評価・学位授与機構教授 土屋俊氏)


ご存じ土屋先生が、いつものごとく、魅力たっぷりの弾丸トークを炸裂させてくださいました。この日は図書館の話は一部で、大学評価や質保証の話が中心でした。

4年生大学の半数近くがAO入試等学力テスト無しで入学してしまうこと。学問の自由の観点から大学が象牙の塔であるべきだという理論と、それに対する外部からの視点による評価論との相克。認証評価開始から10年経ち、未だに広がらない社会的認知・・・そうしたお話が続きました。

最後に、評価事業の中での大学図書館について言及がありました。
大学図書館はこの文脈において、「相手にされていない」そうです。収入で評価されない、成果測定できない大学図書館を、学修支援においてどう位置づけることができるのか・・・そうした問題提起がなされました。
「単位の実質化」「学習成果」「学習支援」といった点について、大学図書館は「理論構築が必要」とのこと、非常に切実なご指摘だったと思います。

「相手にされていない」大学図書館が、これから息を吹き返すかどうか・・・それは、私たちにかかっているのでしょう。


★図書館と法(筑波大学准教授 石井夏生利氏)


個人情報保護法、情報公開法、公文書管理法、著作権法について、図書館と関連づけながらお話を頂きました。最近の図書館の不祥事、Q&Aなども含め、丁寧な解説をしてくださいました。

途中、「個人のケータイなどで撮影することは、私的使用の範囲内であれば止められない。図書館施設の管理権に基づく制限を設けることが考えられる」というお話がありましたので、質疑応答のときに管理権について伺いました。
先生からは、「管理権については運用が難しいところだが、判決などでも認められている。他の利用者などが写り込むことを防止するため等、きちんと説明できるようにして運用すべき」との回答を頂きました。

施設管理権なんて、私たちは日頃あまり意識しない言葉ですが、ググってみると、一般的なもののようですね。図書館に限らず、施設の運用管理のために、利用者に一定の制限を課すことは認められているようです。勉強になりました。


★ディスカバリーサービスのデザイン(筑波大学准教授 宇陀則彦氏)


「電子図書館システムの目的は、学習・研究の効率と質が上がること」とおっしゃる宇陀先生の講義でした。
筑波大学のシステムを例に、ディスカバリーサービスの機能や期待を述べられました。サーチエンジンと対比して、Googleなどはよくも悪くも一つの宇宙(Webの世界)しか検索できないのに対し、ディスカバリーはいろいろなパラレルワールドを検索することができる、と力説されました。

「CiNiiになければ仕方ない」といったように、曲がりなりにもこれを調べて出なかったのだから仕方ない、と言わせるようなシステム+インターフェースがディスカバリーには必要である、とのご指摘がありました。


★研究者のアクセス手法2(筑波大学附属図書館長 中山伸一氏)


先日のパート1に続き、研究者から見た情報へのアクセスや、図書館員に対する要望などについて、お話がありました。今回は前回と異なり、自然科学分野研究者の視点からのお話でした。

研究者はこんなことを考えている、というお話は参考になりました。最も印象的だったのは、「図書館員には、新しいチャレンジをして欲しい。例えば、論文執筆時のレファレンスチェックなど」というお話でした。

確かに、参考文献チェックなど、形式的なチェックは図書館員が十分にやれることです。
私も知財部時代、ずっと先生方の研究計画書などを一緒にチェックしていました。研究内容そのものについては門外漢ですが、必須項目や形式チェックなどでは、ずいぶんと先生方のお役に立てたと思います。
あまり考えたことがありませんでしたが、こうしたサービスは真剣に議論してもいいように思いました。


2014-07-07

【ご案内】
「図書館総合展フォーラム in 新潟」に参加できなくても悔しくなんかないわいの会@秋葉原

今日2度目の更新です。先の記事も、ぜひご覧ください。

さて、皆さんご存じ、図書館総合展
いよいよ今週11日(金)に、「図書館総合展フォーラム in 新潟」が開催されます。以前も書いていますように、こうした地方フォーラムも魅力満載ですので、皆さんぜひ新潟へ!




