2016-02-21

【お誘い】図書館について語り合う会@2/26(金)東京

(2016.2.23加筆修正 流動的だったプランを、ずいぶん変更しました)

今週は、レファレンス協同データベース事業フォーラムがあり、企画協力員として私も参加してきました。埜納タオさんをお招きしたこともあり、素晴らしい会となりました。

そのレポートも書きかけているのですが・・・まずは時間に余裕のない、今回の告知から先にアップします。




★【お誘い】図書館について語り合う会@2/26(金)東京


今月26日(金)に、KEIO 大学図書館国際フォーラム「研究支援と図書館 ~研究サイクルを取り巻く『混沌』に図書館はどう向き合うか~」に参加することになりました。

開催主旨が素晴らしいことに加え、慶應義塾大学の市古みどりさん、ORCIDの宮入暢子さんといったパネリストが登壇されることもあり、参加することにしました。しっかり勉強したいと思います。

・・・で、せっかくの上京機会ですので、当日夜に図書館について語り合う会を開催することにしました。
そして偶然にも、ちょうどこの日、「『ささえあう図書館』―TSUTAYA図書館からは見えてこないもの 岡本真さん×鎌倉幸子さん×猪谷千香さんトークイベント」という素晴らしいイベントがあることを発見!

このイベント終了後、岡本さんをお誘いして以下のとおり開催することにしました。皆さん、ぜひご参加ください。
(上記フォーラムやトークイベントへの参加は、必須ではありません。図書館について語り合う会だけに参加頂くのでOKです)


★図書館について語り合う会@2/26(金)東京

【日時】
2016年2月26日(金)21:00過ぎ~(遅刻・早退でも歓迎!)
【場所】
三幸園 白山通り店(東京 神保町)
【参加資格】
図書館に関心のある方なら、どなたでも(上記フォーラムへの参加者限定ではありません)。特に、以下の方々を大歓迎します。
  • 図書館員の場合、特に専任でない方、派遣・委託の方(所属を公開しにくい方は、伏せてOK)
  • 版元さん・取次さん・書店さん・ベンダーさんといった、図書館に関わりのある方
  • 日頃あまり外に出られていないけど、他の図書館員とつながりたい方
  • 私と面識のない方、すっかりご無沙汰の方
【定員】
最大12名程度(先着順)
【参加費】
4,000円程度?(参加者で割り勘)
【お申し込み】
karatekalibrarian@gmail.com宛メールにて。お名前・(支障のない範囲で)ご所属をお知らせください。2月25日(木)頃まで募集する予定。


ちなみに前回の上京時は、「東京で『空手家ライブラリアン』井上昌彦さんを囲む会」を開催頂いたのですが、幹事の梅澤さん(中央大学)たちの集客力が凄まじく、60人近い大パーティーになりました。(笑)

今回は直前の募集でもありますし、ちんまりとやろうかと考えています。皆さん、ぜひ東京でご一緒しましょう!



●れいこと

最後にまた、れいこ&きょーこの話を。

近頃ますます、お利口になるきょーこ。2歳半ともなると語彙も増え、いろいろと判ってきます。
先日も空手に行こうとしていた私の道着を見て、「おとうちゃん、からて・・・?」と。道着や帯を強奪し、何故か雄叫びを上げていました。


きょーこのこうした姿を見ると、れいこと二人で空手に通っていた頃を思い出します。
思うところあってきょーこに空手はさせませんが、れいこの元気な姿と重なり、嬉しくも寂しい想いです。

2016-02-12

版元ドットコムの情報交換会に行ってきました

このところ、幾分昼間の寒さが緩んできたように感じます。
週末の兵庫は、最高19度くらいまで上がる予想とのことです。いよいよ、春が近づいてきた感がありますね。




★版元ドットコムの情報交換会


さて、本題です。
1月14日(木)に、版元ドットコムの情報交換会があり、参加させてもらいました(私は「会友」として末席に入れて頂いています)。

図書館員の皆さんは、同団体のことをあまりご存じない方が多いかもしれませんね。
版元(出版者)が、それぞれのつくった本の情報をインターネット上で公開・提供することを目的に活動されています。200以上の版元さんが参加されており、出版の世界ではよく知られた団体です。

