2009-04-27

大図研兵庫支部例会に出席

急に、3月に戻ったかのような気温ですね。
昨日は昼間、職場の草野球があったのですが、とにかく寒かった!
小雨の中、震えながらの試合でした。

脚は攣りかけるわ、ノーヒットだわ、トホホでしたが、
お相手チームに、先日の勉強会でご一緒したK氏が来られていて、
わずかながらもお話できたことが良かったです。

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さて昨日は、大学図書館問題研究会の兵庫支部例会に
行ってきました。

 大学図書館問題研究会(通称 大図研=ダイトケン)
  http://www.daitoken.com/

この日のテーマは、「六甲アイランドのふたつの美術館を訪ねて」でした。
兵庫支部では、図書館の勉強ばかりではなく、いろいろな見聞を
広げるための企画や、会員の交流を図る企画を
しています。
今回はちょうど、そうした性格のものでした。

訪問したのは、「神戸ファッション美術館」と、「神戸ゆかりの美術館」です。

 神戸ファッション美術館
  http://www.fashi
onmuseum.or.jp/museum/index.html
 神戸ゆかりの美術館
  http://
www.city.kobe.lg.jp/culture/culture/institution/yukarigallery/index.html

これらは、六甲アイランドの同じ建物内に
併設されています。

六甲ライナーの「アイランドセンター」駅で
集合して、皆で現地へ向かいました。
六甲アイランドを訪れたのは、何年ぶりの
ことだろう??




この建物は、上の写真のような、ちょっと変わった構造でした。
支部長のいわく、「スタートレックの宇宙船」とのことで。(笑)

神戸ファッション美術館は、「マダム・グレの世界展 -究極の
エレガンス
-」と題する特別展示を行っていました。
マダム・グレは、パリの著名な女性デザイナーで、気品ある
多くの作品によって、「布の彫刻家」と呼ばれた方とのことです。

 マダム・グレについて(神戸ファッション美術館HP)
  http://www.fashionmuseum.or.jp/museum/special.html

私はこの分野は、本当のド素人で、何も説明できないのですが・・・
多くの展示を見て、判らないなりに感心してきました。

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続いて、神戸ゆかりの美術館へ。
こちらでは、「ふたつの世界-石阪春生・田中徳喜作品選
新収蔵作品を中心として-」
という特集展示をやっていました。
こちらの方も、全く判らないなりに、フムフム。

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最後に、神戸ファッション美術館ライブラリーを
訪問しました。
同じ建物の、3階フロアに併設されています。

左の写真が、エントランスです。
(写真のピントをうまく合わせられておらず、
ややぼやけていますが、ご容赦ください)


このライブラリーには、ファッションに関する資料を中心に、
図書約27,000冊、雑誌約380タイトル、視聴覚資料4,800点が
収集され、提供されています。

背の低いカレント雑誌架をうまく配置して、壁のようにゾーン分けを
行うことに成功していたのが印象的です。
窓際のデスクや椅子の仕様を含め、ゆったりとした空間を上手に
使っているように思いました。

資料もこの分野に特化しているだけあって、ユニークなものでした。
図書も雑誌も、私が見たこともないものが多数あって、
関係者にとってはさぞかし有用なライブラリーであることでしょう。
「オールドコレクションコーナー」には、19世紀ヨーロッパの
図案が多数収録され、著作権が切れているために自由に
コピーも取れるよう提供されていました。
これはあまり他で見ない、面白い取り組みだと感心しました。

分類も当然独自分類で、「衣」はもちろん、「食」、「住」、「遊」と
いったカテゴリーに分けられていました。
<納得いかない分類もありましたが。(笑)

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残念だったのは、館内が全面写真撮影禁止であったことです。
芸術的な著作物が多いので、仕方ないのでしょうか。
利用者は撮らないので、全体の雰囲気だけでも個人的に
撮らせて欲しい、とカウンターに申し出てみましたが、即座に
却下されました。(涙)
<ですので、館内の写真を、ここに貼ることもできません。