★「図書館総合展フォーラム in 新潟」に参加できなくても悔しくなんかないわいの会@秋葉原


上のようにPRしておいて、何ですが・・・。
私、図書館総合展フォーラム in 新潟には参加できません。つくばで大学図書館職員長期研修を受講中ですので、さすがに無理です。(涙)

そこで、皆さんにお誘いです。
どうしても同フォーラムに参加できなかった皆さん、フォーラム当日に東京で、「参加できなくても悔しくなんかないわい!」と強がる会をやりましょう!

「図書館総合展フォーラム in 新潟」に参加できなくても悔しくなんかないわいの会@秋葉原

【日時】2014年7月11日(金)18:30-
【場所】秋葉原駅近辺(調整中)
【参加資格】ライブラリアンに限らず、どなたでも歓迎。
【参加費】参加者で頭割り。3,500〜4,000円程度の見込み。

【お申し込み】  karatekalibrarian@gmail.com宛にメールにて。
 一応の期限は、7月10日(木)21時までとします。
 お店のキャパ次第ですが定員に達した場合、先着順とします。


★お願い

  1. 幹事大募集!
    私は完全にお上りさんですので、現地でお店を手配し、人数調整してくださる幹事を大募集します。丸投げですので、メニューや定員等、お任せします。イメージ的には、10-15人くらいでしょうか?

  2. フォーラム優先でご参加を!
    「フォーラムに行こうかな、どうしようかな」と思っておいでの皆さま。この会よりも、ぜひフォーラムを優先してください!私も図書館総合展運営協力委員のはしくれとして、1人でもフォーラムの参加者を減らす訳にもいきませんので・・・。

皆さん、ぜひお気軽にご参加ください。
いろいろ相談しあえる、ライブラリアンの仲間をつくりましょう!

(2014.7.9追記)
ご存じのとおり、大型台風8号がこの日に、関東を直撃する恐れがあります。
  • 台風の加減によりますが、中止とする可能性が充分あります。
  • もし台風が逸れたり弱まったりした場合、集まれる人だけ集まる形にしたいと思います。前夜〜当日、Twitter@karatelibrarianでどうするか連絡します。よろしければ、ぜひ!

(2014.7.10 AM7:00さらに追記)
現時点では、台風は関東を早朝に通り過ぎそうです。そのため、集まれる人だけでちんまり開催する方向で考えています。「天候が許せば参加しようかな」とお考えの方、ご一報ください(キャンセル可)。


(2014.7.10 AM7:45またまた追記)
台風は勢力が弱まり、暴風圏がなくなったようです。雨はともかく、これでたぶんやれそうですね。


(受講報告)
大学図書館職員長期研修@つくば(週末編)

先日よりご報告しています、大学図書館職員長期研修@つくば。
今日は研修期間中唯一の週末レポートを簡単に。先週の受講レポートは、こちらからご覧ください(予告初日2〜3日目4日目5日目)。


この長期研修、土日は全く授業がありません。そこで有志を募って、5日(土)は東京へ見学ツアーに出かけました。お付き合いくださった11名の皆さん、ありがとうございました。


★立教大学池袋図書館


まず、話題の同館を見学させてもらいました。私は昨年の図書館総合展後、私的に伺ったのですが、今回はご案内も頂けるとのことで勇んで参加しました。


改めて説明を受けながら見学すると、施設だけを見学した前回以上に、この図書館に込められたものがよく伝わってきました。
立教大学さんのように素晴らしい施設・設備をお持ちの図書館に行くと、それに目を奪われがちですが、図書館の素晴らしさはそれで決まるものではないのでしょう。

図書館の魅力は、その器をつくるためにどれだけコンセプトが練られたか、大学の教育・研究に対して果たす役割が考えられたか、という思いや願いによって決まってくるのだと思います。その意味においても、立教大学さんは素晴らしい図書館をつくられていると思いました。

ご案内くださったKさん、Hさん、本当にありがとうございました!