同団体は関東での活動が多いのですが、今回は取次大手・大阪屋さんをお招きして大阪で情報交換会を行うとのことで、参加してきました。





★当日の論点&雑感


当日は20ほどの比較的小規模な版元が集まり、大阪屋さんを囲むような格好で、議論や情報交換を行いました。
ざっくり言えば、この日の論点は「まちでどう本に接するようにするか」から始まり、最終的に「いかに本を読んでもらうか」という核心へ移っていきました。



生々しいお話や経営に関する発言もありましたので、議論の詳細を記すことは控えたいと思います。当日の議論を経ての雑感のみ、以下に記します。

  • 図書館員は、社会でもっと本を活用してもらうための議論に、主体的に加わる必要がある。
    そしてその議論のベースとして、出版・流通についてもっと知っておくべき。そのためには、例えば以下のような項目について、ざっくりでも概況把握していなければ、こうした議論に加われない。
    • 出版市場規模と、それがどれほど縮小しているのか
    • それに対し、(公共)図書館で何冊ほどの本が年間に貸出されているのか
    • 日本にどれほどの出版者があるのか
    • まちの本屋が近年どれほど姿を消しているのか
    • 現在の本の流通制度がどのようになっているか、どのような課題があるのか

  • 版元・取次・書店は、本を読者に送り届けるパートナー。他方それと同時に、僅かな利益を分け合う競合的関係でもある。
    これからの本のあり方を議論する上で、パートナー全員が共存できる構造改革が欠かせない。市場の縮小、固定的な再販制度+委託販売、4割もの返品率、版元ごとに大きく異なる正味・・・といった課題にどう向き合っていくのか。返品率の改善を軸に、共存を論点にした新たなビジネスモデルを模索するべき。
    (その議論に、これも本の世界のパートナーである図書館はどうタッチしていくのか。これがまた難しい・・・)

  • 縮小する市場や読書離れといった課題に対して、本の業界としては、読書習慣の形成に努めるしかない。ブックスタートのように、子どもをターゲットとした読書の裾野をつくる活動に注力するべきではないか。
    そうした活動において、図書館は版元・取次・書店と一緒に行動できるはず。


私たち図書館員にとっても、「いかに本を読んでもらうか」という問題は非常に切実です。
版元・取次・書店の課題は、そのまま図書館の課題であり、かつ社会や文化の課題でもあります。私たちは、もっと出版・流通、あるいは読書そのものについて理解を深め、同じ世界の仲間として一緒に考え行動していくことが大切なのでしょう。

図書館員の皆さん、まずは出版・流通に興味を持って、こうした方々と話をしてみるところからスタートしませんか?



●れいこと

最後にまた、れいこ&きょーこの話を。

以前はれいこと、折々の季節の遊びを楽しんだものです。
この写真は、冬場にスケートに行ったときのもの。真冬だというのに、れいこは元気にはしゃぎ回っていました。


いつかきょーこが、こうしてれいこのようにスケートできる日が来るのでしょうね。
きょーこが成長し、一緒にスケートをする日が楽しみです。

2016-02-06

今年も大学図書館職員短期研修@東京にて、お話ししてきました!

いよいよ、年度末が迫ってきましたね。
利用者さんのために、ラストスパートといきたいところです。よりよい図書館、よりよい社会をつくるために、私たちライブラリアンで頑張りましょう!




★大学図書館職員短期研修@東京


さて、訳あって今さらのご報告です。
先日もご報告しましたが、大学図書館職員短期研修の東日本会場でも、お話ししてきました。担当した講義は、西日本会場と同じく「大学図書館員のスキルアップ法」です。

東日本会場は、主催が東京大学さん、共催および会場提供は国立情報学研究所(NII)さんでした。
西日本会場も含め、全国から集まる若手ライブラリアンに、今年度も自分の思いを伝えられたことを、本当に嬉しく思います。

過去に同研修でお話しした際のレポートは、こちら(先日の西日本会場/昨年度の西日本会場/同・東日本会場)。




★お話ししたこと


当日の講義では、おおむね西日本会場と同じ内容、同じポイントでお話ししました。主なポイントは、以下のとおりです。

  • 自分に必要なスキルは何か、スキルアップには何が必要か。それは、自館や大学の状況に応じて、自分で考えるべき。
  • 目線の高い仲間と一緒に頑張ることで、いろいろな気付きがあり、それが成長につながる。大勢の仲間とつながり、学ぼう。
    スキルはむしろ枝葉、仲間と成長しようという気持ちこそ幹。自分の幹を、高く太いものに!
  • 伝統的サービスで、高い評価を勝ち取れなかったライブラリアン。では、これからは?


