2009-07-17

日本図書館研究会例会「著作権法の改正と障害者サービス」に出席しました

何だか、急に真夏に突入、といった感が。
関西では、もう梅雨明けのようです。

さて、今年は人事異動もして、ここ数年よりは時間も取れそうですので、久しぶりに空手に励む夏にしようと思っています。
自分としては、40歳を一つの節目に、ある程度のところまでレベルアップしたいと思っています。

だからと言う訳でもありませんが、日曜はいい稽古をしてきました。
私の所属する脩己會の会長・最高師範が東京から来てくださり、大阪本部で会派の合同稽古を行ったのです。
日頃は、直接お目にかかることすら少ない会長、最高師範のご指導を得て、ますますレベルアップ!(したかもしれません)

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さて。
今日は、所属している日本図書館研究会の図書館サービス研究グループ研究例会があり、参加してきました。
<このブログをアップするときは、例によって「昨日」になってしまっていると思いますが。

 日本図書館研究会
 http://wwwsoc.nii.ac.jp/nal/

テーマは「著作権法の改正と障害者サービス」、講師はあの常世田 良さんでした。
実は、直前に届いた会誌「図書館界」をパラパラめくっていたところ、チェックできていなかったこの例会案内を発見!
今日は定時ジャストで職場をダッシュして、会場に飛び込みました。
<それでも、15分の遅刻。

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今日の会場は、ご存じ大阪府立中之島図書館でした。


常世田氏のお話を伺うのは、ずいぶん久しぶりでした。もしかして、10年ぶりくらい?たぶん、前にお話を伺ったときは、浦安市立図書館長だったかと。
<このイメージが、やっぱり強いです。
現在、常世田さんは、JLA理事として活躍中です。

今日は小ホールで、氏の講演を伺うことができました。すぐ傍で、お話を聞くことができ、非常によかったです。

・・・・・それにしても!

会場には、30人いないくらいしか入っていませんでした。
17:30からという時間設定も厳しいし、あまり大々的に宣伝もしていなかったようですが。
それでも!それにしても!常世田さんのお話だというのに、この来場者の少なさはないでしょ?
<「何をやってる、関西の図書館員は・・・?」と思われても仕方なし。

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気を取り直して。
以前のイメージでは、常世田さんは、もっと堅いお話をされる方かと思っていましたが・・・こんなに、直球勝負でしたっけ?(笑)

今日のお話は、まず著作権に関する復習から始まりました。
かつて、新聞記事には著作権がないとされていた時代の話など、いきなり、いろいろと勉強に。

よく誤解されている例として紹介されたのが、図書や雑誌の附録DVDを、図書館で貸出していないケースです。
あれは、DVDだから貸さないのではなく、映画(=動画と考えましょう)が含まれているから、著作権者の許諾なく貸出できない、という理解をしなければいけません。
仮に、文字データしか収められていないDVDやCD-ROMがあれば、貸出をしていいんですよ、とお話がありました。

この辺りから、お話にエンジンがかかってきました。だんだん、発言がぶっちゃけに・・・もとい、デリケートに。(笑)
以下、ユニークだった発言をピックアップ。<意訳?

  • 日本映像ソフト協会との上映に関する「合意」について
    「合意」したのはJLAと協会なのだから、JLA加盟館以外は「合意」を守らなくてもいいし、協会のソフト以外であれば気にしなくてもよい。
    これらをきちんと把握し、考えた上で、「どこまで確信犯的に危ない橋を渡れるか、それが専門家のスキル」だ!
    <言っちゃっていいのでしょうか、某協会の理事が・・・??

  • 著作権法上の問題がないケースのトラブルについて
    法的には、非営利・無料であれば、誰でもどこでも可能。「いちゃもん」を付けられても、無視!(笑)
    著作権法上の問題がなくても、DVD購入時の契約により、利用制限が課されることがある。某I県立図書館では、地元興業企業の営利活動と衝突し、上映会を中止したケースも。

  • 雑誌バックナンバーの複写について
    個々の論文は、全体を複写できる。なら、雑誌をまるごとコピーできるかというと、ノーだ。
    ・・・が、「奥付残して、コピーすればいいんですよ」!

