2016-04-17

新入生にメッセージを送ろう!
(図書館オリエンテーションで伝えたい3つのこと)

熊本を中心にした大地震の被害が広がっているようです。
阪神大震災で被災した身として、その緊張感や疲労はよく判るつもりです。被災された皆さんに、お見舞い申し上げます。


多くの図書館でも、被害が出ているのではないかと思います。
ですがライブラリアンの皆さん、まずご自身やご家族の安全確保を最優先になさってください。軽々しくは言えませんが、長い目で図書館ができることを考えていけばいいと思います。



★新入生オリエンテーションの季節


さて、本題です。
大学/学校図書館では、新入生の授業も始まりましたね。早々に授業の中で、オリエンテーション(以下、「オリテン」)に取り組んでいるところも多いのではないでしょうか。
ウチも先日からオリテンが始まっており、連日オリテンの嵐です・・・。

そんな新入生オリテンですが、皆さんの館では、どんな話をされているでしょうか?
例えば、4月初旬の履修指導期間中、新入生全員が揃っている大教室で10分ほど話す機会があったのではないでしょうか。こういう場で、皆さんは新入生に何を伝えたでしょうか?





★新入生にメッセージを送ろう!


こうした場で、多くの図書館員は「開館時間は・・・」、「貸出可能冊数は・・・」、「指定図書という制度が・・・」などと延々説明しているのではないでしょうか?

率直に言えば、こうした利用ルールなどは、私は話さなくてもいいと思います。数日に渡って朝から晩までオリテンを受け、疲労困憊の新入生が、こうした細かい話を覚えておけるとは思えません。

こうした細かいテクニカルな話は、後で必要なときに改めて届けるなり、パンフレットを読むなりすればいいと思います。カウンターに1年生が本を借りに来たら、「10冊まで、それぞれ2週間借りられますよ」と言えば済むことかと。

私は、新入生にはもっと重要なこと、大学の学びの核心に近い部分を、ライブラリアンが自分の言葉と態度で、新入生に伝えるべきだと私は考えます。具体的には、以下の3点です。

  1. 高校と大学では、学び/研究が全く異なるものであること
    大学では一人ひとり学ぶ内容が異なり、特に卒業研究では自分自身だけのテーマに向き合うことを伝えます。またそれゆえに、各自での情報収集・評価・活用が必須となることを話します。

    口頭で伝える情報で一番大事なのは、間違いなくここだと考えます。この点さえ理解してもらえれば、図書館ユーザーとしてはもちろん、大学生としてのモチベーションが高まるはずです。

    ここでのポイントは、「大学図書館を使いましょう!」ではなく、「大学とはこういうところだ!」という説明にすることです。
    聞き手が「じゃあ、どうすればいいんだ?」と身を乗り出してから初めて、情報収集のために大学図書館がとても役立つことを伝えればいいと思います。

  2. レポートなどで困ったらライブラリアンを頼ること
    大学での学び/研究のために大学図書館が使えることが新入生が判ったら、次に伝えるのは、ライブラリアンのことです。
    大学図書館にはライブラリアンという専門職のスタッフがいること、レファレンス・カウンターという専門の場所で、調査・相談に応じていることを伝えます。
    困ったときにはここへ足を運べばいいこと、レファレンス・カウンターがどこにあるのかを、明確に伝えます。

  3. ライブラリアンに親しみやすさと信頼感を持ってもらうこと
    3点目は、言葉で伝えるものではありません。オリテンの短い時間の間に、私たちの話しぶりや態度で、どれだけメッセージ性を持たせられるかが勝負です。
    結果的に、入学後に各種オリテンを聞いた新入生に、「いろいろ聞いたけど、図書館の人の話が印象的やったな」、「図書館にまず一度くらい寄っておくか」と思ってもらえるかどうか、でしょう。

    特につまらない説明(失礼!)が一日続く中、1.の話を正面からできるライブラリアンの存在感は、新入生さんたちに強い印象と信頼感を与えるはずです(例の「印象づけ」の話ですね)。





★台本があっても


多くの図書館では、ガイダンスの台本があり、その通りに話すように決まっているのかもしれませんね。
私も台本があるオリテンでは、原則としてはそれからは逸脱しないようにしています。ですが、自分の言葉/態度で伝えることが大切だと考えていますので、ある程度自分でアレンジしています。

対象となる学部、その日の受講者数、履修指導期間中であればそれまでのオリテンや新入生さんたちの疲れ具合、教室の空気。
いろいろな要素がある中で、どうやったら新入生さんたちに一番メッセージが伝わるか、考えて話し方を変えるようにしています。

皆さんのオリテンは、いかがでしょうか?
私の考え方はこのようなものですが、各大学ごとに最適なスタイルがあるはずです。単に去年の台本を踏襲するのではなく、どういったメッセージを新入生に送るべきか、ご自身で考えて取り組んでみられてはいかがでしょうか。

肝心なことは、私たちライブラリアンが主体的に学生さんたちに向き合うことです。私たちライブラリアンが言葉と態度で、新入生さんたちにメッセージを送り、彼らの4年間が充実になるよう頑張ってサポートしていきましょう!



●れいこと

最後にまた、れいこ&きょーこの話を。

れいこが星になって、もう4年近くになります。そろそろ、れいことお別れをした6月も近づいてきました。
6月には、恒例になった「れいこパーティー!」を開催したいと思っています。


私たちにとって辛い思い出の時期ではありますが、凹んでいてはれいこが悲しむことでしょう。気落ちせず、明るく賑やかに「れいこパーティー!」を開いてやろうと思います。

近いうちにこのブログで、日程などをお知らせします。れいこを応援くださっていた皆さん、ぜひ遊びにいらしてください。きょーこにも、ぜひ会ってやってくださいね〜!

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