2009-10-29

人に何かを学んでもらうこと。それは、聞いてもらうことではなく、伝えること。(その2)

 
とうとう、本日です!
Future Librarian 全国図書館大会U40プレミアセッション開催!
昨日のエントリーでも書きましたが、大阪会場は、当日ドタ参も大歓迎!


10月28日エントリー「いよいよ明日! U40プレミアセッション!」

「やっぱり、今日行くけん!(愛媛風に)」とおっしゃる方、今すぐ上記ページ掲載のメールアドレスへご一報ください!

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さて、今日の本題。
26日エントリー「人に何かを学んでもらうこと。それは、聞いてもらうことではなく、伝えること。」の続きです。
初日の様子は、前回書いたので、今日は2日目について記します。

それにしても。
書いて数日経ってみると、ご大層なタイトルを付けたものですね。
ですが、これは本当に、そう。書いたとおりだと思います。では、どうやって大事なことを伝えるか?その答えは、26日の記事と、以下の文章の中にあるはずです!(希望)

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「授業資料ナビゲータ(Path Finder)・ポッドキャストによる新たな利用者・教育支援」
(講師:千葉大学 鈴木 宏子氏)

リポジトリで一躍脚光を浴びた感のある千葉大学ですが、この日の鈴木さんのお話を伺って、それが誤りであると実感しました。
やっぱり、何かでスポットライトを浴びる図書館は、それ以外の地道な部分を、コツコツとやっていますよね。

空手で言えば、派手なハイキックを打てる人は、ボディーブローやローキックのような技を、しっかりと身に付けているのと同じですよね?
<・・・って、伝わるのか、これで?

まずこの事例の背景としてあるのが、同大学中期計画にて、「カリキュラムに即し、授業に密着した情報提供の強化策を検討・実施」が謳われていることです。
これを拠り所とし、千葉大学では、1)授業と連携したパスファインダー作成、2)ポッドキャストによる情報提供を行っています。

まずパスファインダーのお話ですが、位置付けを明確にされていることが、非常に良かったと思います。
「授業に連携し、テーマ別情報資源案内を作成する」、「学生の情報収集活用法の習得を支援する」という考えのもと、「主題知識の乏しい初学者へのナビゲーションツール」としています。

位置付けを明確にしたうえで、教員と連携し、学部1、2年生の授業に特化したパスファインダーを作ることは、非常にいい戦略だと思います。
講義後の質疑応答で、「授業以外に、例えば主題別のパスファインダーを作っていないのか?」と鈴木さんに伺ったところ、全く作成していないとのことでした。
また、パスファインダーを作成する授業は、基本的に教員の申し出のあった授業とのことでした。2009年度は、何と47科目のパスファインダーを作成されています!スゴイ!

しっかりと授業密着が出来ている千葉大学さんならでは、かもしれませんが、学生さんから、「授業選択するときに、シラバスと一緒に見たい!」というリクエストも出されているそうです。

それに関連して、(これも質疑応答で申し上げましたが、)シラバスと授業密着型のパスファンダーは、極端に言えば、一体化するべきなのかもしれません。
web上でシラバスを見て、そのままその画面で参考文献リストや紹介文、関連電子リソースを参照できる形が理想かなあ、と。

加えて、ポッドキャストでの情報も積極的とのことです。
ライブラリーツアーなどだけでなく、大学の教育・研究プログラムも複数アップロードしてあるそうで、広く活用できそうですね。

これらを活用して、千葉大学さんは「考えるきっかけを図書館がつくる!」、「考える環境を図書館がつくる!」というお考えのようです。
中期計画での理念があり、パスファインダーの明確な位置付けがあり、そしてこのビジョンがある千葉大学さん。いやいや、素晴らしいです!
自館の理念すら策定中の私から見ると、見習う点ばかりでした。

鈴木さん、いろいろと質問にお答えくださって、ありがとうございました!

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この後、日本ユニシス・ラーニング株式会社さんによる、プレゼン技法に関するレクチャーがありました。
・・・が、ここでは割愛。ですが、非常に!勉強になりました。
講師のプレゼン、やっぱり抜群に上手でした。私もあの2割くらいのレベルを狙いたい!

