2016-02-12

版元ドットコムの情報交換会に行ってきました

このところ、幾分昼間の寒さが緩んできたように感じます。
週末の兵庫は、最高19度くらいまで上がる予想とのことです。いよいよ、春が近づいてきた感がありますね。




★版元ドットコムの情報交換会


さて、本題です。
1月14日(木)に、版元ドットコムの情報交換会があり、参加させてもらいました(私は「会友」として末席に入れて頂いています)。

図書館員の皆さんは、同団体のことをあまりご存じない方が多いかもしれませんね。
版元(出版者)が、それぞれのつくった本の情報をインターネット上で公開・提供することを目的に活動されています。200以上の版元さんが参加されており、出版の世界ではよく知られた団体です。

同団体は関東での活動が多いのですが、今回は取次大手・大阪屋さんをお招きして大阪で情報交換会を行うとのことで、参加してきました。





★当日の論点&雑感


当日は20ほどの比較的小規模な版元が集まり、大阪屋さんを囲むような格好で、議論や情報交換を行いました。
ざっくり言えば、この日の論点は「まちでどう本に接するようにするか」から始まり、最終的に「いかに本を読んでもらうか」という核心へ移っていきました。



生々しいお話や経営に関する発言もありましたので、議論の詳細を記すことは控えたいと思います。当日の議論を経ての雑感のみ、以下に記します。

  • 図書館員は、社会でもっと本を活用してもらうための議論に、主体的に加わる必要がある。
    そしてその議論のベースとして、出版・流通についてもっと知っておくべき。そのためには、例えば以下のような項目について、ざっくりでも概況把握していなければ、こうした議論に加われない。
    • 出版市場規模と、それがどれほど縮小しているのか
    • それに対し、(公共)図書館で何冊ほどの本が年間に貸出されているのか
    • 日本にどれほどの出版者があるのか
    • まちの本屋が近年どれほど姿を消しているのか
    • 現在の本の流通制度がどのようになっているか、どのような課題があるのか

  • 版元・取次・書店は、本を読者に送り届けるパートナー。他方それと同時に、僅かな利益を分け合う競合的関係でもある。
    これからの本のあり方を議論する上で、パートナー全員が共存できる構造改革が欠かせない。市場の縮小、固定的な再販制度+委託販売、4割もの返品率、版元ごとに大きく異なる正味・・・といった課題にどう向き合っていくのか。返品率の改善を軸に、共存を論点にした新たなビジネスモデルを模索するべき。
    (その議論に、これも本の世界のパートナーである図書館はどうタッチしていくのか。これがまた難しい・・・)

  • 縮小する市場や読書離れといった課題に対して、本の業界としては、読書習慣の形成に努めるしかない。ブックスタートのように、子どもをターゲットとした読書の裾野をつくる活動に注力するべきではないか。
    そうした活動において、図書館は版元・取次・書店と一緒に行動できるはず。


私たち図書館員にとっても、「いかに本を読んでもらうか」という問題は非常に切実です。
版元・取次・書店の課題は、そのまま図書館の課題であり、かつ社会や文化の課題でもあります。私たちは、もっと出版・流通、あるいは読書そのものについて理解を深め、同じ世界の仲間として一緒に考え行動していくことが大切なのでしょう。

図書館員の皆さん、まずは出版・流通に興味を持って、こうした方々と話をしてみるところからスタートしませんか?



●れいこと

最後にまた、れいこ&きょーこの話を。

以前はれいこと、折々の季節の遊びを楽しんだものです。
この写真は、冬場にスケートに行ったときのもの。真冬だというのに、れいこは元気にはしゃぎ回っていました。


いつかきょーこが、こうしてれいこのようにスケートできる日が来るのでしょうね。
きょーこが成長し、一緒にスケートをする日が楽しみです。

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