スライドはNIIさんの公式Webサイトにて公開されていますので、そちらをご覧ください。



★アンケートを拝読して


受講者アンケートも拝読しましたが、やはり受け止め方にもずいぶんと温度差があるようでした。
私のメッセージは、多くの方々に受け止めて頂いたようで、非常に嬉しいお言葉を多く頂きました。



一方で、中には厳しい意見もありました。
「幹」に拘って「枝葉」を軽んじている、自分の話ばかり、等。こう見えて打たれ弱いので凹みますし、反省することしきりです。

ですが前から言っていますように、当たり障りのないことをお話ししても、あまり意味がないと思っています。
一部の方にだけでも強いメッセージを届け、ご本人が真剣に考えるきっかけを差し上げることが重要だと考えています。全員に10を届けるより、一部の人に100の気持ちを伝えたいと思います(結果、他の人に10すら届かなくても仕方ありません)。

ささやかながら、これは話し手としての私の信念のようなものでしょうか。
自分の信念とミッションに従い、これからも頑張っていきたいと思います。


・・・とは言え、大半の方々が好意的に受け止めてくださったようで、本当に嬉しく思っています。
受講くださった皆さん、ありがとうございました!もし私の話がヒントになったのでしたら、ぜひ行動につなげてください。

また、事務局の皆さん、貴重な機会をありがとうございました!
この短期研修の事務局は、毎回素晴らしい運営をしてくださり、いつも講義だけに集中できます。本当に感謝しています。



★「東京で『空手家ライブラリアン』井上昌彦さんを囲む会」


当日の夜は、「うめちゃん先生」こと梅澤貴典(中央大学)さんがメイン幹事をしてくださって、こうした会を開いて頂きました(実は自分で「飲み会やってや~」とねだったのですが)。

うめちゃん先生や幹事の皆さんの人望で、何と総勢59名(!)もの方々がご参加くださいました。私自身初対面の方も何人もいらして、嬉しい出会いと交流の場になりました。



あまりに嬉しくて、翌日の昼から関西で仕事なのに、2時過ぎまで飲んでしまいました。そのおかげで3時間しか寝られず、仕事に帰る羽目になったのですが・・・。(涙)

ご参加くださった皆さん、うめちゃん先生&幹事の皆さん、ありがとうございました!



●れいこと

最後にまた、れいこ&きょーこの話を。

今月、きょーこは2歳半になりました。
ここまで大きな病気やケガもなく、元気に育ってくれています。


(お兄ちゃんから墜落したこの写真のときは、背骨骨折かと思いましたがw)


このまま、元気に育ってくれますように。
私たち夫婦の願いは、ただそれだけです。

きょーこ、れいこ姉ちゃんも見守ってくれよるけんな。
このまま元気に育ってやな!

2016-01-30

大学図書館員の専門性って何やろね・・・?
(高等教育研究会の大学職員フォーラムに参加して)

私学の皆さんは、そろそろ大学入試業務の頃でしょうか。私も、近々数日の入試業務が予定されています。
普段以上に、絶対にミスがあってはいけない仕事です。体調管理をしっかりとして、ベストコンディションで臨むのも、またプロの責務ですね。




★高等教育研究会の大学職員フォーラムに参加して


さて、本題です。
先日、高等教育研究会の表記のフォーラムに参加してきました(開催主旨等)。

この記事のタイトルには「大学図書館員」と書きましたが、本来のフォーラムの主旨は、大学事務職員全般の専門性を考えるものです。
「大学図書館員の専門性って何やろね・・・?」というのはフォーラムの主旨ではなく、フォーラム後に私が考えていることですので、お含みおきを。

ここ1〜2年くらい、こうした図書館員対象以外のフォーラムに参加していますが、学ぶところ大です。図書館の専門性を考えるからこそ、その中だけに閉じこもっていてはいけないと思います。

それに、違うフィールドで努力している意欲ある方々にお会いし、いつもと違う刺激や向上心をもらうことも大切ですよね!




