2011-07-28

病気と明るく強く闘う、れいこ
【第30~31日目: 7月27~28日(水~木)】

6月28日に始まったれいこの闘病記、30~31日目です。
(初めての方は、まず初日・6月28日のエントリーをご覧ください)


○一ヶ月前の、あの日

早いものです。
れいこの発症から、ちょうど一ヶ月が経ちました。

初めて頭痛を訴えたのが、6月23日(木)のことでした。内科で頂いた薬が効かず、近所の脳外科を訪れたのが、27日(月)でした。

そして翌6月28日(火)、検査に訪れた宝塚市立病院にて脳腫瘍と水頭症の発症と、余命1年程度との診断を下されました。


気が動転する中、慌ただしく即日の入院・手術となりました。
れいこが手術を受けている間、私たち一家は、病室で涙ながらに約束しました。

れいこは、絶対に助かること。
そのためには、私たちが涙したり、絶望したりしてはいけないこと。
れいこと一緒に、「明るく強く」闘って、絶対に病気に勝つこと。

Twitterのアイコンにもしている、初日手術直後の写真

そのために、ブログやTwitterで、れいこの闘う姿を伝えていくことにしました。
必ず病気に勝って、れいこと笑顔で振り返るために。


れいこにとっても、私たち一家にとっても、この日はずっと忘れられない日になるでしょう。



○ひと月経って、思うこと

あれから、一ヶ月が過ぎました。

れいこは2度の頭の手術に耐え、一ヶ月の入院生活を送っています。麻痺は進み、一人にはしておけない状況になりました。
病魔はジワリジワリと忍び寄ってきますが、れいこはそれに打ち勝つため、放射線治療を受け始めました。
れいこは、自分の命の危機とまでは知りませんが、まさに「明るく強く」闘っています。



家族の生活にも、変化が生じています。
妻は看病に専念するために、休職しました。私は、一ヶ月ずっと休んでいましたが、ようやく今週から、午前中だけ勤務を再開したところです。


家族の不安やストレスは、相当のものです。
れいこを失うかもしれないという不安に襲われながら、朝から夜までの付き添いが、毎日続きます。

看病は仕事と違い、オフが全くありません。
起きた瞬間にれいこのことを思い出し、れいこ中心の一日が始まります。楽しみである飲み会にも、道場にも行けません。もちろん、日曜であろうと、解放されることはありません。


正直、疲れがないと言えば、嘘になります。
妻や息子は、私以上でしょう。

れいこの場合も、病気に勝つまでは、長期戦が予想されます。
れいこ自身もそうですが、家族が共倒れにならないようにしなければいけないと思います。


それにしても、改めて思うのは、ごく平凡な日常のありがたさです。

毎朝目を覚ましたら、家族がそこにいること。
家族みんなが元気で、嫌々ながらでも、仕事に行けること。
ときには、親子喧嘩をすること。
家族が揃って、一緒にご飯を食べること。

・・・こういったことが、どれほど幸せなことでしょうか。
わが家にも、こうした日常が戻ってくることを、信じています。



○気持ちの弱さと強さと

メンタルの部分で、浮き沈みもあります。
ふとしたことで、感情が高ぶったり、気持ちが沈んだり。


恥ずかしながら、昨日は道端で涙を流してしまいました。
れいこの車椅子を押しながら、iPhoneで音楽を流していたのですが、そこでかかった曲が「いきものがかり」の「ありがとう」でした。

恋愛的な感情だけとも言いにくいこの曲、親子の情に通じるものがあります。

“誰かのために生きること 誰かの愛を受け入れること
そうやって いまを ちょっとずつ 重ねて
喜びも 悲しみも 分かち合えるように

思いあうことに幸せを あなたと見つけていけたら
ありふれたことさえ 輝きをいだくよ ほら その声に 寄り添っていく

“あいしてる”って伝えたくて あなたに伝えたくて
かけがえのない手を あなたとのこれからを わたしは 信じているから”


この歌は、れいこが大好きな曲で、車椅子の上で元気に歌っていました。
前向きで、でもどこか切ない歌詞。れいこの明るさや自分の今の心境と相まって、道端なのについポロリ。

すれ違ったおばさんが、怪訝そうな顔でこちらを見ていました。
そうですよね、車椅子で調子外れに歌う女の子と、それを押しながらポロリポロリとしているおっちゃんと。(笑)



以前の私なら、こうしたことを、決して書けなかったと思います。
こう見えても意外に骨っぽいところがあるつもりで、「男が人前で、涙なんか見せるもんじゃない」なんて、ずっと思ってきました。