マナーの悪い利用者が多いのでしょうか。
「切り抜きされるので、この雑誌は出納方式」という内容の
紙が貼られている雑誌が、多数ありました。
館内での携帯・飲食・喫煙などに加え、ハサミやカッターの
利用禁止などが、(やり過ぎではないかと思うほど、)
掲示されていたのも、悲しい気持ちにさせられました。
それは、充実した資料から来る裏返しの感情なのかも
しれませんけれど・・・。

最後は非難めいた書き方になったかもしれませんが、
それでもこのライブラリーが、充実した専門図書館であることは、
よく分かりました。
館内も、そこそこの賑わいだったと思います。
こうした個性的な図書館を見学することは、その分野に関する
知識がなくても、多くの示唆を与えてくれるように思います。

特に関連分野の方は、一度このライブラリーを訪ねられては
いかがでしょうか?
<その際は、ご感想をぜひお寄せください!

2009-04-22

日本出版学会関西部会 「書物の解剖学-本を解体する-」に出席

前の記事でも書きましたが、昨夜、日本出版学会の関西部会に
出席してきました。
(・・・というわけで、「日本の知的財産戦略について」の続きは、
また明日以降に。)

 日本出版学会: 関西部会 「書物の解剖学-本を解体する-」
 http://www.shuppan.jp/event/event2008.html#090421


大図研でも何かとお世話になっているYさんから、今回の部会に
ついてもご案内頂きました。
Yさんのおかげで、私は非会員ながら、ときどき部会等に寄せて
勉強させて頂いています。

昨日は振替でお休みを頂いて、日中は娘の参観授業と懇談会、
それから某社にて、営業ツール作成に関する打ち合わせ。
(これも、またいずれ記事にします)
その後、日本出版学会と、時間ギリギリながらも、何とか
間に合うはず・・・・だったのですが。

前の2件の用事がいずれも予定より長くかかり、出版学会には
結局1時間遅刻する羽目に。(涙)

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上記サイトに記されていますように、この日は2部構成でした。
講師は、株式会社中西印刷・専務取締役の中西 秀彦さんでした。

 株式会社中西印刷
 http://www.nacos.com/nakanishi/
 (「中西秀彦のうんちくコラム」を、特にお薦めします!)

中西さんのお話は、ユーモアに満ちていて、いつも非常に
面白いです。
歯切れのよい口調と、どこかバッサリ切って捨てるような(失礼!)
独特の切れ味が、絶妙です。
今回も前の所用で時間的にはタイトだったのですが、中西さんの
お話とあって、無理をして出かけました。

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この日、まずは、実際に本の解体を行いました。
見返し、寒冷紗(かんれいしゃ)をはがし、表紙を切り取って、
スピンと花ぎれを取り出します。
背の固めを確認し、丁合の綴じ方を観察します。

ここまでが約1時間かけて実習されたのですが・・・
私が雨中をダッシュして、会場に飛び込んだのが、この時点。
すでに、途中休憩に入るところでした。(泣)

会場は、ほぼ満員という盛況ぶり。
私はテーブル席がすでになく、通路の椅子席に座らなければ
いけないほどでした。
休み時間は、お世話になった方々に新しい名刺を配りつつ、
異動のご
挨拶をしている間に終了。

休憩は、頂いたフォント表(写真参照)により、
本文のフォントを 調べて、を測りました。
他にも、非常に上手に寒冷紗を切り取った方が
いらしたので、 それを回覧して見せて頂くなど、
ユニークな講義でした。







改めて気付かされましたのは、図書館で仕事をしているにも
関らず、本のことを本当に知らない、ということです。

今回のように分解する間でもなく、本は多くの要素から成って
いますが、それらについて、どのくらい知っているでしょうか?
<自虐的質問?