★主なトピック


以下、登壇者別に印象的だった点をまとめてみます。

  • 基調講演「『専門的職員』、『高度専門職』を巡る検討の経緯と課題」(公立大学法人横浜市立大学教育推進課・菊池 芳明氏)
    • 中教審や教育再生実行委員会等での議論を引きながら、ここまでの「専門的職員」論を要約。大学職員が日本的な「メンバーシップ型」の雇用をされていること、それが基本的に専門性と相反する制度であることを指摘。
    • 高度な専門家の設置を含め、経営者と人事部門がプロでないと、大学の人事制度設計や円滑な運用が難しいのではないか、という指摘は核心。
    • メンバーシップの高度化と、URA(University Research Administrator)のようなジョブ型の専門職の設置を一緒に議論してしまったことが誤りではないか、という指摘にも首肯。

  • 話題提供1(京都大学学術研究支援室・天野 絵里子氏)
    • 大学図書館員からURAへ転身した講師から、URAの業務やその実情について説明。
    • ご自身の経験に照らし、基盤的知識・経験的知識・感情的知識・戦略的知識の4要素から、自分を見つめ直すことの必要性を語られていたことには説得力。
    • 大学の人事制度については、一貫・明示された人的資源管理の必要性を指摘。

  • 話題提供2(龍谷大学文学部教務課・小野 勝士氏)
    • 元々法学を学んでいたことをベースに、現在文学部に在籍しながらもなお、教員免許事務の専門家として活躍されている現状について、説明。法学という自身の強みをもとに現職務を超えて貢献するスタイルは、専門性を持った職員像のある種のモデルケースか。
    • 本来、大学にはどういった専門職が必要なのかという議論が欠けているという指摘は、この日出た最も重要なポイントの一つ。
    • 圧倒的なパフォーマンスで通常業務をこなすことによりこうしたスタイルを周りに認めさせる、という講師の姿勢は、大切なヒントになり得る話。

併せて勉強になったのは、コーディネーターの重要性です。
ともすれば単なる司会進行になりがちですが、この日の中元崇氏(京都大学医学研究科教務・学生支援室)は明らかに違いました。冒頭の論点整理、議論に応じた適切な人材(フロアを含めて)への振り、質疑応答への対処。

コーティネーターはこうでないと、と思える仕事ぶりでした。今までの自分の乏しいコーディネーター経験を振り返り、多分に見劣りと反省を胸にしました。




★雑感


このフォーラム後に、取り留めもなく考えたことを。

  • やはり重要なのは、大学の中で職員をどう位置づけるかという議論か。職員の専門化・高度化といったものが、単なるスローガンになっていないか。職員はどういった仕事をするのか、どういった専門職を置くのか(あるいは置かないのか)、議論し共有することが不可欠。

  • それと併せて重要なのは、職員の評価・処遇。優秀な結果を出したり高度な能力を持つ職員をどういったポストに付け、どう評価するのか。評価をどのように、給与や処遇に反映させるのか。また、それと連動し、どういった人事異動をさせるのか。

  • さらにこの話を、私学の大学図書館員に限定して考えることも重要か(国立大学では、大学図書館員は基本的にそうした身分として採用されているため、ここでは除外)。
    • 容易にイメージできるのは、国立大学的モデル。どういった人材が必要か大学全体で議論した上で、図書館員枠を設ける。募集・育成・評価も独自で、ずっと図書館配属。
    • 他方、私は図書館固定で働くことには反対。大学図書館員は大学の構成員である以上、外の世界を知らない訳にはいかない(私の場合も、知財本部での勤務経験が、明らかにその後の人生を変えた)。
      例えば上記のような国立大学モデルを原則としつつ、キャリア(特に前半)の一定割合を他部署で働く、といった形が理想か。
    • 期待できる若手には、JUSTICEのような外部の機関に出向させたり、私学同士で人事交流をさせたりする。例えば、関関同立の間で、2年スパンくらいで若手を派遣し合うとか。
      外に出すなら、図書館だけに限定せず、日本私立大学連盟や私学共済などへの出向も、間違いなく有意義のはず。

・・・とは言うものの。
様々な制度設計は大切ですが、図書館員(あるいは大学職員)が専門職だと認知させるには、一にも二にも日々の仕事ではないかと思います。

日々のサービスでもって、教員や学生からリスペクトを得たり、専門職としての評価を勝ち取ったりするべきなのでしょうね。
自分たちがどうこう言わなくても、周りが専門職だと認めるような図書館サービスを、プロとしてやっていきましょう!


(余談)
図書館を離れての学びの場としては、私は2月13日の「京都ギャップイヤー事業から考えるアクティブラーニングの可能性」や、3月12日の大学教育改革フォーラム in 東海に参加します。
ライブラリアンの皆さん、ぜひこうした場へ出ていきましょう!