  • 某三田さんについて
    ああいう人として捉えられているが、非常に立派な方。ベストセラー複本問題についても、調査結果のデータが揃って、思ったほど複本がないことが分かったとき、潔くこれを問題視することを止めた。

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そして、お話は核心へ。今回の法改正について。

  • そもそも!
    今回の改正は、50年100年に一度の改正だ!

  • 国会図書館のアーカイブについて
    新刊であっても、国会図書館でアーカイブすることができるようになった。これは、非常に大きなことだ。Googleブック検索のこともあり、国の知財本部からの圧力もあったため、実現した。
    <出版界からは、「30年塩漬けにしろ!」と言われたプラン。(笑)

    一方で、出版界の大反対に遭い、結果としてテキストデータを付与しない画像情報だけになってしまったことが、非常に残念。こんなことをしていて、日本は大丈夫か?

  • 障害者(*)支援について
    障害者を支援するための国際条約に、日本はすでに署名済み。近年、批准しなければいけない。そうなれば、国内で非常に多くの法整備が必要。各省庁は準備にかかっており、今回はその一環だろう。

  • (関連情報として)文化審議会著作権分科会法制問題小委員会について
    フェアユースの導入を、検討している。今までの日本の著作権法は、権利者に有利すぎた。これから権利制限を進め、障害者等へのサービスを行えるようにしたい。

(*)「障害者」という表現が妥当かどうか判断に迷いましたが、ここでは、著作権法改正案の表現に準じます。

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こうしたお話を経て、質問タイムになりました。
誰も手を上げない中、臆面がないことだけが取り柄の私が、例によって考えなしに挙手。(笑)

Googleブック検索に対し、国会図書館がスキャンだけして、PDFを提供したところで、何か役立つのか、といった質問をしました。

それに対し、常世田さんの回答の行間を勝手に読むと、「せっかくやるなら、こんなんしても、しゃあないわなー」とのこと。
<違うかも?

常世田さんは、Googleが一社で先走っている現状を指摘した上で、そうであってもこの状況を歓迎する旨、発言されました。
事例として、かつてベル研究所が電話を開発したが、それが社会のインフラとなったことに言及されました。なるほど!

そして結びに、Googleブック検索などの多様な情報化が進み、ネットであらゆる情報にアクセスできるようになれば、そのときこそ、図書館員の出番ではないか、という問いかけを逆にされました。
・・・なるほど、なるほど!

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・・・といったところで、今日のレポートは終了です。
ずいぶん勝手に意訳してしまったと思いますので、あまり厳密に捉えないようにしてください。
<例によって、そもそもこのブログはアカデミックな議論を追及していませんので・・・と逃げておきます。

常世田さんは、著作権法に関して、現在最もよく優れているという解説書をご推薦くださいました。


「著作権法」 中山 信弘 有斐閣 2007

現実的な意見をお持ちの方のようで、非常に参考になるそうです。図書館に関連する部分だけでも、読んでおくべきとのことでした。

http://www.amazon.co.jp/%E8%91%97%E4%BD%9C%E6%A8%A9%E6%B3%95-%E4%B8%AD%E5%B1%B1-%E4%BF%A1%E5%BC%98/dp/464114382X/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1247761107&sr=1-1

私の勤める短大図書館には所蔵がありませんが、大学図書館にはあるようです。また近いうちに、借りに行こうかな。

<私の同僚でこのブログを愛読している人は、おそらく誰もいませんので(涙)、堂々とここで所蔵があることも書いてしまいます。

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<どうでもいい独り言>

これも空手ネタで恐縮なんですが。
本格的に暑くなって、今週から半袖にしました。
前腕が剥き出しになると、稽古でできた腕の痣が、目立つんですねー(笑)。同僚にも、早速指摘を受けました。今はちょっと打ち身が多く、5~6個所赤く腫れているので、これ見よがしな感じです。
まあ、空手家らしくって、いいでしょ?(笑)
 
 

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