「寒冷紗」などといった物理的な構成要素の名称だけでも
相当の数ですし、フォントといった文字の要素や編集・
加工といった要素について、全くといっていいほど、
知らない自分に気付かされました。

今さらながらも、これからはもう少し本そのものにも関心を
持っていこう、と固く決意してみる私。

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後半は、印刷の歴史について、「500年の歴史を、30分や
そこらで話せるわけがない!」と言いつつ、教科書どおりでは
ない、いろいろなエピソードをお聞かせくださいました。

百万塔陀羅尼は、それが持つ意味合いの割に残存が多い
印刷物であるため、価格が動きやすく、物価のバロメーターに

なっているという笑い話(?)もありました。
当日の配布資料の写真なども、一つ一つが、図書館員なら

思わず食いついてしまうような ものばかり。(笑)

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さて時間の都合で、質疑応答もほとんどないまま、講義は

終わり、意気揚々と二次会へ。
20名以上が二次会へ流れ込み、異様な感じもしましたが。(笑)

二次会では、いろいろな方とお近づきになることができました。
大学の先生方、国会図書館、古書店、出版社、新聞社、
大学図書館の方などなど。
やっぱり、当たり障りのないご挨拶をするだけよりも、
一緒にビールを飲んだ方はお近づきになれますよね?(笑)
昨日お会いできた方々とのご縁に、感謝感謝です。

私は名刺交換だけの挨拶はしたくありませんので、
知り合った方とは少しだけでも、お話をしたいと思っています。
こうした二次会のような場で知り合えて、お話ができた方とは、

後々の御縁になっていくのではないか、と期待。
<妄想?

結局二次会も、最後まで残ったメンバーは、終電ギリギリまで
飲み続けていました。
かく言う私も、最後は終電目指して梅田でダッシュ!
かろうじて、帰宅することができました。(笑)

二次会の達成感という意味でも、大いに成果あり、でした。

それでは、この辺で。
出版学会に参加された皆さん、何より講師の中西さん、
ご案内を頂いたYさん、ありがとうございました!

2009-04-21

日本での知的財産戦略について

春に3日の晴れなし、ではありませんが、今日は広い範囲で雨模様。
せっかくブログを立ち上げましたのに、なかなか更新もせず
申し訳ありません。

私は29日(祝)が出勤ですので、その振替として今日は休みを頂きました。
さすがに、ブログを書くためだけに休むことはありません。(笑)
今日は下の子の参観日があり、振替休日です。
<家事はせずとも、育児には一生懸命。

他にも大事な用事が2件あり、参観日・懇談会の後、大阪に出かけます。
一つは、日本出版学会の関西部会です。

  日本出版学会: 関西部会 「書物の解剖学-本を解体する-」
  http://www.shuppan.jp/event/event2008.html#090421

それらについては、またここでご報告することになろうかと。


さて、今日は、日本での知的財産戦略について、書いてみようかと思います。
私は前職で、いわゆる知的財産本部で産官学連携といったことを
担当していましたので、多少知識がないでもありません・・・だと思っています。

これを読んでくださっている皆さんは、図書館はじめ、本の世界の方が
多いと思います。
おそらく、広い意味での知的財産にも関心がおありでしょうから、
日本における知的財産戦略について、おおまかなところだけ、
書いてみたいと思います。

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皆さん、「知的財産立国」という言葉を、お聞きになったことはあるでしょうか?

知的財産分野における日本の国策を語る際に、最初の契機となったのは、
2002年の小泉首相(当時)の施政方針演説です。
その演説において、小泉首相は、「研究活動や創造活動の成果を、
知的財産として、戦略的に保護・活用し、我が国産業の国際競争力を
強化することを国家の目標」とすることを明言しました。
また、その実現のために、知的財産戦略会議を立ち上げ、必要な政策を
強力に推進することにも言及しました。

 首相官邸webサイト:
  第154回国会における小泉内閣総理大臣施政方針演説
  http://www.kantei.go.jp/jp/koizumispeech/2002/02/04sisei.html