(2016.1.31追記)
とても重要なことを書き忘れていました・・・。
当日の様子は、「Clear Consideration(大学職員の教育分析)」で詳細にレポートされています。このブログなどは比べ物にならない詳細な報告と、考察がなされています。大学職員にとって必須のブログですので、ぜひそちらも。high190さん、ありがとうございます!




●れいこと

最後にまた、れいこ&きょーこの話を。

最近ますます自我の強くなってきたきょーこ、お風呂上がりのバスタオルは絶対に外しません。アンパンマンのマネでマントにして、「きょーちゃんマン!」と言って走り回ること、しばしば。(笑)


そんな最中、先日はきょーちゃんマンではなく、謎の小人さんがわが家に出没しました。家中を、勝手にチョロチョロ。どうにもユーモラスな感じで、笑いが止まりません。

こうして笑いを絶やさず、きょーこが元気に育ってくれたらいいな〜!

2016-01-21

図書館員の皆さん、ORCIDはご存じですか?

1月から更新が滞りがちな、このブログ。
すべては自分の怠慢によるものですが、正月に掲げた今年の抱負も、どうなるやら。




★ORCIDの勉強会に行ってきました


さて、本題です。
年末ですが、ORCID(=オーキッド)の勉強会に参加してきましたので、今さらながらレポートしておきます。

(ORCIDはひと言で言えば、世界中の研究者に一意のIDを与えることを目的に非営利団体・プロジェクトです)

勉強会の講師は、ORCIDのRegional Director, Asia Pacificの宮入暢子さんでした。ORCIDの中の方から、その役割や目指すところを伺い、ようやくその重要性や意義を理解することができました。

結論としてお伝えしたいことは、以下の2点です。
  • ORCID、素晴らしい!これは日本でも普及させるべき。
  • 普及させるために、大学図書館が前向きになることも大切。まず誰かに声をかけるところからでもいいので、何かアクションを。

以下、この記事は、主にORCIDをご存じない大学図書館員を主な対象に、情報提供と呼びかけをするものです。



★ORCIDに関する情報源


皆さん、ORCIDのことは、どれくらいご存じでしょうか?
恥ずかしながら私はこれまで、「世界共通の研究者IDやろ?」くらいにしか思っていませんでした。きっと多くの皆さんも、そういった認識ではないでしょうか。

ですがORCIDは、単なるID付与に留まりません。
複数のシステム間をつなぐ、非常に機能的なシステムです。海外では相当普及しつつあり、日本の学術界でも普及させるべきものだと思います。
(そもそも学術の世界において、日本だけが使用しないという選択肢があるわけもないと思いますが)

ORCIDについて知りたい方は、以下のリンク先がおススメです。





★ORCIDの特長


ORCIDについて私なりに特長をまとめれば、以下のようになるでしょうか。

  • 研究者の特定
    研究者個々にIDを付与し、個人を識別できる。
    日本人の場合、アルファベット化・イニシャル化されることで、識別が非常に困難になる。例えば、ノーベル賞受賞の田中耕一氏を「K.Tanaka」で表記する結果、多数の同じ表記の人物と識別することが非常に困難に。同じ表記の人が同じ大学・学部にいると識別は困難を極めるが、実例は少なくない。
    (アジア人に査読依頼が少ないのは、個人特定が困難なことが一因とされる)

  • 研究者主導、自身が情報コントロール可能
    自身がユーザー登録し、プロフィールの公開範囲やどこへリンクを許可するか、自由に決定できる。さらに、研究者の登録は無料。

  • 他の識別子/システムとのリンクによる相互運用性
    主要出版社の論文投稿システムには、ORCIDと紐づいているものが多い。論文投稿の際自分の論文・査読実績等を自動取得したり、各システムからORCID登録したりすることもできる。ORCID IDでログインできるため、複数のID・パスワードを使い分ける必要もなくなる。
    論文データベースにも、ORCID IDは多く収録されている。例えば、Web of Scienceでは500万レコードに対し、DOIで識別した論文にORCID IDを表示する。

  • 海外での普及実績・デファクトスタンダード化
    すでに180万人の研究者が、ORCIDに登録している。Springer Nature社や英国王立協会、PLOSのように組織をあげてORCIDの活用に取り組んだり、イタリアのように国として登録を促進する事例も増えてきた。