★下北沢の個性派書店「B&B」


立教大学さん見学の後は、2チームに分かれました。私たちは、個性派書店として知られる「B&B」さんに行ってきました(もう1チームは、明治大学和泉図書館さんの見学ツアーでした)。

そのB&Bさん、実に良かったです。久しぶりにいいリアル書店に行けたな、と。そのコンセプトがまた、素晴らしいです。


小さい書店ながら、魅力的な棚や独特の空間をつくっておいででした。私も嬉しくなって、仲間たちと棚を見ながら、本のあれこれについて話をしました。

そしてこのB&Bさん、何と店内でビールを飲めるのです!
「ビールを飲みながら本を選べたら楽しいよね」という考えだそうで、もちろん私もビールを注文して、それらをまとめて楽しみました(ちなみに店の名前の由来もbook&beerだとか)。


お店を訪れたときは、ちょうどイベントの最中でした。こうした書店のあり方は、ちょうど私たち図書館が「場」としての図書館について考え直し、再定義しようとしている姿と重なるようです。こうした個性派書店から、私たちが学べるものは少なくありません。


ちなみにこの日の買い物は、この3冊。このB&Bのスタッフでもある、内沼晋太郎さんの「本の逆襲」も買いました。ゆっくりと、楽しみたいと思います。


★好奇心の森「ダーウィンルーム DARWIN ROOM」


最後に訪問したのが、この「ダーウィンルーム DARWIN ROOM」です。
Webサイトの言葉を借りれば、「教養の再生(LIBERAL ARTS LAB)を理念に、選りすぐりの古書と動物剥製などの標本や、研究生活に便利な道具の販売と、専門家を招いたリベラルアーツ・カフェを行うユニークなショップ」だそうです。



ここは、とても独特で魅力的な空間でした。私は自然科学も門外漢なのですが、とても楽しい時間を過ごすことができました。お店の方も気さくで、いろいろとお話を楽しむこともできました(空手家図書館員名刺まで置いてきてしまいました・・・)。

古書も多く販売していて、図書館員ならきっと楽しめる場所です。皆さんも、ぜひ訪れてみてください。
ちなみに売っていたケーキをテイクアウトで買って帰ったのですが、しっとり美味しかったです。次回はカフェも、楽しみませんとね!


★つくば探索


6日(日)は、つくば探索をしました。
トレーニングを兼ねて、学生時代に過ごしたところを、走って回りました。あちこち写真に撮ってはソーシャルメディアに投稿していましたので、気づけば15kmちょっとに2時間をかけていました(最後は瀕死)。

朝なので閉まってはいましたが、学生時代に通った店がいくつも残っていたのは、本当に嬉しかったです。一番嬉しかったのは、友朋堂書店さんですね。学生時代は、頻繁に通ったものです。



こんなことをツイートしていると、同書店の店員さんがリプライを返してくださいました。もちろんこの日すぐにお店を訪ね、ご挨拶や思い出話をしてきました。21年ぶりでしたが、その店員さんのお顔に覚えがあって、驚きました!


友朋堂さんは、今もいい書店でした。ゆっくり買い物も楽しみ、学生時代に戻ったようでした。店員のTさん、ありがとうございました!

つくばクラスタの皆さん、ぜひこうした素晴らしいリアル書店を訪れてください。B&Bさんでも感じましたが、棚を見て本に触れることで、オンラインショップにはない気付きや出会いがきっとありますよ〜。

ちなみに、この日順調だったのは、ここまでです。午後以降は、ダイトケンや某所の原稿など、缶詰で仕事していました・・・(涙)。それでもビールは、飲みに出ましたけれど。



★その他、来年度の受講生用メモ


前回も書きましたが、土日は基本的にフリーです。こうしたイベント等をしたらいいと思いますが、幹事さんの連絡先等、連絡を取り合う手だてを用意しておくといいでしょう。

また、関東の方を中心に、意外に多くの方が週末は帰省してしまいます。思ったよりも人数が少なくなりますので、自主企画をするなら段取り勝負でしょうか。関心さえ合えば、一緒に動いてくれる受講生もいると思います。
(今回は私の手際が悪かったものの、木曜から声がけを始めたところ、12名の参加がありました)

この私の四苦八苦が、来年度に活かされるといいのですけれどね!