この演説後、知的財産戦略会議が設立され、同会議は「知的財産戦略大綱」を
策定しました。

  同サイト: 知的財産戦略大綱
  http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki/kettei/020703taikou.html

これが、現在までの日本の知的財産戦略を定める大元だとお考えください。
現状の報告に始まり、基本的方向と具体的行動計画が定められました。
大学などにおける知的財産創造の促進などはもちろん、図書館員の
大好きな著作権(笑)についても、権利者と利用者の双方にとってバランスの
とれた保護を実現することが定められています。

上述の「知的財産立国」についても、以下のとおり定められています。

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 「知的財産立国」とは、発明・創作を尊重するという国の方向を明らかにし、
 ものづくりに加えて、技術、デザイン、ブランドや音楽・映画等のコンテンツと
 いった価値ある「情報づくり」、すなわち無形資産の創造を産業の基盤に
 据えることにより、我が国経済・社会の再活性化を図るというビジョンに
 裏打ちされた 国家戦略

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この大綱を受け、定められたのが、知的財産基本法です。

  同サイト: 知的財産基本法
  http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki/hourei/021204kihon.html

同法第二条において、「知的財産とは、発明、考案、植物の新品種、
意匠、著作物その他の人間の創造的活動により生み出されるもの」と
定義されています。
<特許のような発明だけでなく、「著作物」も含まれています。


こうした一連の制定は、2002年2月の施政方針演説後、わずか1年
足らず(!)でなされています。
極めて異例の短期間でなされたことからも、「知的財産立国」という
姿勢がいかに重要なものとされているか、お判りになると思います。

日本は今後、無形資産の創造でやっていくんだ、というスタンスが
読み取れますね。
図書や学術論文などだけでなく、映画や音楽など幅広いコンテンツ
(=著作物)を、国際的なレベルで創造・保護・活用していこう、と
いった約束ごとになっています。

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もっといろいろと書こうと思っていましたが、予想以上のボリュームに
なってしまいましたので、続きは次回に譲ります。
それ以降の動き、特に今月も議論されている第3期知的財産戦略の
基本方針などについて、記したいと思います。


知的財産分野の一般的なネタで、図書館の方にとっては、面白みが
ないのではないかと、思いっきり(!)危惧しています。
図書館の方々は、「知的財産」というキーワードに、存外に食い付きが
悪いですので。(笑)

ご意見・ご要望などがありましたら、ぜひお聞かせください!

2009-04-12

大阪府立国際児童文学館 見学記

最近、本当に暖かくなってきましたね。
いよいよ、春本番といった感です。
春好きの私としては、何だか浮き浮きしてしまう今日この頃。

さて、今日は休みを利用して、大阪府立国際児童文学館に行って来ました。

 大阪府立国際児童文学館
  http://www.iiclo.or.jp/

ご存じの方も多いかとは思いますが、簡単に概略を。
この児童文学館は、児童文学者・鳥越信氏の寄贈資料12万点をもとに、1984年に設立されました。
大阪の万博跡地である、万博記念公園内に設置されています。
同館は、子どもの本とそれに関する資料を収集・保存・提供し、子どもの文学・文化の発展を目指しています。図書館的な機能にとどまらず、博物館的機能、研修・研究機能も有する総合的施設という位置づけです。


私が4月から勤務しているキャンパスでは、幼児教育・初等教育も研究されています。
この児童文学館を知っておくことは、直接的に役立つこともあろうかと期待しつつ、訪問しました。
ライブラリアンに復帰してまもなく2週間、休みを使って見聞を広めておこう、と。
(本当は、子どもたちと大阪万博記念公園で遊ぼうという下心が大)

上の写真は、建物正面です。
公園内の広い敷地に、ゆったりとしたエントランスゾーンが設けられています。
緑豊かな敷地に置かれ、広い池を前に設けられたポジション、グッときます!
(ついでに書いておきますと、建物の前に座っているのが、我が子たち。早く入館したがって、不満気な顔をしています)


