2014-08-04

内野安彦先生の出版記念講演会@大阪に行ってきました

だいぶ遅れてしまいましたが、10日ほど前に参加した内野安彦先生の出版記念講演@大阪が素晴らしかったので、今回はそのレポートです。




★講演「『図書館長の試み』で伝えたかったこと」(内野安彦先生)


このブログをご覧くださっている方々の多くは、5月に刊行された「図書館長の試み」という本を、ご存じでしょう。


この日の講師は、この本を書かれた内野安彦先生でした。
私は先生のお話に先立って、この「図書館長の試み」に目を通していました。初めてこの本を手に取って開いたページに、「フロアを歩いて、利用者にどんどん声をかけよう」といったお話が書いてありました。

「ええこと、書いてあるわいな〜」と思ってそのまま手にしたのですが、その著者に数ヶ月後にお目にかかって、こうしてお話を聞こうとは。(笑)

先生のお話は、専門的なスキルを論じたものではありません。チームマネジメント論、あるいはリーダーシップ論と言ったものです。
誤解を恐れずに言えば、この本には特別なことは何も書かれていません。ただただ当たり前の話が書かれているだけです。
本書を読めば、その当たり前の感覚の大切さや、それこそがチームマネジメントの核心なのだとが判ります。その感覚を大切にし続けたことが内野先生の強みであり、先生を先生たらしめているのでしょう。


★印象的だったこと


以下、講演で印象的だった言葉をいくつか紹介します。
  • 公共図書館、ならしてみると経費の70%ほどが人件費。人の占める比率がかくも高い仕事。それなら、人に投資しないと。
  • 部下が泣いているんなら、何とかしなくちゃ館長じゃないでしょ!館長は、優れた司書になれなくてもいい。部下を守れる管理者になって欲しい。
  • 図書館は、人で決まる。そして、人をつくるのは、管理者。
  • 図書館長の資質とは、矜持だ。
  • 正規職員と非正規職員の壁をなくしたい。
  • 図書館員なら、最低限自館の図書館に関する本や雑誌くらいは読むべき。「読む方がいい」ではない。できることなら、研究会に入ることも望ましい。
  • (図書館を異動で出た人へのメッセージ)どこの部署に行っても、「図書館は使える」って言えばいいんですよ!
  • (最後に「図書館サービスとは?」と聞かれ、)楽しんでやることだ!

こうしたお話を伺い、先生のお気持ちに接するうちに、ごく当たり前の感覚こそ、チーム運営には何よりも大事なのだと思わされました。内野先生も触れられていたように、公務員という特殊な世界の中で当たり前の感覚を貫き通すことは、存外に難しいことなのでしょう(まして館長ともなれば、なおさら)。

内野先生の口ぶりはずっと穏やかで落ち着いたものでしたが、胸中の熱い思いは、しっかりと私たちに伝わりました。内野先生、貴重なお話をありがとうございました!

この本をご覧になっていない皆さま、よろしければぜひ手に取ってみてください。先生のお気持ちの伝わる、素晴らしい1冊ですよ〜(私は図書館で借りて読んだのですが、この講演後に再読したくなり、わざわざ買い直しました)。

なお、当日の私のツイートは、こちらからご覧になれます。よろしければ、併せてご覧ください。



★あわせて感謝


この出版記念講演会は、「自由なるライブラリーフィールド」のセミナーとして開催されました。関西では知られるこの勉強会も、1年ぶりの開催でした。

「自由なるライブラリーフィールド」については、今までもこのブログで何度も参加レポートをしていますが、いつもとても勉強になります。
今回も大盛況で、素晴らしい会でした。いつも貴重な機会を提供くださるO大学のN村さん、E社のH田さん、ありがとうございました!


また、今回「図書館長の試み」を刊行くださったのは、樹村房(じゅそんぼう)さんです。
樹村房さんの公式サイトに表示されている書籍ジャンルのうち、一番上にあるのは「図書館」です。そこからも判るように、図書館に関する多くの図書を刊行くださっています。
先日このブログでご案内したダイトケン全国大会@山形でも、樹村房さんには協賛くださるなど、多くのご支援も頂いています。
(ちなみに私、樹村房さんが先日刊行された「図書館の現場力を育てる」を読んでの感想的なものを、某誌に掲載頂く予定です)

この講演会にも、大塚社長がわざわざご挨拶にお越しくださったり、本の即売会を開催してくださったりしました(私は話し込んでいるうちに買いそびれ、結局別に発注することになってしまいましたが・・・)。

樹村房さん、大切なパートナーとしていつも図書館界を支えてくださり、ありがとうございます!



●れいこと

最後にまた、れいこ&きょーこの話を。
今日は、嬉しいニュースがあります!

8月2日で、きょーこは1歳になりました!
この小さないのちが1年間元気に育ってくれたことを、本当に、本当に嬉しく思います。


お母さん特製ケーキの前で、「いっさ〜い!」



お父さんが乾杯するプレモルを欲しがるきょーこ(あげんぞ)


れいこが星になってから、毎日が苦痛でしかなかった私たちにとって、きょーこの誕生がどれほどに救いになったことか。
(もちろんお兄ちゃんも私たちの支えになってくれているのですが、高校生ともなれば、もう親の手を離れてしまっていますので・・・)

来年も、再来年も、それから先も。
ずっとずっと、祝っちゃるけんな。
ほやけん、きょーこ。これからも元気に育ってな!

お父さんお母さん、そしてれいこ姉ちゃんも、それだけを願ってるで〜!

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

井上さん、約一年ぶりのFLFにご来場いただき、有り難うございました!いつも盛り上げて頂き、本当に感謝しています。いつもながら突然の無茶振りにも見事にお応えいただいて。

夏季休暇で思いっきり充電できました。新しい企画も考えていますので、その際はまた宜しくお願い致します。H田

井上 昌彦@空手家図書館員 さんのコメント...

>H田さん、

コメントをありがとうございました。いつも貴重な場を設けて頂き、ありがとうございます!

こうした場で、ライブラリアンの輪が広がり、つながればいいですね。
また伺いますので、よろしくお願いします!