2014-07-06

(受講報告)
大学図書館職員長期研修@つくば(5日目)

先日よりご報告しています、大学図書館職員長期研修@つくば。
2週間に及ぶ研修もはや半分が終了し、今日は5日目、7月4日(金)のレポートです。過去のレポートは、こちらからご覧ください(予告初日2〜3日目4日目)。



★経営学入門1,2(筑波大学准教授・佐野享子氏)


「利用者のニーズにいかに対応するか」という投げかけのもと、マーケティングの視点から問題点・解決策を学びました。2コマ、午前中いっぱいをかけ、グループ討論を含めての講義でした。

解決すべき課題であるニーズと、そのニーズを満たすための手段である欲求について、マーケティングの基本を学びました。
私にとって、図書館サービスのために重要な概念であると思われたのは、以下の点です。

  • インタラクションによるサービス創造
  • セグメント(顧客層)ごとに異なるニーズへの対応
  • コストとそれを上回るベネフィット提供
  • 自発的な価値の交換

特に、「自発的な価値の交換」は重要なポイントに思えました。利用者は、時間・労力・感情を含め、コストをかけてサービスを求めます。そのコストを上回るベネフィットを提供し、自発的に「価値の交換」を求めるようなサービスをしていく必要があります。
特に大学の教員などにとっては、時間が最大のコストかもしれません。私はいつも「先生に無駄なことをさせない、先生の時間を節約しよう」と言っていますが、それを裏付けることができたようにも思えました。

また、「顧客満足度=知覚されたサービス/期待されたサービス」についても学びました。期待されたサービスを上回れば、「満足を超えた歓喜」によって利用者は「伝道師」になる、というものです。

図書館に理解を示すフレンドリーなユーザーをつくっていきたい、というのは多くの図書館の願いです。図書館の魅力を他のユーザーに伝えてくれる「伝道師」になってもらえるような、魅力的なサービスを提供できているか・・・自戒するところです。


★図書館建築と設備(跡見学園女子大学教授・植松貞夫氏)


図書館情報大学在籍時以来、ほぼ四半世紀ぶりに(笑)、植松先生のお話を伺いました。
先生は、大学図書館の建築に関する当面の課題を、以下の3点とされました。

  • 情報流通のデジタル化への対応
  • 資料保存スペース狭隘化
  • 来館者減少傾向への対策

その上で、多くの事例を写真で見ながら、先生が解説するスタイルで講義は行われました。世界中の様々な図書館の写真を、100枚ほども見せてもらいながら先生の解説を伺う、とても楽しい講義でした。

質疑応答の際に、「ラーコモ設置に見られるような大規模な図書館機能の転用が、将来起こる可能性がある。それに備え、対応する建築的な方法はあるのか?」と質問しました。
先生の回答は、「設計段階でどれだけ将来のことを考えられるかだ。例えば閲覧スペースも書架ゾーンとして転用する可能性があれば、床の強度を高めておくことができる。ただし、工費などとの兼ね合いがあるので、よくよく将来像を考えておかなければならない」とのことでした。

・・・ムム、極めてもっともなお返事。そうですよね、それしかないですよね。(苦笑)
植松先生、楽しくも貴重なお話を、ありがとうございました!


★研究者のアクセス手法1(東京大学教授・武田晴人氏)


経済史を専門とする講師から、研究者から見た情報へのアクセスについて、お話を頂きました。情報収集プロセスの事例や研究者の視点を、興味深く伺いました。

印象的だったのは、歴史を研修する方々にとって、デジタル化がいかに「イノベーション」であったか、という話です。
マイクロ資料では墨か朱かも区別ができないこともあったが、デジタル化で高精度のカラー画像を見られるようになった、これは本当に画期的だ、とのことでした。

日頃ついつい見失いがちですが、図書館が行っているサービスが研究者に重宝されていることを、忘れないようにしないといけませんね。



★その他、来年度の受講生用メモ


また、来年度の方へ向けたメモです。ご参考になれば。
  • 前半1週間が終わりましたが、講義時間外でやるレポート等は課されていません。17時以降は、自由時間と考えてよいようです。
  • ゆえに、研修中の土日は丸々スケジュールが空きます。時間の使い方を、考えておくといいでしょう。ちなみに今年は、私が言い出しっぺになって、東京の某大学図書館や個性派書店等の見学ツアーをします。
    (今年は私の知る限りではありますが、自分のこのプラン以外、みんなで行動しようという動きはありませんでした。他力本願だと、土日は退屈するかもしれません)