入館すると、いろいろな情報が盛りだくさん!
著名人を中心に、児童文学館へ寄せられた多くのご意見なども掲示されていました。

どんな施設でも、第一印象が肝心です。
文学館にしろ、図書館にしろ、入った瞬間にウェルカムの意思表示を、利用者に示すことは、非常に大切だと思います。
その意味で、ここはそれに成功しているかと。



入館するなり、我が家の子どもたちは、入ってすぐのこども室へダッシュ!他を回ることなく、いきなり本を手に座り込んでしまいました。
(この写真にあるように、宝島をイメージした閲覧ゾーンがあり、これが非常に魅力的なスペースなのです!)

この子ども室にはおよそ2万点の資料があり、館外への貸出も行っているそうです。
他のフロアの資料は館内閲覧のみで、こども室には貸出用の副本を用意して提供しているとのことでした。


子どもたちが本に夢中になっている間に、私は、この日行われていた館内ツアーに参加しました。
閲覧ゾーンはもとより、日ごろ利用者は入れない4層の書庫内まで案内してくださり、いろいろな資料も拝見することができました。

分類は、NDCのような主題別ではなく、刊行年月日によるもので、同時期の資料が同じ棚に並んでいました。
資料のカバーも帯もそのまま残されている上、ブッカーで固定されてもおらず、できるだけ元の状態で保存しておこうというスタンスが読み取れます。

貴重書庫にも入れて頂き、いろいろな資料を拝見しました。
国内児童書の先駆けとされる、1891年刊「こがね丸」など、さまざまな資料が収集されています
(今日拝見できたのはその復刻版で、いささか残念でしたが・・・)。


児童文学館には、資料約70万点が所蔵されています。
図書が約33万点、雑誌25万点あまり、その他の資料が12万点あまり。
雑誌の付録、紙芝居、画噺、新聞など、図書や雑誌以外の多くの種類の資料が、収集されていました。
なお、ここの資料の半数以上は、寄贈によって収集されているとのことで、現在も広く寄贈を呼びかけているようです(ふさわしい資料をお持ちの方は、ぜひ!)。

 寄贈のお願い
  http://www.iiclo.or.jp/10_donation/index.html


児童館のスタッフの皆さんは、にこやかな笑顔の方ばかりで、その点も非常にいい印象を受けました。
館内ツアーのご担当さんも、判りやすい説明をしてくださいました。
館内ツアーは週末にやっているようですので、行かれる場合は、参加をお勧めします!

ブログに掲載するために写真を撮らせて欲しい、というお願いに対しても、すぐにご快諾頂きました。
(もちろん、申し込むときに利用者の方を写さないことは、こちらから申し出ておきました)


この児童館では、公共図書館によく見られるような、手作り感が非常に良かったです。
各種掲示などはもちろんですが、カウンターに大きく貼られた、手作りカレンダーは、私のツボに入りましたね~。


最後になりますが、この児童館は、2009年度中に閉館される予定であることを、書き添えておきます。
大阪府は、同館を「21年度中に廃止し、中央図書館へ移転する」ことと決定しています。
それに対し、多くの反対意見や活動があったとも、伺っています。

この「移転」の是非について、結論を出せるほど、私自身が経緯などを把握できていません。
しかし、このような機能・性格を持つ文化的施設が、わずかな検討期間でいとも簡単に閉鎖されてしまうことになったという事実に対しては、強い疑問と危機感を感じています。

ネット上でもいろいろな議論がされているようですし、ここでは今日の見学について情報提供することに留めたいと思います。
(実質的な初回ですのに、いささか曖昧な終わり方で、申し訳ありません)


おまけに。
すっかり日差しが強くなり、親子揃って、少し日焼けをした様子。
お出かけの際は、そろそろご注意ください。(笑)

2009-04-10

初めてのキャンパス訪問

今日はまず、初めて異動先の短大図書館を訪ねたときの話を。
初っ端から、内部向けの話で申し訳ありません。
学外の方でも、私の置かれた複雑な状況をお知りになりたい方は、ご覧ください。(笑)


