私が支部長を務めています、ダイトケン兵庫支部9月例会として開催されたこのイベント(開催主旨やプログラムについては、こちら)。
もともと私的なイベントとして考えていたものでしたが、県下で長く愛されてきた海文堂さんへの敬意と感謝を示すべく、ダイトケン兵庫支部企画としました。
この日は3連休の中日でしたが、10名の方々が集まってくださいました。遠くは三重、堺からも来てくださった方々がいらして、本当に嬉しい限りです。
さて、久しぶりに訪れた、海文堂さん。改めて別れを惜しむ気で店内を見渡せば、本当に魅力的な書店です。
ここの特長の一つは、その名のとおり、海に関する資料の多さです。国内屈指と言われる海事書コーナーは、今もなお圧倒的な品揃えを誇っています。
単に海事に関する専門書だけでなく、例えば海を舞台にした小説、貿易に関する書物など、関連分野の図書や海に関する各種グッズまで売っています。
この日特に印象的だったのは、入口近くに設けられた、店員さんが本当に好きな本を並べているコーナーでした。
全ての本(!)に手書きPOPと店員さんの名前が添えられていて、これだけでも海文堂さんが長く地元・神戸で愛され続けた理由が判ります。
私はそのコーナーから「雪虫」、そして武道の棚から「カラテ究極の練習法」を買いました。
そして忘れてはいけないのは、もう1冊こちら!
閉店が決まった後の海文堂さんを撮った写真集「海文堂書店の8月7日と8月17日」です。
発売は何と、9月21日発売。私たちが行った前日です。9月末の閉店まで、販売できるのは、わずか10日間。
この本に、一体どれほどの思いが籠っていることでしょう。最後の10日間のためだけに、このような企画をし、刊行してくれた海文堂さんと出版社の夏葉社(なつはしゃ)さんの心意気。本当に、感謝と敬意を捧げたいと思います。
海文堂さんでの1時間は、本当にあっという間でした。
海文堂さんを出た後の懇親会で、私たちはお互いに買った本を紹介し合いました。海文堂さんの魅力、そして別れを惜しむ気持ちとで、私たちは楽しくて寂しいひとときを過ごしました。
この日、私たちは改めて、紙の本の魅力、書店の魅力を感じました。
様々な図書に書かれた情報。著者の思いや情熱。その手触りやインクの香り。そして、無数の本が並ぶこうした書店が、自分たちのまちに存在することの意味。
私は今、自分の高揚感や寂寥感を、ここで伝える術を持たないことに、失望しています。
今はただ、皆さんにぜひこの書店を訪れて欲しいとだけ、伝えたいと思います。
●れいこと
最後にまた、れいこ&きょーこの話を。
先日、お兄ちゃんの運動会があって、中学校に応援に行きました。
お兄ちゃんは陸上部で足も速く、市内でも1桁に入ったスプリンター。今年も、まずまずの活躍ぶりでした。
ですがこの日は、いささか辛い応援になりました。
本来であれば、れいこは今年、中学校1年生。このグラウンドで、お兄ちゃんと一緒に走っていたはずなのです。
れいこの友達が、元気に楽しく走っている運動会。
そこに、れいこの姿はありません。
運動会には、いろいろな思い出があります。れいこは、小さい頃から元気に毎年参加していました。かけっこで1番も取りました。
一昨年は発病後3ヶ月、先生や友達に支えられての運動会でした。
半身が麻痺しているのに、自分で出場を決めたれいこ。片足で走り、組体操をするこの日のれいこの頑張りには、本当に涙が流れました。
あれから2年、今回の運動会に、妻は応援に来られませんでした。来ていても、きっと最後までいられなかったことでしょう。
どれほどきょーこが元気に育ってくれていても、れいこを失った私たちの悲しみや寂しさは、いつまでも消えません。
嫌になるほど、空が、青く高く感じられた一日でした。
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