全くの余談ですが、私が敬愛する大先輩から、この「その他、来年度の受講生用メモ」がとても良い、とのお言葉を頂きました。
ほんのちょっとでも、次の方々の役に立てば・・・との思いですが、その気持ちを汲んでくださる方がいる、というのは嬉しいことですよね。ありがとうございました、M木さん!また頑張ります!

2014-07-04

(受講報告)
大学図書館職員長期研修@つくば(4日目)

先日から書いていますように、つくばで2週間の大学図書館職員長期研修を受講しています。今日は7月3日(木)(4日目)の研修内容について、レポートしたいと思います。




★国立大学図書館の経営(東京大学附属図書館事務部長・関川雅彦氏)


非常に多くのデータ・グラフを使用しながら、(主に国立の)大学図書館の現状について、説明がありました。詳しいデータを用い、図表化しながら分析することで、様々な傾向を読み取ることができることが理解できました。

例えば、図書館員の増減のグラフです。総数の変遷のグラフを見ても、実態の変化を把握することはできません。
ですが身分別グラフなどを確認することによって、専任職員の減少、それ以外の職員の増加などが見てとれます。また、今回使ったそのグラフからも、業務委託スタッフの人数を読み取ることはできず、表層的な数字にはリスクがあることも感じました。
豊富なデータをしっかりと分析し、そこから対応を考えていく必要があると、考えさせられました。


今回も、一つ質問をしてきました。
講演中に「人事異動は基本的に図書系のみで実施」、「大学があってこその図書館」といったお話がありましたが、その二つの話は矛盾しているように思いました。その点を含め、図書館外とも人事交流を図る方がいいのではと伺いましたところ、「指摘のとおり。現在はそうした意見を受けて、学内での人事交流等について考える流れにある」といったお話を頂きました。
国立大学さんも大きな組織の中で、試行錯誤されているのですね。今後のそうした動きに、期待したいと思います。

関川さん、貴重なお話をありがとうございました!


★私立大学図書館の経営(鶴見大学学術情報事務長・長谷川豊祐氏)


国立大学の経営に続き、2コマ目は市立大学に関する講演でした。
講師からは、多くのデータをもとに職員、資料費などについて大学図書館の現状を紹介頂きました。印象的だったのは、大学間には非常に多くのバラつきが生まれており、同じやり方で何かを解決しようというのは誤っている、というお話でした。

また、「図書館業務に精通した管理職の継承に不安」という指摘について、考えさせられました。
例えば今日の講師の長谷川さんは、この世界のビッグネームです。知識・スキル以上に、こうした方の情熱やマインドなどを、組織としてどう受け継いでいけばいいのか・・・非常に難しいところです。

講演後に長谷川さんに伺ってみたところ、ダイトケンのような外の場にどんどん連れ出して(感化させて)いくべきだ、との意見を頂きました。長谷川さんのようにはいきませんが、私も頑張って、後輩たちを感化していきたいと思います。

長谷川さん、ありがとうございました!


★公立図書館の戦略(潮来市立図書館長・船見康之氏)


指定管理者制度で潮来市立図書館の業務を担っている、同館の船見館長のお話でした。
大学図書館職員を対象ということで配慮頂いたのか、「指定管理者制度のメリット/デメリット」といったお話から、噛み砕いて丁寧にお聞かせくださいました。
(余談ながら、いまだに派遣と委託と指定管理者が全く区別できていない図書館員が多いのは、マズいですよね・・・)。

講師は指定管理者でありながらも、「コストカット目的の指定管理者制度導入には反対」、「図書館をこうしたい、という姿なしの指定管理者制度導入には反対」とおっしゃっていました。

これは全くおっしゃる通りです。委託にしろ、指定管理者制度にしろ、コストカットの手段として実施するべきではありません。ビジョンや目的があって、その実現のため最適の手段であれば、にこれらを導入するべきだと思います。
(私は委託や指定管理者制度が、必ずしも悪いものだとは考えていません)

他にも、「望ましい基準」をひきながら、社会基盤としての図書館の重要性、社会の場としての図書館、といったお話を頂きました。ずいぶんと骨っぽいご講演、非常にいい勉強になりました。船見さん、貴重なお話をありがとうございました!