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「プレゼンテーションの実際 ~広島市立大学附属図書館の場合~」
(講師:広島市立大学 中請 真弓氏)

このお話は、プレゼンのモデル発表として行われました。
去年のこの研修受講生でいらっしゃる中請さんが、勉強されたことにもとづき、実際にプレゼンをするものです。その上で、前述の日本ユニシス・ラーニング株式会社さんから、改善点などをご教示頂いたり、フロアから意見を出すのです。

まず中請さんは、学生さんに実施する内容のガイダンスを、実際にやってみてくださいました。その上で、同大学のリテラシー教育の状況について、説明されました。

学生さんへのプレゼンに使うスライドは、60枚を超える大作。非常に丁寧に作成している様子が、よく判りました。
中請さんは、受講生(私たち)に向かって、声をかけるように話され、日頃から話し方の工夫をなさっているのも、よく伝わってきました。

また、一番伝えたいことは、「図書館員に何でも尋ねてください」ということ、と明確におっしゃっていたのも好印象でした。話の核心がクリアであれば、お話そのものも明確になりますよね。

お話の後は、日本ユニシス・ラーニング株式会社さんやフロアから、いくつかの意見が出され、それらを全員で共有する形でいろいろと学ぶことができました。
中請さん、どうもありがとうございました!この研修の1期先輩ということで、これからもよろしくお願いいたします!

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「大学における教授法のノウハウ」
(講師:名古屋大学 中井 俊樹氏)

教育学をご専門にされる中井先生が、教えるとはどういうことか、というお話をしてくださいました。その意味においては、図書館とは直接関係ないお話でしたが、非常にユニークな授業で、すっかり引き込まれてしまいました。

まず最初に、一人ひとりに紙を配り、それを折らせて切らせて、蝶々を作らせます。
指示にあいまいな点を残したまま、こうした作業をさせ、うまく蝶々ができないことで、人に教えるとはどういうことかを考えさせました。
<何故か私の蝶々には、大穴が・・・。後で、「穴を空けた人」として、しっかりと指名されました。ある意味では、模範的受講生。(笑)

また、長方形の面積の求め方を、小学4年生一クラス全員に、45分1コマで理解させる方法を考えさせられたりして、非常にユニークな講義でした。

詳細を説明しきれず残念ですが、最大のポイントは、「人にものを教えるとは、どういうことか」というお話だったと思います。
図書館の専門家ではありませんが、さすがに教育の先生。非常に示唆に富んだ講義でした。

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この後、2日目最後のプログラム、グループ討議へ。これについては、3日目も続けて実施しましたので、また明日以降に。

もう指が攣りそうになってきて、とても3日目まで書けそうにありません。
何とか、2日目だけでも書けて、良かったかな・・・。

2日目も、非常にいい講義が続きました。
初日夕方に情報交換会という名の飲み会がありましたので、そこでだいぶ雰囲気もくだけてきたようで、全体的に和やかな進行でした。
・・・あ、初日が気まずかったという意味ではありませんよ!(笑)

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<今日の小ネタ>

公共図書館のホットなネタも入ってきて、嬉しいです。大学/短大図書館も、公共も、専門も、そして本の世界全体、みんな頑張れ!


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<どうでもいい独り言>

いつもいつも、このブログに役立つネタを提供してくれる、わが娘・れーこ。
昨日、家でメールを読んでいた私の画面を覗き込んで、突然叫びました。

「えぇ!?通信トイレ!?

何のことかと思ったら、「通信トイレ」じゃなくて、「受信トレイ」・・・。「受信」が読めないのはともかく、カタカナは読めるっしょ?

それを本人に言うと、恥ずかしかったのか、突然私に向かって裏声で、「君を、トイレ大王に任命します!」。
・・・いや、何よ、それ・・・。そもそも、トイレ大王って?

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ところで。
最近、ちょっと胃がしんどくて。この1週間のうち5日間が、他の図書館や出版業界の方と、ビールですからねえ。
<そりゃ~、しんどいわいのぉ。<愛媛風に。

昨夜は、日本出版学会の関西部会に出席していたのですが(近日中に、この場で報告します)、講演中に胃が痛くなって、2度も途中退席。70分のうち、30分くらい外で悶絶してました。
<それでも、二次会には行く私・・・。

明日のU40プレミアセッションが終われば、一段落。胃袋とお財布に、しばしの休憩を与えなければ・・・。
連日夜中に帰る夫を優しく文句も言わず放し飼いにしてくれている妻にも、家庭内サービスしないといけないでしょうかねえ。(笑)
 

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