でも、今回のことであちこちでポロリポロリしているうちに、自分の弱いところを見せてもいいような気もしました。


もしかすると、自分の弱さを見せられる強さを、持つことができたのかもしれません。

そうだとしたら、れいこに強さをもらった、ということになるのでしょうか。
自分のもらったこの強さを、これからもっともっと、れいこに返していきたいと思います。



○今日のれいこ

今朝れいこは、大阪市立総合医療センターで実施しているビーズ・オブ・カレッジ・プログラムに参加しました。

主催しているタイラー基金によると、

”小児がんと闘う子どもたちは、つらい治療をひとつ終えるたび、勇気を持って頑張った証にカラフルなビーズをもらいます。それぞれのビーズは、ひとりひとりの力強い物語であり希望の象徴なのです。”

・・・とのことです。


れいこも、今までに乗り越えてきたハードルに相当するビーズをもらいました。
入院、手術、放射線治療、などなど・・・。



左手が使えない中、一生懸命紐を通して、作り上げました。
れいこは、これからも治療を頑張って、「力強い物語であり希望の象徴」でもあるビーズリングを作り上げていくことでしょう。



○大事な仲間たち

今日もまた、周りの人たちに支えられていることを、実感しました。

この数日、仕事に行き始めましたが、それでも昼には失礼しています。
今まで一ヶ月も休んで、職場には迷惑をかけ続けているのですが、今も毎日同僚たちは、気持ちよく私を帰らせてくれます。
いろいろと気遣いも頂き、同僚たちには本当に感謝しています。


他部署ながら図書館まで来てくれて、れいこのために涙を流してくれた仲間もいました。

また、ある方は、大勢のメンバーでれいこへの見舞いを用意してくれただけでなく、いつでも渡せるようにと持ち歩いてくださっていました。
(病院帰りの夜道で偶然お会いしたのに、パッと取りだして渡してくださいました!)


本当に私は、仲間に恵まれています。
仲間たちのためにも、絶対にれいこには、元気になってもらいます!(笑)



○週末の外泊

今週末も、外泊をする可能性が出てきました。
金曜も体調がよければですが、金曜夕方の治療後、月曜の治療まで外泊することができそうです。何と、3泊です!

先週末、わが家に1夜だけ戻ったれいこは、とても喜んでいました。
3泊もできるなんて、夢のようです!
まだ確定ではありませんが、そういう方向ですので、お見舞いの方、ご注意ください。

私の恩師のお見舞い「星の王子さま」(仕掛け絵本)を読むれいこ



ところで、また厚かましいお願いです。
月曜の昼、宝塚の自宅から大阪市立総合医療センターまで、送ってくださる方がいらしたら、ご一報願えませんでしょうか?

れいこ+片親+車椅子1台、乗車希望です。キャパに余裕があれば、両親を載せてもらえると、なお嬉しいです。
こちらの希望としては、12:30~13:00頃に宝塚を出発したいと思っています。


勝手ながら、れいこの体調によって、変更が生じる場合がありますので、ご了承ください。
当面お礼もできないと思いますが、れいこが元気になることで、恩返ししたいと思います。

「れいこ お助け隊」の皆さま:
上記のお願いは、皆さんにメールをお送りしたのと同一のものです。病院から自宅へ戻る方は、お申し出を頂きましたので、ご放念ください。ありがとうございました。




<●最後に、れいこへ。>

れいこへ。

今日で、ちょうど前の入院から、一ヶ月経ったね。
2回も頭を切る手術をしたし、友だちがお見舞いに来られない遠くの病院にも移ってきたね。本当に、よく頑張っとると思うよ。



でも、病気との闘いは、これからやで。
放射線治療も、まだやっと3分の1が終わっただけやけんな。じっくりと時間をかけて、しっかり治さんといかん。


まだお前には言うてないけれど、れいこは、とても大変な病気に罹っとるんよ。客観的に見ても、かなり危ない病気なんよ。


ほやけど、れいこなら、きっと大丈夫。
体も強いし、何より空手で鍛えたココロの強さがあるけん。
もう1ヶ月も、頑張って治療を続けたしな。これからも、頑張れるやろ?

元気になったら、Jボードを買って、一緒に乗るんよな?
沖縄にも、行く約束やったね?


早く病気なんか、やっつけよう。
みんなが、本当に大勢のみんなが、お前を応援しとる。

早く元気になって、学校や道場に戻ろう。
そして、お父さんやお母さん、お兄ちゃんと毎日一緒に過ごそう、れいこ。

 

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