★古典資料の保存と利用(筑波大学准教授・山澤学氏)


古典資料の保存・利用、そして電子化や書誌など、幅広いお話をお聞かせくださいました。正直言って、自分は業務上古典資料に触ることが全くないもので・・・一般論的に聞いていました。
手の洗浄・消毒、手袋、電灯の照度、利用前の資料状況確認等、利用にあたって一からお聞かせくださって、分かりやすかったです。


★その他、来年度の受講生用メモ


今日もいくつか気づくことがありましたので、来年度受講の方へメモしておきます。
  • 筑波大学の皆さんのはからいで、会場にはお茶コーナーが設けられていました。紙コップの傍に、(名前を書いておくための)ペンまでそっと置いてくださっていたのが、心憎く思いました。
  • おみやげを持ってこられた受講生の方が、それをお茶コーナーに置いてくださっていました。僕も用意しておけば良かったです・・・(いつも気が利かない私)。
  • 受講期間中、図書館や学内のPCが利用可能です。
  • 初日のレポートで「電源完備」と書きましたが、毎年必ずしも会場が同じとは限らないそうです。スミマセン・・・。
また気づくことがあれば、メモにしますね。来年度の方々にとって、役立つものになるといいのですが。


2014-07-03

(受講報告)
大学図書館職員長期研修@つくば(2〜3日目)

先日から受講しています、大学図書館職員長期研修@つくば
前回の初日レポートに続いて、2〜3日目の様子を報告します。受講中で余裕がないため、今回も簡単な記載に留めますこと、ご容赦ください。


なお、今回も来年度受講生用の覚え書きを、残しておきます。2015年度に受講される方がいらしたら、ご参考になさってください(もちろん、変更等もあるかもしれません。ご判断は、各人でお願いします)。


★問題発見・解決演習


長期研修の2〜3日目、丸々2日間を、問題発見・解決演習に費やしました。講師は、株式会社コンサルティングアソシエイツの天笠淳先生でした。

演習は、日常業務の中からいかに問題を発見するか、そしてその解決方法をいかに探るか、というテーマでのグループ討論でした。
事前課題をもとに、どうやって問題を見つけるか、という点をとことん突き詰めて考えました。全員で困りごとを洗い出し、それを分類・整理し、カテゴリー分けすることで問題を類型化しました。


主な手法にKJ法・ロジックツリーを用いたのですが、自分がどれだけ考えても、組織に起きている問題をすべて洗い出すことはできませんでした。ここでは、一人では気づかないことが必ずあること、一人でやることには限界がある、ということを痛感させられました。

問題発見の後は、その解決方法についてもグループで取り組みました。こちらも他のグループを含め、自分たちだけで納得のいく正解を出すことは、極めて難しいことを体験しました(面白いことに、偶然同じテーマだった隣のグループとは、問題解決のアプローチや着眼点がずいぶんと異なっていました)。

これらの経験から、実際に職場でこうした問題発見・解決に取り組む際は、一人ではなくチームで考えていく必要がある、と断言できそうです。
この研修は問題を解決することではなく、考え方やその手法を学び、チームで考えることの重要性を体験することが目的だったのでしょう。考えた量、思考した量が重要でそれらが答えに繋がる、という講師の指摘は、非常に強い説得力を持っていました。

おそらく、丸々2日間を実際に費やした後でなければ、この点を本質的に理解できなかったことでしょう。理想・関心を自信に変える、という講師の最後の言葉は、こうした問題解決のエッセンスであったかもしれません。


2日間、自分たちの業務を見つめ、ひたすら考え続けるという貴重な経験を積むことができました。「いい経験をした!」ではなく、この一部でも職場に持ち帰り、その改善に繋げていきたいと思います。

講師の天笠先生、コーディネートくださった筑波大学の皆さんには、本当に感謝しています。ありがとうございました!