3月中旬、私の異動先である新しいキャンパスに、ご挨拶かたがた見学に行ってきました。
図書館自体はもちろんですが、実はキャンパス自体にも行ったことがなくて、初めて訪れました。

初回ということで、まずは最寄駅から歩いてみました。
徒歩10分少々、何箇所かに看板が出ていましたので、特に迷うこともなく、無事辿り着くことができました。
キャンパスはゆったりとしており、非常に落ち着いた感じがしました。
第一印象は、非常に良かったです。

キャンパスに着いてすぐ、案内板を見ていますと、学生さんが声をかけてくれて、本部(図書館に行く前にまず本部でのご挨拶)へ連れて行ってくれました。
う~ん、このキャンパスの印象が、50%くらいアップしましたね~。
<女子学生だったから?

たまたまなのでしょうが、初回にこうしたことがあると、全く印象が違いますよね!
自分がこれから働くキャンパスで、こういった学生さんがいることを、非常に嬉しく思います。


さて本部でのご挨拶も終わり、いよいよ図書館へ移動して、現地を見学・・・と思いきや、図書館の場所が判りません!
ところどころに「何号館→」などというプレートは立っているのですが、図書館に誘導するサインがありません。
結局、キャンパスに着いたときに見た案内板まで戻ることに。

案内板を見れば、図書館はちょうどその目の前。
図書館自体にも、パッと見た感じ、目立ったサインプレートや看板はないようでした。
(4月就任後に判ったのですが、すぐ隣の建物が工事中であるため、図書館の看板が見えなくなっていたのです)。
新入生たちが、入学後図書館を訪れやすくなるよう、立て看板でも何でもいいので、たちまち何か手を打っておかなければ、とまず思いました。
(実際、異動後すぐに簡単な立て看板ではありますが、サインを出しました)


そうして図書館に到達し、ご挨拶もしてきました。
この図書館は、4月から4人職場となります。専任としては、私と現在いらっしゃる方お一人の2名です。
この4人の他に、午後からカウンターに業務委託で、2名のスタッフが来てくれます。
8人でシフトを組み、そのうちどなたか2人が来てくださるとのことでした。

委託先は、大学図書館カウンターに入っている会社です。
8名のスタッフ中、5名は大学図書館と兼任のスタッフということで、非常に助かりそうです。
貸出返却システムなどは共通のものですので、それらをよく知ってくださっているだけでも、大助かりです。
(ちなみに、カウンター委託は4月から開始され、短大図書館にとっても、初めての試みです)

この日は、施設・設備・資料などざっと見学をしながら、簡単な業務概要について伺いました。
授業のない時期ということもあり、館内は非常に落ち着いた様子でした。
(今の状態がどうこうではなく、)今年度から図書館の位置付けが抜本から変わりますので、これから取り組むべき課題もいろいろ(!)ありそうに思いました。
<それらについては、次回以降に譲りたいと思います。


ここで、短大図書館の位置付けについて、記しておきたいと思います。
2008年度までの図書館は、大学図書館と短大図書館を兼ねていました。
これを4月から、短大図書館という位置づけに改めます。
つまり、大学図書館分室ではない、ということです。
(ここが非常に重要なポイントです!)

同じ学校法人の下ではありますが、短大(=大学外)の部門になりますので、大学図書館とは別個の組織です。
開館スケジュールも違えば、利用条件も違います。
このキャンパスに在籍する「大学の」教員・学生に対しては、隣のキャンパス(徒歩10分弱)にある大学図書館がその教育・研究を支援することになります。

私たちは、短大図書館として、短大の教員・学生をメインに支援することになります。
大学生さんたちも、短大図書館を利用することはできますが、副次的な利用といったところでしょうか。

(一方で、短大図書館は、大学の学部資料室の機能を有することにもなっています。
そのため、学部経費で購入する資料などは、当面は短大図書館に配架されることになっており、そのためのフロアや書架の増設も完了しています。)