  • 熟考されたシステム/操作性
    • 所属大学等により各項目に対してデータを付与できるため、身分証明や個別の研究に証明を出すこともできる。
    • 代理入力者を指定することで、例えば共同研究者などが研究実績を入力できる。
    • 新規論文が完成した際、研究者はメールを受け取りOKするだけで、ORCIDのレコードに研究業績を反映させられる。
    ・・・などなど。

思い付くままに書きましたが、我ながらちっとも巧くまとめられていません。(苦笑)
勉強会でデモを見ながらお話を聞いたときは、「おお〜、これはスゴい!」と思ったのに・・・。

このブログを読むよりも、現役ライブラリアンのブログなら@Keita Bandoかささくれを読んでもらった方が、きっと役立つような。




★雑感


最後に、その他もろもろ。

  • ORCIDは素晴らしいプロジェクトだが、日本は本当に後発・・・というか、まだまだ未着手。技術的な課題ではなく、組織として積極的に取り組むかどうか、という姿勢の問題か。宮入さんによれば、「日本は蚊帳の外」。
    近い将来、海外のプロジェクトや論文投稿などでORCID登録が必須になったとき、慌てることがほぼ確実(一部では、ORCID登録はもうすでにマストの様子)。

    (2016.1.22追記)上記の「蚊帳の外」について、講師の宮入さんから以下のコメントを頂きましたので、掲載します。

    これはORCID側が日本を「蚊帳の外」と思っているわけではなく、むしろその逆です。日本以外でかなり盛り上がっているCrossrefによる自動アップデートにしても、出版社によるORCID義務化にしても、日本ではあまりニュースになっていません。「海外で進んでいる研究者識別子の話」として、自分の仕事には関係ない、と思っている方が多いようです。また、ご指摘のとおり、日本の大学では図書館よりもURAの方がORCID対応するべき、という声はよく聞くのですが、そのような学内協議をしているうちにも事態は進んでいて、すでに3,000誌以上のオンラインジャーナルでORCIDの入力が可能で、ORCIDアンケート調査では4割以上の研究者が「いちばん最近の論文投稿でORCIDを提示した」と言っています。ORCIDについて身近なサポートが受けられずに困るのは研究者の方々であり、ORCIDとは何か、どう役に立つのか、(部署ではなく)大学としてどう対応すべきなのか、という議論が進むことを願っています。

    文脈を伝え切れていませんでしたね。ご覧になった方に誤認させていましたら、申し訳ありません。宮入さん、コメントをありがとうございました。


  • 図書館界の中だけにいても、こうした素晴らしいプロジェクトを活用・支援できない(そもそも、大半のライブラリアンがまだORCIDの存在すら知らない?)。
    ライブラリアンはこうした試みにアンテナを張っておき、外部と連携し、学術界に貢献する意識が必要。例えば上記の香港浸会大学は、図書館がORCID相談窓口を設け、大学の中心になってORCID導入を推進したとのこと。

  • とは言え日本の大学では、図書館よりも研究推進部のような部署がメインになって推進する方が現実的とも思える。とりあえず私も、この勉強会の後すぐに、勤務先の研究推進部に情報提供してきた。

  • 日本で普及させるためには、科研費申請システムでORCID登録へのリンクボタンを設け、(任意でいいので)ORCID IDの取得を推奨するのが一番手っ取り早いように思えるが・・・?

とりあえずライブラリアンの皆さん、まずはORCIDのことを知り、誰かに伝えるところから始めてみませんか?
まず今日(そのうち、ではなく!)、「ねえねえ、ORCIDって知ってる?」と図書館の同僚や研究推進部の人に声をかけるところから、スタートしてみましょう!



●れいこと

最後にまた、れいこ&きょーこの話を。

今回はなかなかの寒波でしたね。東日本の方々は、かなり大変だったご様子でしたが、大丈夫でしょうか?

雪が積もると、いつもれいこのことを思い出します。
闘病が始まってから初めて帰省したとき、実家で雪が積もりました。左足が麻痺し始めているのにも関わらず、なぜか「武器を探してくる」と雪の中へ一人で散歩に行ってしまった、れいこ。(笑)


楽しいエピソードですが、雪を見るとれいこのことを切なく思い出します。


今回、きょーこに雪を見せてやりました。
きょーこと雪の楽しい思い出が、これから何回も何回も重なっていきますように!