★その他、来年度の受講生用メモ


もし来年度も同じプログラムであれば、この問題発見・解決ワークショップには、PC等の持ち込みは不要です。2日間ずっとグループワークをしますので、PCを使うヒマがありません。
また、メイン教室と違って電源もない机です。その点からも、PCは持たない方が快適かと思います。

また、これまでの3日間、講習時間外にやらなければいけないグループワーク・レポート等は、出ていません。おそらく、基本的に講習時間以外は、全期間を通じてフリーなのだと思います。

服装に関して言えば、男性はYシャツ+スラックスの方がほとんどです。さすがにTシャツは不可でしょうが、ポロシャツの方もいらっしゃいました。
初日はスーツ、ネクタイの方も見かけましたが、2日目以降は運営サイドを含め、皆さんクールビズです。女性は、どう言ったらいいのか分かりませんが・・・男性に見合った程度で、十分かと思います。

また、来年度に向けたメモも、次回以降残していきますね。
こうしたレポートが、来年以降の受講生の助けになるとよいのですけれど!


2014-07-01

大学図書館職員長期研修@つくば、始まりました!

以前ご報告しました、大学図書館職員長期研修@つくばが、始まりました!
2週間にも渡る研修ですので、まとめてはレポートできそうにありません。そのため、できるだけこまめに、更新したいと思います。


連日の研修ですので、各プログラムについては、一言ずつの感想くらいが精一杯になると思います。研修内容はもとより、次年度以降受講する方のために参考になる情報を残せればいいな、と思います。


★開講式・オリエンテーション&来年へのアドバイス


朝一番にまず、オリエンテーションがありました。筑波大学図書館長のご挨拶、受講上の注意、ID申請などなど。丁寧なお話・充実した資料がありますので、特に不安は感じませんでした。

メインとなる会場は無線LAN+全席電源完備ですので、PC等の持ち込みはとてもしやすいです(グループ討議等は別会場も使うようですので、場合によっては電源確保が難しいかもしれません)。
ソーシャルメディアによる発信も、講師に礼を失しない程度であれば自由とのことでした。

会場は広く、若干温度調整が難しいようでした。一日の中でも温度の上下がありましたので、来年受講される方は薄手の上着等、調整できる服装を準備しておくといいでしょう。
休み時間には、会場外にお茶等をご用意頂きました。ここで一服しながら名刺交換することができ、休み時間を有効活用することができました。

筑波大学の皆さんのお心遣いは、非常に素晴らしいです。何か困ったことがあれば遠慮なく相談できる雰囲気もあり、しっかりとした支援を頂いていることを感じました。


★講話「最近の大学図書館を取り巻く環境と今後の対応」
(文部科学省 研究振興局参事官(情報担当)付学術基盤整備室長 長澤公洋氏)



学修環境整備に関わる主な政策提言、そのための学術情報基盤の整備、学術情報の流通・発信、大学図書館への期待などといった内容でお話を頂きました。

いずれも、政策提言類からの抜粋やまとめ的なお話で、特に目立った点はありませんでした。よく整理されてはおいででしたが、こうした政策提言類に対し一定の理解をされている方であれば、復習に留まる内容でしょう。

一つ分からなかったのは、「講話」というスタイルです。
お話が終わったら、質疑応答もなくそのまま講師は退席されてしまいましたが、そういった性格のものなのでしょうか?次世代の管理職候補者を対象としたこういう長期研修であるからこそ、きちんと質疑応答を行う必要があると感じました。


★「大学経営と図書館」(東京大学附属図書館長 古田元夫氏)


現職の大学図書館長である古田氏から、大学の変容、法人化と図書館、図書館長のリーダーシップ、東京大学の新図書館構想などについて、お話がありました。率直に言えば、いささか総花的で無難な内容にまとめた感がありました。

質疑応答では、今回も一番に挙手し、以下のようなやり取りをしました。
Q1. 東大の教育改革の柱について、図書館が「自己主張」と言われたが、全学のコンセンサスになっているのか?従来の図書館長だけに任せず、こうした部分にコミットするスキームが必要ではないか?