このような位置付けですので、大学図書館とは、組織的な意味においては、直接的繋がりはありません。
大学図書館からみると、高等部・中学部の図書館に近い組織でしょう。
ですが、大学図書館が持つ総合図書館としての機能のもと、相互に協力をしなければいけないパートナーであることは、間違いありません。

現実として、このキャンパスに所属する大学の教職員・学生さんたちは、多く短大図書館を利用されることでしょうし、そこは「単に別組織(=だから、大学図書館では知らないよ?)」に留まらない、プラスアルファの関係になるのかな、と思っています。
<ですよね、ですよね??大学図書館の皆さん、ここ最重要ですよ!!

同じ学内の図書館として、ぜひ一緒に頑張っていきましょう!

2009-04-08

自己紹介的に

今回は、実質的に初回ですので、自己紹介的に。
プロフィールにも書いていますので、だいぶ重複してしまいますが。(笑)

私は、1971年愛媛県松山市生まれの38歳、 図書館情報大学を1993年3月に卒業して、以来関西の某学校法人にずっと勤務しています。
最初1年間の分類業務の後、新キャンパスの大学図書館分室設立、および設立後同室での利用サービス業務などに、11年間従事しました。
その間、小さいキャンパスならではの良さで、学生さんたちに親しんでもらえる図書館を作ってきました(つもり)。

2005年度から、人事異動により知財本部にて、いわゆる産官学連携業務に従事しました。
図書館を離れたことに加え、膨大な業務量による時間的制約と仕事のプレッシャーとにひたすら苦悩し、人生で最も過酷な4年間を過ごしました。
<でも、その間に体重は5キロ増!

そこへ、この4月1日から、念願の図書館復帰!今回は、短大図書館への勤務となりました。
この短大図書館は、ユニークなことに、同じキャンパスにある大学の学部資料室の機能を持つことになっています。
いろいろな大学で見受けられますように、大学は学部毎に資料室を持つことが多いですね。
私の所属するキャンパスの場合、学部資料室はもちろん、大学図書館自体がありません。
私のいる短大図書館が、キャンパス唯一の図書館です。
そのため、短大図書館が大学の学部資料室機能を有する、という位置付けになっています。

さらに言うと、私の所属はキャンパス事務室という組織で、短大でなければ学部でもなく、まして大学図書館でもありません。
こうした事情があり、日頃の業務は、短大・学部・大学図書館の3方向を見ながら、しかも組織上はそれらのいずれにも所属しないという、非常に複雑な関係の中に置かれているのです。
今の職場に移って1週間、まだまだ業務の全貌は見えませんが、果たしてどうなることやら・・・?

しかしそれにしても、そこはやはり念願の図書館業務。
毎日毎日非常に慌ただしいですが、毎日が充実しています!
このブログについても、まずは継続していくことを目標に(笑)、無理のない範囲で更新していきたいと思います。
「当ブログの主旨」にも書きましたが、図書館や本の世界に関するネタを継続して振っていくことが、まず第一目標です。
「図書館の勉強をしたいけど、なかなか・・・」という方を主なターゲットに、情報提供とコミュニケーションを図っていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

2009-04-06

ブログ開設しました

井上 昌彦@管理人です。
いろいろと思うことがあって、ブログを開設しました。
開設にあたって言いたいことは、ページ左側の「(最初にお読みください)当ブログの主旨」に記してありますので、そちらをご覧ください。

分野は特にこだわらず、広く図書館や本の世界について、触れていければと思っています。
Google、web2.0、Library2.0などに関心を持っていますので、これらの情報が多くなるかもしれません。

また、目的の一つにあるように、同一法人内へのPRも重視していますので、(ここで書ける範囲で、ですが)いささか内向きの投稿になることもあるかと思いますが、ご容赦ください。

このブログを通じ、学内外の方々とコミュニケーションを取れれば、と思います。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。