2013-12-28

図書館ブランディングは職員の意識から!
(兵庫県図書館協会研究集会「図書館ブランディングと図書館の役割」参加レポート)

クリスマスも過ぎ、いよいよ年末ですね。
ずいぶんと冷え込みも厳しくなってきましたが、皆さんお元気でいらっしゃいますか?


年末年始をどう有効に使おうか、いろいろと考えています。
図書館でのソーシャルメディア運用ポリシーについて、比較・分析している文献を読んでみようと思ったら、意外にそれらしいものがないのですね。

研究と言うほどでもありませんが、年末年始の時間を使って、自分であちこちの図書館のWebサイトでポリシーを比べてみようかとも思ってみたり。
それらしい研究があったら私のチャレンジは無駄そのものですので(汗)、どなたかぜひ教えてください。


○図書館ブランディングは職員の意識から!

12月27日(金)、兵庫県図書館協会の研究集会「図書館ブランディングと図書館の役割」に参加してきました。講師はご存じ、立命館大学・常世田良先生でした。


★図書館のブランディングは、職員の意識改革から


ご講演のテーマは「ブランディング」でしたが、予想に反して、いわゆるブランディング自体の話は、ほとんど言及がありませんでした。

普通このテーマで予想される内容は、「どのように図書館の魅力を伝えるか」といった方法論になるでしょう。ですが常世田先生のお話は、むしろ「伝えるべき図書館の魅力そのものがいかに重要か、どのようにそれを作っていくか」という点に軸を置いたものでした。

この日のポイントは、以下の点です(たぶん)。

図書館のブランディングは、職員の意識改革から。自分たちが何をし、それをどう伝えていくかが大事。
中身がないのに、CMだけ工夫しようしてもダメ。図書館は何を提供していくのか、しっかり考えること。


常世田先生は、兵庫県図書館協会が公共図書館をメインにした団体であることを踏まえ、従来型地方公務員の業務スタイルからの脱却について、その重要性を訴えられました。
いわく、国や県からの指示に従って仕事をしてきた地方の業務スタイルは、完全に過去のものとなった。今はいかに自分たちが考え、ニーズを汲み取り、サービスに価値を付与していくかが重要である、と。

「サービスの中身を成立させなければ、ブランドも何もない!」という言葉が、印象的でした。


★図書館にとって、チャンスの時代


公共図書館のみならず、図書館業界にとっては、今は冬の時代と受け止められているでしょう。
予算も人員も削減され、非正規化が進み(※)、上層部から決して高い評価を得られない・・・そんなイメージが強いでしょう。

(※)「非正規化」については、いろいろな難しさがあるとされていますが、私は雇用形態の不安定さという面を最大の課題として認識しています。決して、その形態で働くスタッフを低く評価するものではありません。私自身はむしろ、現場を支える重要なプレイヤーであると認識しています。


常世田先生のお話のもう一つ重要なポイントは、このイメージの否定です。
自己判断・自己責任の時代だからこそ、情報がいかに重要であるか、ということを訴えられました。情報の重要性はすなわち、図書館の重要性を意味します。図書館にとって今の時代は、自身の存在価値を高めていける大チャンスだとおっしゃるのです。

鳥取県立図書館のビジネス支援などを引き合いに、レファレンスを中心としたサービスの重要性、何よりニーズが確実に存在することについて説明されました。今ほどに図書館が求められ、そのニーズに応えられる時代はないとのことです。


私たちライブラリアンは、このお話をしっかりと咀嚼するべきでしょう。
その大チャンスゆえに、サービスをしっかりと確立し、ブランディングでそれを伝えていくことで図書館の価値が高まり、社会に貢献していけるのです。

私は常々、私たちの活動の目的が、自身の立場の改善や図書館の認知度の向上になってはいけないと考えています。
館種を問わず、図書館が自身の母体(自治体や大学など)にサービスし、それを通じて社会に貢献することが重要です。そしてその結果として、図書館が社会的なリスペクトを勝ち得ていくべきだと考えています。

常世田先生は、ライブラリアンへの直接的なメッセージとして「チャンス」と言われましたが、根底にあるのは社会貢献の思想だと思います。その点において、先生のお話は自分の考えに近く、強く首肯できるものでした。


★質疑応答


質疑応答タイムがありましたので、この日も臆面なく一番に挙手して、質問をしてきました。(笑)
私の質問は、「職員の意識が重要ということが一番のポイントだと思うが、現場の職員のそうした意識や考えていることを、自分の上長や組織の上層部に伝えていく上でのアドバイスを頂きたい」というものでした。

それに対し、常世田先生は以下のアドバイスをくださいました。

  • 直属の上長が聞く耳を持たないのであれば、必ずしもそのラインに拘らなくてよい。その上であってもいいので、耳を貸してくれる人に伝える。上長が耳を貸す人を探し、その人を説得することで上長を頷かせる。
  • 外部を上手に使うことも必要。例えば、メディアのチカラは絶大。例えば新聞などに掲載されることによって、組織内からも認知され評価される。それがサービスアップに繋がる。
  • 伝えたい人にバッタリ会ったときに、30秒で言いたいことを言えるようにしておく。例えば、上層部の人間とエレベーターに一緒に乗り合わせたとき、30秒で何を伝えるのか日頃から考えておく。

30秒でのメッセージ・・・なるほど、いろいろと考えさせられます。年末年始の宿題を頂きましたね。(笑)

とても貴重な学びの機会を頂き、感謝しています。常世田先生、お誘いくださった宝塚市立図書館の某先輩、ありがとうございました!


★余談?


この研究集会の内容については、私のツイートのまとめを作成していますので、併せてご覧ください。

・・・それにしても。
この研修には30人以上参加していたはずですが、他の参加者のツイートは見つけられませんでした。パッと見た感じ、誰もPCやタブレットも使っていなかったようですし・・・公共図書館の方々には、ツイートする習慣があまりないのでしょうかねえ?
前にトモンケンに言ったときに同じようなことを口にしたら、「それが普通だ、それに驚くことに驚く」と言われてビックリしたことがあります。

私自身は、こうした学びの場をTwitterやfacebook、ブログなどで発信することが、非常に重要だと感じています。
ライブラリアンがこうして日々研鑽していることをアピールすることで、社会的な信頼感を得られると思います。また、ライブラリアン同士が発信し合うことで、お互いの学びに繋がります。

もしその場でツイートすることにどうしても抵抗があるのでしたら、帰宅してからfacebookやブログに書いてもいいですよね。このブログをご覧くださっている皆さんにも、ぜひ情報発信に取り組んで頂ければと思います。



●れいこと

最後にまた、れいこ&きょーこの話を。
前にも書きましたが、このブログやTwitter@fight_Reiko@karatelibrarianのプロフィールをどうしようか、ずっと悩んでいます。


@fight_Reikoはともかくとしても、図書館ネタをメインにしているこのブログや@karatelibrarianのプロフィールを、いつまでもれいこの闘病中のままにしておくのはどうかな・・・と、この1年半あまりずっと苦悶しています。

編集するのは簡単なことですが、れいこの闘病が無かったことになるようで、手を付けられないまま1年半経ってしまいました。
れいこのセカンド・バースデーのときにチャレンジするつもりだったのですが、どうしても踏ん切れないままになってしまいました。

今回、年末年始という節目の時季でもありますし、これを機に思い切って取り組んでみようかとも思っています。


でも、れいこ。
お前の闘病を決して忘れるワケじゃないけんな!いつまでも、いつまでも、永遠にずっと愛しているぜい!大好きやぞ、れいこ〜!!

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