A. 当初大学がこの改革を持ち出したとき、図書館との連携はできていなかった。しかし図書館の働きかけにより、現在は大学のイメージ図に図書館のこうした提案が含まれるようになった。新図書館構想を検討中の現在、これは追い風にもなった。

Q2. 「データベースなどにも通じたレファレンスの専門性が重要」とのご指摘であったが、むしろこうした大学改革にあっては、プロデューサーやマネージャー的な能力が必要なのではないか。自分たちの考えたことを、学内や社会にメッセージとして伝える能力を持ったライブラリアンが必要ではないか。

A. それも重要。現在は電子化に一定の取り組みをした後で、図書館の重要性を訴えられる最後の機会だと思っている。きちんと発信していきたい。

私的なことを言えば、今回の研修にあたって決意していたことの一つは、最初の質疑応答で一番に挙手することでした。
中堅・役職付のライブラリアンが集まっている研修で、質問が出ないようなシチュエーションは、絶対に作るべきではありません。最初に勢いよく質問する人がいることで、他の人たちが質問しやすくなれば、との思いでした。

それが役立ったかどうかは分かりませんが、以降の質疑応答では何人かが挙手されていて、ひとまずは目的達成といったところです。




★「大学の経営課題 〜職員が担う大学の未来〜」
(筑波大学大学研究センター長 吉武博通氏)



間違いなく、この日一番魅力的な講演でした。
要約は非常に難しいのですが、今世界で起きていることなどを背景として説明しつつ、大学改革の構造・進捗状況などについて、講演を頂きました。

中でも、現在国策的に進められようとしているトップダウン的な図式に対するお話が、印象的でした。従来のボトムアップとの調和をどこに図るか、それこそが大学改革の本質であり、これに答えを出した大学が生き残る、というものでした。
社会が複雑化する中で、もっと精緻な議論をしていこう、という先生の言葉は非常にしっくりときました。

質疑応答では、また質問をしました。
私も日本人ですので2コマ続けては挙手をしにくいのですが(笑)、お話があまりにも面白かったので、ついつい。
Q. 「これからの人事が大切、どういう人材が欲しいか明確に。今いる人は、ある意味仕方がない」という話があったが、あまりにも悠長ではないか?大学に、今いる不要な人材がいなくなるのを待つ時間はないと思う。

A. 15年間あれば、大学の教員は半分入れ替わる。そうなれば、大学は変わる。それに、職員は必要性に応じて変わることができる。かつて石油ショックや為替レートの激変に襲われたとき、わずか数年で乗り越えた日本の力を信じるべきだ。
思うに、図書館員はもっと図書館情報学以外の分野の人の話を聞くべきでしょう。吉武氏はいわゆる図書館情報学がご専門ではありませんでしたが、大学・社会の現状を見据え、非常に素晴らしい示唆をくださいました。


★懇親会


初日の夕方は、学内で懇親会がありました。
ここには受講者のほぼ全員が参加しているようで、大勢の方々と楽しく話をしたり、情報交換をしたりすることができました。図書館長も挨拶でおっしゃっていましたが、表の目的は最新の知識を学ぶこと、だが隠れた目的は頼れる仲間をつくること、とのことでした。
この会を通じて、その裏ミッション(?)を果たすことができました。来年度受講の方もぜひとも参加するべきでしょう。

なお、懇親会には筑波大学の先生・ライブラリアンも多くご参加くださいました。
受講生が35人程度でも、名刺はもっと多めに持っていきましょう(50枚は欲しいところです)。


★初日を終えて


まずは、初日は順調な滑り出しでした。筑波大学の皆さんのおかげで、快適な一日でした。
まだ受講生全員とはいきませんが、大勢の方々とお近づきにもなれました。明日以降も、頑張っていきたいと思います。

来年度の受講生へのメモを兼ねて、いろいろと書きました。明日以降もこうした点に留意しつつ、できるだけこまめにアップしていきたいと思います。